当院には日本顎関節学会認定の
歯科顎関節症認定医が在籍しています
顎関節の重要性を研究する日本顎関節学会
(一社)日本顎関節学会は、顎関節および噛むことの重要性を研究し、全身の発育や健康を促進する学会です。
同学会では「顎関節」という、お口を開けること、歯が噛み合うことに非常に関連する組織を主に研究し、それにより地域社会での口腔の健康の向上に貢献し、国民の健康と福祉の増進に寄与することを目的としています。
日本顎関節学会歯科顎関節症認定医の資格
日本顎関節学会歯科顎関節症認定医の資格は、一定の基準を満たした場合にのみ取得できます。
例えば、数年間学会の会員であること、学会発表し、その間の医療実績が良好であることなどが求められます。
このため、日本顎関節学会歯科顎関節症認定医の資格を取得している人は、日本でもごく少数です。日本顎関節学会歯科顎関節症認定医に関しては三重県内では専門医も含め5名のみです。(2023/4/5 現在)
この資格を持っていることは、顎関節に関する専門家であり、信頼性の高い正確な治療が提供できることを意味します。
その知識と技術は、顎関節症治療はもちろん矯正治療やインプラント治療など、様々な分野に応用することができます。
その結果、患者様に満足と笑顔を提供する先進的な歯科治療を行うことができます。
また大学病院で培ってきた顎関節治療を患者様に還元できたらと思います。日本顎関節学会
噛むことの重要性
天然歯であろうと人工歯であろうと、しっかりと噛むことができることは、健康寿命の延長や運動能力の向上につながります。 また、認知症の予防や口の中の乾燥の防止など、全体的な口腔健康にも良い影響を与えます。
顎関節症の診断と治療
顎関節治療にあたっては、診査診断がとても大切になってきます。
顎関節症といっても病態や症状によって様々なタイプに分かれますので、まずはどこに原因の可能性があるかを調べることが大切です。
その原因にあった治療をすることが早期に症状を改善することにつながります。
そもそも顎関節症は、顎関節や咬筋の痛み、顎関節の音、口の開けにくさ、または顎の動きの異常を主な症状とする障害の包括的な診断用語です。
そのため、咬み合わせの不快感、耳の症状、頭痛、肩こりや首のこりなどの症状だけに基づいた顎関節症の診断はされません。
近年では、歯ぎしりなどの行動要因が特に注目されています。
精神的なストレスは筋緊張を引き起こすことがあり、咬筋や顎関節への負担が増加し、これらの要因が相互に影響し合って症状が現れることがあります。
顎に悪い習慣や癖に気づき、意識的にやめることで顎関節症の症状が改善することが重要です。
MRI撮影
顎関節の状態をより精密に細かく見るためには、MRI撮影が必要となってくるのですが、機器が超高額のため当院はおろか日本全国の一般の歯科医院で持っているところがほぼありません。
MRI撮影が必要と判断した場合は大学病院へ紹介させていただき、大学病院で診て頂くか、撮影した画像を当院へ持参していただき診察させて頂くことになります。
顎関節症の主な症状
顎関節症の主な症状は以下の通りです。
関節の音 | 口を開けたり閉じたりするときの音 |
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開口障害 | その名の通り、口を開けるのが困難 |
顎の痛み | 口を開けたり閉じたりするときの顎の周囲や耳の前の痛み |
「関節の音」、「開口障害」、「顎の痛み」のいずれかがあり、他の病気が症状を引き起こしていないときに顎関節症と診断されます。 顎関節症は全身に影響することもあります 顎関節症は顎や顎の異常な動きを引き起こすだけでなく、頭痛や肩こりなどの症状が現れることも珍しくありません。 人によっては、首や背中、腰痛、耳痛、耳鳴りなど、全身に症状が現れることがあります。
顎関節症の治療
治療方法には、主に認知行動療法、スプリント(マウスピース)療法、理学療法があります。
顎関節症は現在、時間とともに症状が軽減する病気と考えられているため、外科的治療は行われず、上記の治療方法の中でも可逆的な治療(患者様が元の状態に戻れる治療)が優先されます。
また、咬み合わせの調整など、元の状態に戻れない不可逆的な治療は、症状が発覚したばかりの患者様には行われません。
食事や話すことなど、口を開け閉めする動作は日常生活において非常に重要です。
顎関節症の症状は生活の質を著しく低下させることがあり、適切な治療が必要です。
顎関節症のような症状だがそうではない場合も
顎関節症の主な症状は、他の病気でも認識されることがあるため注意が必要です。
顎関節で起こる、歯や耳、鼻といった比較的近くの器官の病気、さらに心臓などの遠くの器官の病気も、顎関節に悪影響を及ぼすことがあります。
したがって、顎関節症の症状が持続する場合、CTやMRI検査を受けること、専門医療機関をおすすめします。
マイオモニター
咬筋などの咀嚼に関わる筋肉およびその周辺に痛みがある時に筋肉を超低周波の電気刺激によって筋肉のリラクゼーション効果を得るための装置になります。
患部にパッドを貼って20分間筋肉を刺激し、筋肉が異常緊張していなくリラックスした状態にします。
マイオモニターのメリット
- 顔面の筋肉が、無意識の筋収縮が誘発されます
- 過度の緊張がかかった筋肉から、血流改善を促し乳酸などの疲労物質が排出されます
- エンドルフィンという脳内のモルヒネ様物質の生成が促され、顎の痛みが緩和されます
スプリント(マウスピース)治療
噛み合わせやくいしばりが原因で顎関節や咀嚼筋に負荷がかかり、痛みを引き起こしている場合に上アゴまたは下アゴにマウスピースを装着します。
マウスピースをする目的としては顎関節および咀嚼筋の負荷の軽減と顎関節の安定した状態の確立です。
マウスピースはまずおよそ2週間を目安に装着していただき、かみ合わせの調整と経過観察をしていきます。
スプリント治療のメリット
- 歯ぎしりや食いしばりによる顎関節の負担が軽減されます
- 噛み合わせの改善と口腔周囲の筋肉の緊張解消されます
- 頭痛、肩こりの緩和が緩和されます
- 子供の場合は顎関節の保護と正しい下顎の発達・成長促進されます
口腔リハビリトレーニング療法
お口が開けずらいなどの症状がある時に、お口を開ける指導をさせていただき訓練していただきます。
整形外科などで理学療法士さんが患者様に対して行っているリハビリトレーニングと同じです。
トレーニング方法も様々ですので、その症状にあった方法を指導させていただきます。
トレーニングは患者様にとって痛みがありつらいので、しんどいやサボりたいなどの気持ちが出てくると思うのですが、患者様には状態がよくなって頂きたいのでつらいのを乗り越えて一緒に頑張らせていただけたらと思います。
顎関節症は早め早めの
診断と治療が大事です
顎関節症の患者さんは、症状によって生活の質が大きく低下することがあるため、早期の診断と適切な治療が大切です。
また、患者さん自身が症状や悪い習慣に気づくことが改善の第一歩となります。
大学病院と連携しながら、適切な治療方法を選択し、顎関節症の症状を緩和させることを大切に治療にあたっています。