コラム
歯周病を予防する3つの方法!実践してお口の健康を守る!
こんにちは。三重県伊賀市にある歯医者「矢谷歯科医院」です。
「歯周病」という言葉は聞いたことがあるけれど自分には関係ないと思っている方もいるでしょう。歯周病は身近な感染症で、30歳以上の80%が罹患しているといわれています。
しかし、歯周病はほかの感染症と比較して軽視している方が多く、歯周病の原因や予防法などを詳しく知っている方は少ないでしょう。歯周病は、原因を知り、しっかり予防すれば回避できる疾患です。
そこで今回は、歯周病の概要と原因、歯周病を予防する3つの方法について解説します。歯周病の原因を知り、しっかりと予防しましょう。
目次
歯周病とは?
歯周病は、歯茎や歯を支える顎の骨などの組織が炎症を起こす疾患です。初期の段階では自覚症状がなく、症状が出る頃には歯周病が進行しているケースも少なくありません。
歯周病は、歯を支えている顎の骨を溶かすため、最終的には支えとなる顎の骨が不足して歯が抜け落ちます。なお、一度溶けた顎の骨は元に戻ることがないため早期発見・早期治療が重要なのです。
歯を失う原因で最も多いのが「歯周病」といわれています。歯周病は、私たちにとって身近な疾患といえるでしょう。
また、歯周病は全身疾患と深く関係があることがわかっています。歯周病菌が出す毒素や炎症物質が血管に吸収されると、血液に乗って全身のあらゆる組織に影響を及ぼし、糖尿病・誤嚥性肺炎・冠動脈心疾患・低体重児出産などのリスクが高くなるのです。
歯周病の症状
歯周病は初期の段階では自覚症状が少ないため、気がつかないケースが多いです。ご自身で気がつくような症状が現れる頃には、中等度〜重度の歯周病に進行している可能性があります。
以下のような症状がある場合は、歯周病に罹患している可能性が高いです。
- 起床時に口の中がネバネバしている
- ブラッシング時に歯茎から出血がある
- 口臭が気になる
- 歯茎がたまに腫れる・痛む
- 歯と歯の間にすき間ができた
- 歯が長くなった
- 歯茎から膿が出る
- 歯がグラグラ揺れる
歯周病は、早期発見・早期治療が重要です。該当する症状がある場合は、歯科医院を受診して確認してもらいましょう。
歯周病の原因
歯周病に罹患する原因は、大きく以下の2つが関わっています。
- 歯の表面に残るプラーク
- 生活習慣
それぞれ詳しく解説します。
歯の表面に残るプラーク
歯周病の直接的な原因はプラークです。プラークとは、歯の表面に残る汚れに細菌が繁殖した状態のもので、白くネバネバとしています。
プラークの中には10億個以上の細菌が生息しており、虫歯や歯周病の原因となる細菌も生息しています。なかでも、歯周病菌は酸素の少ない場所を好むため、歯と歯茎の境目や歯と歯の間のすき間に多くみられるのが特徴です。
ブラッシングが不十分で、プラークや歯石があると歯と歯茎の境目にある歯周ポケットと呼ばれる溝が深くなります。歯周ポケットが深くなると汚れが溜まりやすい環境になるため、歯周病のリスクが高くなるのです。
また、歯周ポケットの中にあるプラークや歯石は歯ブラシでは除去できません。放置すると歯周病がさらに進行するでしょう。
生活習慣
歯周病の間接的な原因として、生活習慣が関わっています。睡眠不足やストレス、乱れた食生活などが原因で身体の抵抗力が低下すると、歯周病菌が優位になるため歯周病にかかるリスクが上昇するのです。
また、妊娠中の方も注意しなければなりません。妊娠中に分泌されるホルモンには歯周病菌が繁殖しやすい成分が含まれており、歯周病のリスクが高くなります。
特に、妊娠初期はつわりの影響で歯ブラシを当てることが難しい場合があるため、歯周病に罹患しやすい口内環境になるのです。
喫煙も歯周病に罹患するリスクが高くなる習慣のひとつといわれています。喫煙している方の歯周病にかかるリスクは非喫煙者よりも高く、タバコを1日10本以上喫煙している場合は5.4倍、10年以上の喫煙歴がある場合は4.3倍といわれているのです。
喫煙すると、全身の血流が悪化します。そのため、歯茎の腫れや出血が抑えられ、歯周病に気づきにくく重症化しやすいのです。また、喫煙者は歯周病の治療を開始しても治りが悪いケースが多いといわれています。
参照元:特定非営利活動法人 日本臨床歯周病学会「歯周病と煙草の関係」
歯周病を予防する3つの方法!
歯周病はしっかりと予防すれば回避できる疾患です。
以下に、歯周病を予防する3つの方法をご紹介します。
プラークを除去する
歯周病の原因は、歯に残るプラークです。そのため、歯周病を予防するために最も効果的な方法は、直接的な原因であるプラークを落とすことといえます。自宅で行うブラッシングが大きなポイントになるでしょう。
歯ブラシだけでブラッシングを行なった場合のプラークの除去効果は60%といわれています。歯ブラシだけでは、歯と歯の間や歯並びが悪い部分に磨き残しが生じるのです。
効率よく汚れを落とすためには、デンタルフロスや歯間ブラシ、必要に応じてワンタフトブラシなどの補助清掃用具を使用するとよいでしょう。
生活習慣を見直す
歯周病を予防するためには、プラークを除去することが大切ですが、身体の抵抗力を上げて歯周病菌の活動を抑制させることも大切です。規則正しく、ストレスを溜めない生活を心がけましょう。
また、上述のとおり喫煙は歯周病を進行させる大きな原因のひとつです。禁煙、または本数を減らすことで歯周病を予防できるでしょう。
歯科医院の定期メンテナンスを受ける
歯周病は自覚症状が出たときには進行しているケースが多いです。昨今では、3か月〜半年に1回のペースで定期メンテナンスを行なっている歯科医院が多いでしょう。
歯科医院の定期メンテナンスでは、虫歯・歯周病など口の中に異常がないかの確認やブラッシング指導、歯ブラシでは取れない歯石や着色汚れの除去を行います。
ブラッシング指導では、歯ブラシが届いていない部分を確認し、一人ひとりの口内に合わせた効果的な歯ブラシの当て方を指導します。ブラッシング指導を受けて自宅でプラークを落とせるようになれば、歯周病の予防と改善につながるでしょう。
歯周病の早期発見・早期治療の重要性
歯周病は、歯茎のみに炎症がみられる「歯肉炎」と顎の骨などの歯周組織にも炎症が広がる「歯周炎」に大きく分類されます。
歯肉炎は、歯茎にわずかな腫れがみられる程度なのでご自身で気づくことは難しいでしょう。ブラッシングの際に出血する場合もありますが、痛みなどの自覚症状がほとんどありません。
そのため、気づかない間に進行し歯肉炎から歯周炎へと進行するケースが多くみられます。歯周病は、適切な治療を受ければ治せる疾患です。
しかし、一度歯周病で失われた顎の骨や下がった歯茎は元の状態に戻すことができません。歯周病は、初期の状態である歯肉炎の段階で発見し適切な治療を受けることが重要なのです。
ご自身では歯茎のわずかな変化を見つけることは難しいため、定期的に歯科医院でメンテナンスを受け、トラブルが起きていないか確認してもらうとよいでしょう。
まとめ
今回は、歯周病の概要と原因、歯周病を予防する3つの方法について解説しました。
歯周病は歯を失う原因のひとつです。30歳以上の80%の方が罹患しているといわれています。
歯周病の主な原因は、歯の表面に残るプラークや生活習慣です。歯周病を予防するために、しっかり歯磨きをしてプラークを除去し、また生活習慣を見直しましょう。
歯磨きを行うときは歯ブラシだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシなどの補助清掃用具を使用することで、歯と歯茎の境目や歯と歯の間に付着した汚れも除去できます。
生活習慣が乱れている場合は、改善して身体の抵抗力を高めましょう。喫煙も歯周病になる原因のひとつです。禁煙、または本数を減らすことで予防につながるでしょう。
また、歯科医院で定期的にメンテナンスを受け、口の中をチェックしてもらうことで歯周病の早期発見・早期治療につながります。
歯周病は、歯を失うだけでなく身体の健康にも影響を及ぼすため、しっかりと予防しましょう。
予防歯科を検討されている方は、三重県伊賀市にある歯医者「矢谷歯科医院」にお気軽にご相談ください。