三重県伊賀市の歯医者「矢谷歯科医院」です。親知らずの治療、インプラント治療はぜひご相談ください。

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コラム

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虫歯について


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虫歯とは?

 虫歯は歯周疾患と並び歯科の二大疾患の一つとされており全国の歯医者さんにかかっている多くの患者様は虫歯治療がメインの方も多いのではないでしょうか?齲蝕(うしょく)や齲歯(うし)とも呼ばれています。参照書によると齲蝕とは歯の脱灰と再石灰化の間を絶えず行ききする動的なプロセスのことで、齲蝕が進行してしまったその結果、歯の構造が壊れ実質的な欠損状態(目に見える状態、例えば歯が黒くなっているや歯に穴が空いているなど)のことを言います【参照:伊藤直人 著「カリエスブック」(医歯薬出版株式会社)】

虫歯の進行度による分類と症状

 みなさんは歯医者の先生や歯科衛生士さんがお口を検診してもらっているときに、「右上7番はC2」とか言っているのを耳にしたことはないでしょうか?虫歯にも進行度によってC0~C4まで分類があります。それぞれどのような状態かを説明していきます。

C0

 初期虫歯のことになります。日本保存学会の齲蝕治療ガイドラインによると診療室で行われる精密検査における基準(平成12年)では「エナメル質に齲窩が認められないが、白濁、白斑、着色が認められるう蝕」とあります。つまり歯医者さんが使う探針などで検査しても引っ掛かりなどはないが、歯の見た目が白濁していたり、着色していたりしている歯のことを指しています。症状としては見た目以外特にありません。診断方法としてはC1と見分けるために術者が探針で引っ掛かりがないかを調べたり、光学式齲蝕検出装置(ダイアグノデントペン)を用いたりして測定を行います。

C1

 エナメル質に限局している齲蝕です。痛みなどの症状は無いことが多いです。C0と区別するために先ほども述べたようにに術者が探針で引っ掛かりがないかを調べたり、光学式齲蝕検出装置(ダイアグノデントペン)の使用、レントゲン写真検査を行います。

C2

 齲窩が象牙質まで達しているが、歯髄腔(神経の部屋)までは侵襲されていない虫歯のことになります。冷水や甘い物やしみるなどの症状があります。歯髄近くまで虫歯が進行しているかを調べるためにレントゲン写真検査が大切になってきます。

C3

 齲窩が歯髄まで達している状態になります。齲窩が歯髄まで達するとしみたり、齲窩に食べ物が詰まったりすると痛みを感じます。やがて歯髄に炎症が起き激痛を伴います。(歯髄炎)。ここまで症状がくると麻酔下で神経治療を行う必要があります。

 患者様によっては痛みを伴わないことがありますが、この状態をさらに放置しておくとやがて歯髄が死んだ状態になり(歯髄壊死)、神経が腐ってきて歯髄壊疽の状態になります。この状態になると歯の外(根尖外)にまで炎症や細菌感染が広がり、歯根膜炎や骨髄炎になり何もしなくても歯が痛かったり、腫れたり、浮いた状態のような症状が現れます。上顎の小臼歯部や大臼歯部に至っては、上顎洞底を通り越して、上顎洞炎や蓄膿症の原因となってくることがあります。

C4

 歯の頭(歯冠)が虫歯によって崩壊し、ほとんど根っこだけの状態になったことを言います。これは意外にも痛みなどの自覚症状がないことが多いです。(昔に痛い歯を放置していた、痛かったが歯医者に行く時間がなかったなど何かあると思います。)この状態になると多くの場合は残すことが出来ないので、抜歯を行うことが多いです。残根状態の歯をきっちりと残すようにするには矯正治療であったり、歯周外科治療が必要となってきます。

虫歯を予防するためには?

 虫歯を予防するためには一番大切になってくるのはなんと言っても「歯磨き」になってきます。齲蝕は食後などに歯に付着するプラークの中に含まれる齲蝕原因菌によって糖から代謝された酸によって歯を溶かします。(参照:公益社団法人日本小児歯科学会編 親と子の健やかな育ちに寄り添う乳幼児の口と歯の健診ガイド第3版)これを歯ブラシによる歯磨きによって除去することが大切になってきます。またフッ化物の応用を行うことも非常に有効です。昔は歯がお口に生える前にフッ化物を体内に取り込んで、虫歯に対して強い歯にすることが考えられていましたが、現在ではフッ化物を体内に取り込むのではなく、フッ化物が毎日口腔内にあることによって虫歯の進行を遅らせる働きがあることがわかってきました。フッ化物の働きとしては①再石灰化の促進 ②脱灰の抑制 ③結晶性の改善(簡単に言うと歯質を強くするってこと)④細菌の代謝阻害(歯を溶かす酸を抑える)の4つがあります。【参照:伊藤直人 著「カリエスブック」(医歯薬出版株式会社)】

但し、フッ化物を一度に大量に摂取しすぎるとフッ素中毒や歯のフッ素症なども起こりえるので、特にお子様は注意が必要になってきます。正しく適正量の使用によって虫歯を予防していくことが大切です。

まとめ

 平成28年の歯科疾患実態調査によると昔に比べて8020運動の達成者(80歳で20以上自分の歯が残っている方)は51.2%と80歳以上の2人に1が20本以上自分の歯を残せている結果となりました。これは歯磨きの重要性やフッ化物の応用の大事さが世間一般に普及してきて、国民が虫歯に対する予防の重要性の意識が上がったことによると思います。ただし生えている歯が多く残っているということは裏を返せば虫歯にもなりやすいということです。現に65歳以上の高齢者様では虫歯を持つ割合が増加傾向にありますので、歯が多く残っているからよかったではなく、その残っている歯を生かすためにも虫歯予防の意識を高く持っていただくことが大切です。

また年々15歳未満のお子様のDMFT指数【D: decayed(虫歯、齲蝕) M: missing(歯が無くなった) F: filled(治療された)T: tooth(歯)】が減少傾向にあります。これも赤ちゃんの頃から歯が生え始めてきた時から歯磨きおよびフッ化物の応用によって虫歯を予防する意識が高くなってきたと言えると思います。お母様方およびお父様方が自分の子供は虫歯になってほしくないという思いから来る努力の賜物です。私が小児歯科のセミナーで聞いた話では3歳で虫歯が無ければ、人生虫歯なしでいける確率が60%で、8歳までに虫歯がなければ人生虫歯なしでいける確率が95%みたいです。(もちろん8歳で虫歯なしだからといって歯磨きなどの予防を怠れば、そこから虫歯や歯周病になりやすいです。)だから私の歯科医院では上の前歯(上顎A)が生えてきたころから来院していただき、検診およびフッ素塗布を行っております。お母様方やお父様方といっしょになってお互いに協力してお子様の歯を虫歯にならさないことを大切にしています。

歯科治療の技術の進歩により、残念ながら歯が無くなったとしてもインプラントや入れ歯などの治療法がありますが、自分の歯に勝るものはありません。自分の歯と死ぬまで一生の付き合いをしていかなければなりません。ネットニュースでの記事(斎藤徹 著【400人のシニアが「若いうちに知っておけば良かった」と後悔した10の必須知識とは何か?】なのですが、60歳~90歳の男女400人に「過去を振り返りこれを知っておけば良かった」の第3位に「歯の健康対策」が入っていました。歯を無くされてから、歯の大切さや口腔内環境の整備の重要性を述べられています。また子供の頃からの地道な歯の予防も大切であることが書かれていました。虫歯のある方無い方を問わず今からでも遅くはないので、予防意識を高く持ちできることをしていくことが大切ですね。

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