コラム
入れ歯のお手入れを怠るリスク!正しいお手入れの仕方

こんにちは。三重県伊賀市にある歯医者「SPT 矢谷歯科口腔医院」です。
皆さんは、入れ歯の正しいお手入れの方法や保管方法をご存知でしょうか。普段から義歯を使用していても「外して水洗いするだけ」「普通のハブラシやハミガキ粉で磨いている」という方もいらっしゃるかもしれません。
毎日の洗浄を怠ったり間違ったメンテナンスをしたりしていると、雑菌が繁殖して劣化やニオイの原因となるため注意が必要です。
本記事では、入れ歯のお手入れを怠るリスクや正しいメンテナンスの仕方、注意点、正しい保管方法について解説します。
入れ歯のお手入れを怠るリスク

装具の洗浄や消毒が面倒で「水で流すだけで大丈夫だろう」「お湯に浸け置きするだけでいいだろう」と感じている患者さまもいるかもしれません。
しかし、日々のメンテナンスを怠れば、雑菌が繁殖します。口腔内が炎症を起こしたり不快なニオイが発生したりする可能性もあるでしょう。ケアの仕方が間違っていたり不足したりした場合には、変形や破損を起こして使用できなくなる恐れもあります。
義歯の寿命は5年程度といわれていますが、これはあくまでも目安です。装具を快適に長く使い続けるためには、毎日の適切なブラッシングと消毒が必要不可欠なのです。
入れ歯の正しいお手入れの仕方

入れ歯を誤った方法でメンテナンスすると、適合性が悪くなったり破損したりする可能性があります。そのため、適切な方法でメンテナンスする必要があります。
以下では、正しいお手入れの仕方について解説します。
柔らかいブラシや専用のブラシを使用する
装具を洗浄するときには、柔らかいハブラシや専用のブラシを使用することが大切です。まずは、目に見える目立った汚れを取り除きます。ブラッシングの際は、流水ですすぎながら食べカスやヌメリを落とすことを心がけてみてください。
目立つ汚れを取り除いた後は、歯の溝や金具のバネの部分など細かい部分まで丁寧に洗浄することが重要です。
毎食後に洗浄する
装具を洗浄するタイミングは、毎食後が理想です。外出や旅行などで洗浄するのが難しい場合には、入れ歯用のウェットシートを活用するのも方法のひとつです。
なお、最低でも1日に1回は、ブラシで丁寧に磨く時間を設けましょう。
使用しないときは水やぬるま湯につけておく
入れ歯は、乾燥するとヒビ割れたり変形したりしやすくなります。そのため、使用しないときには、水やぬるま湯につけておくことも大切です。そのままの状態で長時間置きっぱなしにしておくと、乾燥して不具合が生じることがあるため注意が必要です。
就寝前には専用の洗浄剤を使用する
1日1回、就寝前には、特別なケアとして専用の洗浄剤を使用することも忘れてはならないポイントのひとつです。毎食後にブラッシングを行っていても、装具に付着した食べ物のカスや菌をすべて取り除くのは難しいためです。また、カンジダ菌などが繁殖する恐れもあります。
1日1回は入れ歯専用の洗浄液に浸けて、細菌や汚れを徹底的に除去しましょう。どのような洗浄剤を選べばよいか分からないという患者さまは、歯科クリニックへご相談ください。
定期的にメンテナンスを受ける
装具を快適に使い続けるためには、定期的なメンテナンスを受けることも重要です。装具や口腔内の状態は日々変化しますので、1ヵ月に1回は歯科医師によるチェックや調整を受けることが望ましいです。
歯科クリニックでの定期的なメンテナンスでは、虫歯や歯周病のチェック、クリーニング、ブラッシング指導なども受けられますので、お口全体の健康維持に役立ちます。
入れ歯をお手入れするときの注意点

ここからは、装具をメンテナンスする際の注意点について解説します。
硬いブラシを使用しない
装具を洗浄するときに、汚れやニオイが気になって硬いブラシでゴシゴシと強く磨きたくなる患者さまは多いかもしれません。
しかし、硬いブラシでゴシゴシと磨くと、装具の表面が削れて細菌が蓄積しやすくなったり変形したりすることがあります。その結果、装具のフィット性が悪くなって口内が傷ついたり装具が破損したりする可能性があるため注意が必要です。
ハミガキ粉を使用しない
入れ歯をブラッシングする際には、ハミガキ粉の使用は避けるようにしてください。特に、研磨剤が含まれているものを使用すると、装具が削れて表面が傷ついたりフィット性が悪くなったりするリスクが高まります。
適合性が悪くなると、食事や会話のときに装具がカパカパしたり、痛みや違和感が強くなったりすることがあります。装具をブラッシングするときには、専用のブラシを使用しましょう。
漂白剤や熱湯に浸けない
装具を食器や哺乳瓶などと同じように、漂白剤に浸けるのは避けましょう。漂白剤に浸けると、装具の色が変わったり形が歪んだりする可能性があります。
熱湯消毒ならば問題ないと考える患者さまもいらっしゃるかもしれませんが、熱湯に浸けるとプラスチックや樹脂が変形したり劣化したりする恐れがあります。
落下による破損に注意する
装具は衝撃によってダメージを受けやすいため、メンテナンスのときに誤って落とすことがように気を付けましょう。シンクや洗面器に水を張ったりタオルを置いたりすれば、万が一落とした際のダメージを軽減できます。
既定の浸け置き時間を守る
専用の洗浄剤を使用するときには、必ずパッケージに記載されている浸け置き時間を守ってください。浸け置きする時間が既定の時間よりも短ければ、汚れや雑菌を十分に除去することができません。既定の時間よりも長く浸けすぎた場合には、装具の劣化を招く可能性があります。
商品によって適切な浸け置き時間は異なりますので、必ず使用する前に確認することが大切です。うっかり浸け置き時間を忘れることがないように、タイマーをセットしたり家族に声をかけてもらったりするのもよいでしょう。
洗浄剤から取り出した後は必ず洗い流す
洗浄剤には、人体に有害な成分が含まれていることがあります。そのため、装具を口に入れる前には、必ず流水でしっかりと洗浄するようにしてください。
残った洗浄剤は捨てる
一度使用した薬剤を再び使用することはできません。洗浄効果が得られないことはもちろんですが、衛生上の問題がありますので、一度使用した薬液は捨てて容器をきれいに洗うことも重要です。
また、グラスなどの容器に入れて洗浄する場合には、使い終わった薬液を小さなお子さまが誤って飲み込まないように注意しましょう。
入れ歯の正しい保管方法

入れ歯を外した際、そのままの状態で放置すると、形が歪んだりヒビが入ったりを引き起こす恐れがあります。また、食事や会話のときに違和感や不快感を覚えやすくなる可能性も考えられます。
ここでは、入れ歯の正しい保管の仕方について解説します。
液体に浸けて保管する
保管方法には、水中保管と洗浄液中保管の2種類があります。水中保管とは、水道水の中に浸けて保管する方法のことです。洗浄液中保管では、専用の洗浄剤を溶かした液体の中に浸けて保管します。
基本的にはどちらの方法でも構いませんが、乾燥しないように液体に浸けて保管することが大切です。なお、保険適用外の装具の中には液体に浸けずに保管できるものもありますので、一度歯科クリニックで確認してみましょう。
温度変化の多い場所を避ける
入れ歯は、急激は温度変化によって変形する可能性があります。そのため、直射日光が当たる場所や暖房器具の近くなどは避ける必要があります。
平らな場所に置く
不安定な場所に置くと、装具が落下して破損するリスクが高まります。保管するときには、安定感のある平らな場所を選ぶことも大切です。
なお、小さなお子さまやペットがいるご家庭では、いたずらされたり誤って捨てられたりすることがないように注意してください。
まとめ

装具の正しいメンテナンスができていない場合、雑菌が繁殖して悪臭が発生したり劣化が早まったりします。快適な状態で長く使い続けるためにも、適切なケアの方法を身につけることが大切です。
毎食後に丁寧なブラッシングを行うことが理想ですが、難しい場合には入れ歯用のウェットシートを活用するのも方法のひとつです。また、1日に1回は必ず洗浄液に浸け置きするようにしましょう。
なお、装具の種類によっては浸け置き保存が不要なこともありますので、歯科医師へ確認してみてください。
入れ歯のお手入れにお悩みの方は、三重県伊賀市にある歯医者「SPT 矢谷歯科口腔医院」にお気軽にご相談ください。
当院の院長・副院長は口腔外科出身で、親知らずの抜歯やインプラント治療などを得意としています。虫歯・歯周病治療や矯正治療、入れ歯治療なども行っております。
当院は、地元の伊賀市だけでなく、名張市・亀山市・津市からも多くの患者様にご来院いただいております。歯に関するお悩みはぜひお気軽にご相談ください。
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