こんにちは。三重県伊賀市にある歯医者「SPT 矢谷歯科口腔医院」です。

「どうしてうちの子はよく虫歯になるのだろう」「虫歯を予防するにはどうしたらいいのか」といった疑問をお持ちではありませんか。お子さまが虫歯になりやすいのは、単に歯磨きの不足だけでなく、生活習慣や歯そのものの構造、発育段階による影響も大きく関係しています。

この記事では、虫歯が発生するメカニズム、虫歯になりやすい子どもに見られる特徴、そして具体的な予防策について詳しく解説していきます。お子さまの大切な歯を虫歯から守るために、ぜひ参考にしてください。

虫歯のメカニズム

まず、虫歯がどのように発生するのか、基本的なメカニズムと進行過程について見ていきましょう。

虫歯の原因菌と発生メカニズム

虫歯の主な原因菌は、ストレプトコッカス・ミュータンスです。この細菌は、プラークと呼ばれる粘り気のある物質を形成します。プラークは歯の表面にしっかり付着するため、うがいだけでは落とせず、歯ブラシなどで擦り取る必要があります。

歯磨きが不十分でプラークが除去されないまま時間が経つと、プラーク中の細菌はどんどん増殖していきます。

細菌のエネルギー源は食べ物に含まれる糖で、それを分解する際に酸を産生します。歯の外側の組織であるエナメル質は、人体の中で最も硬い組織ですが酸には弱いです。細菌の出す酸で徐々に溶かされ、虫歯が発生します。

虫歯の進行過程

虫歯は時間をかけて進行していきます。早期に気づき適切な対策を講じることで、深刻な歯のトラブルに発展する前に対応できます。

初期の虫歯（C0）

C0は、エナメル質の表面がごくわずかに溶け始めた状態です。歯の表面に白濁が見られることがあります。

自覚症状はほとんどなく、この段階でしっかり歯磨きをしたり、フッ素を活用したりすることで、虫歯の進行を食い止められる可能性があります。

表面の虫歯（C1・C2）

C1、C2はエナメル質が溶けて穴が開き、その内側にある象牙質まで虫歯が進行した状態です。冷たいものがしみたり、痛みを感じたりすることがあります。

セルフケアでは修復できないため、虫歯部分を削り取り、詰め物などで修復する治療が必要になります。

神経まで達した虫歯（C3）

C3は、虫歯が歯の内部を通る神経まで達した状態です。激しい痛みが生じることがあり、感染した神経を取り除く根管治療が必要になります。

歯根まで達した虫歯（C4）

C4は、歯の根っこ部分まで虫歯が進行し、歯の大部分が崩壊した状態です。歯を残すのが難しくなり、抜歯が必要になる場合があります。

虫歯になりやすい子どもの特徴

虫歯が発生するメカニズムを理解した上で、次に注目すべきは虫歯になりやすい子どもの特徴です。一般的に、子どもの歯は大人に比べて虫歯が進行しやすいです。

子どもの歯のエナメル質が永久歯に比べて薄く、成長過程にあるため十分なカルシウムが歯に取り込まれておらず、歯質が柔らかいためです。それに加え、虫歯になりやすい子どもには以下のような特徴があります。

歯磨き習慣が身についていない

子どもは、自分自身でしっかりと歯を磨く習慣が身についていないことが多いです。遊びに夢中になり、十分に歯磨きができていないことも珍しくありません。

そのため、ご家族による仕上げ磨きが不可欠です。子どもが仕上げ磨きを嫌がったり、仕上げ磨きが不十分だったりすると、プラークが蓄積して虫歯になりやすくなります。

特に、虫歯になりやすい奥歯や歯と歯の間などは、ご家族が丁寧に磨いてあげることが大切です。

おやつの食べ方に問題がある

お菓子やジュースなど、糖分を多く含む食品を頻繁に摂取する子どもは、虫歯になりやすいです。また、時間を決めずにダラダラ食べていると、口内に糖分が長時間ある状態になり、細菌が酸を出す時間も長くなるため、虫歯のリスクがさらに高まります。

口呼吸をしている

鼻呼吸ができず口呼吸が習慣化すると、口内が乾燥します。唾液には、口の中を洗浄し酸を中和する役割があるため、減少すると虫歯のリスクが増加します。

歯並びが悪い

歯並びが悪いと、歯が重なり合った部分に汚れが溜まりやすくなります。歯ブラシの毛先も届きにくいので、ブラッシングが不十分になりやすく虫歯のリスクが高まります。

乳歯の虫歯を放置するリスク

「どうせそのうち抜けるから」と乳歯の虫歯を治療しない方もいますが、虫歯を放置すると以下のようなリスクがあります。

痛みが出る

虫歯が進行すると、歯に穴が開くだけでなく、痛みや不快感を引き起こします。特痛みや炎症が続くと食事や睡眠にも影響し、全体的な健康状態にまで悪影響を及ぼすことがあります。

進行した虫歯は、放置しても自然に治癒することはありません。放置すればするほど深刻な問題へと発展していきます。

永久歯に影響が出る

乳歯は、食べ物を噛む役割だけでなく、発音や顎の発育、さらには永久歯が正しく生えるためのスペースを確保する重要な役割を果たしています。健康な乳歯がしっかりと機能することで、子どもは正しい噛み合わせや発音を習得し、さらに顎の正常な発育を促せます。

そのため、乳歯が早期に失われたり、重度の虫歯によって機能が損なわれたりすると、永久歯の生え方や歯並びに悪影響が及ぶ恐れがあります。

感染が拡大する

乳歯の虫歯を放置すると感染が拡大し、周囲の歯や歯茎に影響を与える可能性があります。最悪の場合、全身の健康にも影響を及ぼすことがあります。

子どもの虫歯を予防する方法

子どもの虫歯を予防するためには、以下の方法を実践することが大切です。

正しい歯磨き習慣をつける

虫歯予防の基本は、正しい歯磨きです。小さな子どもは自分で十分なブラッシングができないことが多いため、一般的に小学校低学年（6～8歳頃）までは仕上げ磨きが必要とされています。

特に、細菌の活動が活発になる食後や寝る前の仕上げ磨きは、デンタルフロスなども併用して丁寧に行いましょう。また、フッ素入りの歯磨き粉を使用することで、歯のエナメル質を守りながら虫歯菌の活動を抑える効果が期待できます。

歯磨きの際は、お子さま自身も鏡を使って自分の歯の状態を確認するなど、遊び感覚で楽しく取り組める工夫をするとよいでしょう。

規則正しい食習慣をつける

一度に十分な量を食べるのが難しいお子さまにとって、間食は必要なものです。おやつを食べないようにするのではなく、食べる時間をしっかり決めたり、虫歯になりにくいおやつを選んだりするようにしましょう。

例えば、砂糖が多く含まれる加工食品や清涼飲料水ではなく、ナッツやチーズなど栄養バランスに優れた食品や牛乳、お茶などを選び、糖分の摂取を減らすことが大切です。また、食事の際はよく噛む習慣をつけることで、唾液の分泌が促されます。

定期的に歯科検診を受ける

定期的に歯科医院で検診を受けることで、見逃されやすい初期の虫歯も早期に発見して対応できます。フッ素塗布やシーラントなど、虫歯を予防するための処置も受けられるでしょう。

フッ素塗布は、歯のエナメル質を強化し、虫歯の進行を防ぐために非常に効果的な処置です。また、シーラントは、虫歯になりやすい奥歯の噛み合わせの深い溝をコーティングすることで、汚れが入り込みにくくし虫歯の発生を抑制する処置です。

まとめ

虫歯になりやすい子どもには共通する特徴があり、適切に対応することで予防が可能です。特に、仕上げ磨きの徹底や食生活の見直し、フッ素やシーラントの活用が効果的です。

お子さまの歯の健康を守るために、今日からできることを始めてみましょう。

お子様の虫歯予防にご興味がある方は、三重県伊賀市にある歯医者「SPT 矢谷歯科口腔医院」にお気軽にご相談ください。

当院の院長・副院長は口腔外科出身で、親知らずの抜歯やインプラント治療などを得意としています。虫歯・歯周病治療や矯正治療、入れ歯治療なども行っております。

当院は、地元の伊賀市だけでなく、名張市・亀山市・津市からも多くの患者様にご来院いただいております。歯に関するお悩みはぜひお気軽にご相談ください。

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