コラム
インプラントの寿命に影響を与える要因と寿命を延ばす方法!
こんにちは。三重県伊賀市にある歯医者「矢谷歯科医院」です。
インプラントは入れ歯やブリッジよりも丈夫で長持ちしますが、適切なケアができていなければ早く寿命を迎えることもあります。インプラントの寿命は、インプラント治療後にどれだけケアをしたかに左右されるのです。
「インプラントは寿命が長いから」とケアを怠らず、毎日の歯磨きと定期的なメンテナンスを徹底しましょう。
この記事では、インプラントの寿命に影響を与える要因と寿命を延ばす方法について解説します。
目次
インプラントの寿命
インプラントの寿命とは、何らかの原因でインプラントが使えなくなることを指します。インプラントが抜け落ちたり破損したり、噛めなくなった場合は寿命を迎えたと言っていいでしょう。
インプラントはチタンと骨が結合するという特性を活かした治療なので寿命が長く、10~15年ほど使えるといわれています。入れ歯の寿命が4~5年、ブリッジの寿命が7~8年といわれているため、インプラントの寿命は非常に長いです。
しかし、インプラントの寿命は顎の骨や歯茎の状態に左右されます。インプラントの治療後にどれだけケアをしたかによって、寿命が長くなったり短くなったりするのです。インプラント治療後にセルフケアとメンテナンスを徹底した場合、20年以上使えたという症例もあります。
インプラントの治療が終わったからといって通院を辞めず、定期的にメンテナンスを受けましょう。
インプラントの寿命に影響を与える要因
ここでは、インプラントの寿命に影響を与える要因について解説します。
インプラント周囲炎
インプラント周囲炎とは、インプラントの周りの磨き残しが原因でインプラントの周りの歯茎や骨が炎症を起こす病気のことです。
歯周病と同じく、初期段階では歯茎が赤くなったり腫れたり、歯茎にのみ炎症が起こります。悪化すると、インプラントを支える顎の骨にまで炎症が広がり徐々に骨が吸収され始めます。これによりインプラントがグラつき始め、最終的には自然と抜け落ちてしまうのです。
インプラント治療後に、歯磨きの際に出血する、インプラントの周りの歯茎が腫れているなどの症状がある場合、インプラント周囲炎になっているかもしれません。
メンテナンス
インプラントは虫歯にはなりませんが、インプラント周囲炎になるリスクがあります。毎日の歯磨きでインプラント周囲炎を予防できるものの、インプラントと歯茎の境目には歯ブラシが入りにくいため磨き残しができやすいのです。
インプラントの寿命を長くするためには、定期的にメンテナンスに通ってお口の中を清潔に保つことが欠かせません。
全体の噛み合わせのバランスや、周りの歯の虫歯や歯周病も、インプラントの寿命に影響を与えます。定期的なメンテナンスでお口全体をチェックすることで、インプラントも自分の歯の寿命も延ばせるでしょう。
喫煙習慣がある
喫煙習慣は、インプラントの寿命に大きな影響を与えます。非喫煙者の方と比べると、喫煙習慣がある方はインプラントの寿命が短くなることがわかっているのです。
タバコには傷口の治りを阻害する働きがあるため、インプラント治療後に顎の骨とインプラントが定着しないことがあるからです。また、インプラントと顎の骨がうまく結合した後も、免疫力の低下によりインプラント周囲炎になるリスクが高いです。
歯ぎしりや食いしばりの癖がある
無意識に行う歯ぎしりや食いしばりは、普段の3倍以上の負担を歯やインプラントにかけるといわれています。自分の歯には負担をやわらげるための歯根膜がありますが、インプラントには歯根膜がないため、歯ぎしりや食いしばりの負担が直接かかります。
これにより、人工歯部分が破損したりインプラント自体がグラついたりして、インプラントの寿命を縮めることがあります。
また、歯ぎしりや食いしばりは、自分の歯が欠けたり割れたりする原因にもなります。
インプラントの寿命を延ばす方法
インプラントの寿命を延ばすためには、以下のポイントに気を付けましょう。
セルフケアを徹底する
インプラントの寿命を縮める大きな要因の1つは、インプラント周囲炎です。インプラント周囲炎の原因はお口の中が不衛生なことなので、まずはセルフケアを徹底しましょう。
毎日の歯磨きでできるだけ磨き残しを失くすことで、インプラント周囲炎を予防できます。人工歯部分と歯茎の境目は磨きにくいため、正しいブラッシングで歯磨きすることが大切です。
軽い力で歯ブラシを握り、インプラントと歯茎の境目は45度の角度で歯ブラシの毛先を当てるよう意識しましょう。インプラントの周りを磨く際は、毛先の細い歯ブラシやインプラント用の歯ブラシを使用すると汚れをしっかり落とせます。
フロスや歯間ブラシも使用して、効率的に汚れを除去しましょう
定期的にメンテナンスに通う
インプラントの寿命を延ばすには、毎日の歯磨きと合わせて定期的にメンテナンスに通うことが欠かせません。毎日の歯磨きも大切ですが、歯ブラシが届きにくい歯と歯茎の境目や歯と歯の間などにどうしても汚れや歯石が溜まります。
このような汚れは歯科医院でないと取り除けませんので、定期的にメンテナンスに通うことが大切です。
また、メンテナンスではインプラントの不具合のチェックだけでなく、全体の噛み合わせや周りの歯の虫歯・歯周病のチェックなども行います。特に、初期の歯周病やインプラント周囲炎は自覚症状が乏しく、自分では気づきにくいです。
何も症状がなくても定期的にメンテナンスを受けることで、インプラントだけでなく自分の歯の寿命を延ばせるでしょう。
喫煙本数を減らす
インプラント治療前にも禁煙を促されることが多いですが、喫煙習慣があるとインプラントの寿命に悪影響を与えます。そのため、まずは喫煙本数を減らすことから始めてみましょう。
自分で禁煙するのが難しい場合は、禁煙外来の受診を検討してもよいかもしれません。
歯ぎしりや食いしばりの改善
歯ぎしりや食いしばりは無意識で行っていることが多いため、意識的に改善するのは難しいでしょう。まずは、インプラントや自分の歯を守るために、就寝中はナイトガードを装着しましょう。
ナイトガードを装着することで、インプラントにかかる負担を軽減できます。
また、歯ぎしりや食いしばりはお口の問題だけでなく、ストレスや睡眠不足、生活習慣の悪化などさまざまな要因によって行われています。ストレスを溜めないよう意識したり、睡眠時間を確保したりと、規則正しい生活で体を整えることも意識しましょう。
インプラントの寿命がきたときの対処法
骨に埋め込んだインプラントには問題ないものの、人工歯だけが破損・脱離したのであれば、修理や作り直しで対応できます。
しかし、インプラント本体がグラついて抜け落ちたのであれば、インプラントが寿命を迎えたといえます。この場合、インプラントの再治療が必要です。
インプラント治療には保証を設けている歯科医院が多いので、保証期間内であれば無料もしくは通常よりも安い費用で再治療できます。保証期間や内容は歯科医院によって異なるので、事前に確認しておくと良いでしょう。
また、3か月に一度はメンテナンスに通っていなければならないなど、保証を受けるための条件があるのが一般的です。条件も歯科医院によって異なりますので注意してください。
インプラント治療を受ける時は、保証期間や内容、保証を受けるための条件を確認しておきましょう。
保証の対象外と判断されると、インプラントの再手術の費用を全額負担しなければなりません。追加の治療が必要になることもあるので、初回の治療費より高くなるケースもあるでしょう。
インプラントの寿命を延ばすだけでなく、保証を受けるためにも定期的にメンテナンスを受けることが大切です。
まとめ
入れ歯やブリッジに比べてインプラントの寿命は長く、10年以上もつといわれています。
しかし、インプラントの寿命はお口の状態によって左右されるため、適切なケアができていなければ早い段階で寿命を迎えることがあります。毎日の歯磨きによるセルフケアと、定期的にメンテナンスを受けることが重要です。
適切なケアを続けることで、15年、20年とインプラントの寿命を延ばせます。何も症状がなくても3~6か月に一度はメンテナンスを受けましょう。
インプラントを検討されている方は、三重県伊賀市にある歯医者「矢谷歯科医院」にお気軽にご相談ください。