コラム
インプラント治療とは?メリット・デメリットや治療の流れを解説!
こんにちは。三重県伊賀市にある歯医者「矢谷歯科医院」です。
インプラント治療に興味はあるけれど実際どうなのか気になっている方はいらっしゃいませんか。インプラント治療は、歯を補う治療法のひとつです。審美面や機能面が優れている点から、近年インプラント治療を選択する方が増えてきています。
しかし、どのような治療法なのか詳しく知らない方も少なくないでしょう。
今回は、インプラント治療の概要のほか、メリット・デメリットや治療の流れ、費用相場など詳しく解説します。インプラント治療に興味のある方はぜひ参考にしてください。
インプラント治療とは?
インプラント治療は、虫歯や歯周病など何かしらの理由で歯を失った場合におこなう「歯を補う治療法」のひとつです。
インプラントは、体内に埋め込む金属の総称のため、骨折などで入れるボルトや人工関節などもインプラントとよばれています。そのため、歯科でおこなうインプラントは「デンタルインプラント」が正式名称です。
しかし、近年は歯科でおこなうインプラント治療が一般的となり「インプラント=デンタルインプラント」と周知されるようになりました。
歯を補う治療法は大きく「インプラント」「入れ歯」「ブリッジ」の3つの方法があります。インプラント治療は、入れ歯やブリッジのデメリットを解消できる治療法として選択する方が増えている治療法です。
歯を失った場合のほかの治療法との違い
歯を失った際におこなう治療法は、インプラント以外に「入れ歯」と「ブリッジ」があります。
インプラントとほかの治療法との5つの大きな違いは、以下のとおりです。
- 健康な歯を削る必要がない
- 審美性が高い
- 天然歯と同等の噛み心地がある
- 保険適用外の自由診療である
- 外科的処置が必要となる
インプラントは、歯を失った部分のあごの骨を利用して歯を補う治療法です。あごの骨にドリルで穴を開け、歯の根の代わりとなるインプラント体を埋め込みます。あごの骨を支えとしているため、天然歯と同じような噛み心地を得ることが可能です。
ただし、外科的処置が必要不可欠となるため、全身の健康状態によっては治療適用外となる可能性があります。
一方、入れ歯やブリッジは、失った歯の隣接の歯や歯茎を支えとして利用します。外科的処置は必要ありませんが、隣接の歯を削らなくてはいけません。
また、入れ歯やブリッジは、失った歯の噛む力を隣接の歯や歯茎で負担する必要があるため、大きな負担がかかり、隣接歯の寿命を縮めてしまうリスクがあります。入れ歯やブリッジを選択する際は、隣接の歯へのリスクも理解したうえで選択しましょう。
インプラント治療は、入れ歯やブリッジと異なり保険適用外の自由診療が一般的です。そのため、保険適用でおこなえる入れ歯やブリッジと比較して費用が高額となる傾向があります。
インプラント治療のメリット・デメリット
インプラント治療を選択する際は、メリット・デメリットを理解したうえで選択するとよいでしょう。メリット・デメリットを理解できていれば「こんなはずではなかった」と後悔することなく治療を進められます。
以下、インプラント治療のメリット・デメリットを解説します。
インプラント治療のメリット
インプラント治療の5つのメリットは、以下のとおりです。
- 審美性が高い
- 健康な歯を削る必要がない
- ご自身の歯と同じように噛める
- 寿命が長い
- セルフケアが簡単である
以下、それぞれ解説します。
審美性が高い
インプラントに使用する被せ物は、セラミックを使用する場合が多いです。
セラミックは、再現性に優れた素材で、天然歯のもつ透明感や隣接歯に合わせて歯の色味を調整することができます。そのため、天然歯と見分けがつかない優れた審美性を保つことが可能です。
前歯など人目につきやすい部分を治療する場合、審美性の高さは選択する際のポイントといえるでしょう。
健康な歯を削る必要がない
インプラントは、あごの骨にインプラント体を埋め込み、歯を補います。ブリッジや入れ歯のように周囲の歯を支えとして利用することはありません。周囲の歯を削る必要がないため、健康な歯の寿命を守ることができます。
健康な歯を削ることに抵抗がある方にとって、大きなメリットといえるでしょう。
ご自身の歯と同じように噛める
インプラントは、あごの骨にインプラント体を埋め込むため、ご自身の歯と同じような噛み心地を得ることができます。入れ歯やブリッジは隣接歯や歯茎を支えとしているため、失った歯の本数が多くなるほど力を入れて噛めなくなるリスクが高くなるでしょう。
一方、インプラントは失った歯の本数に関係なく、ご自身の歯と同じように噛めるため、硬いものなどの食事制限がなく、何でも食べることができるのです。
寿命が長い
インプラントの寿命は10年前後といわれています。入れ歯が4~5年、ブリッジが7~8年のため、インプラントの寿命が長いことがお分かりいただけるでしょう。
インプラント体は、チタンまたはチタン合金を使用しているため、人体との親和性にすぐれています。また、インプラント体に被せる被せ物は、セラミックを使用するケースが一般的です。セラミックは、優れた審美性はもちろん、経年劣化しにくい特徴があります。
適切なケアができていれば、10年以上トラブルなく使用することも十分可能です。
セルフケアが簡単である
インプラントは、天然歯と同じような形態のため、セルフケアが簡単にできます。
一方、ブリッジは隣接の歯の間に汚れがたまりやすく、歯間ブラシなど補助清掃用具を使用しないと不衛生となりやすいです。
インプラントは、ご自身の歯と同じようにブラッシングできていれば、大きな問題もなく使用できる点もメリットのひとつといえるでしょう。
インプラント治療のデメリット
インプラント治療の4つのデメリットは、以下のとおりです。
- 外科的処置が必要となる
- 治療期間が長い
- 治療費が高額となる
- 歯科医院の定期メンテナンスが必要となる
以下、それぞれ解説します。
外科的処置が必要となる
インプラント治療は、歯茎を切ってインプラント体を埋め込む外科的手術を伴う治療法です。そのため、口内の状態や全身の健康状態によってはインプラント治療の適用外と診断される場合もあります。
希望すれば必ず受けられる治療ではないことを覚えておきましょう。
治療期間が長い
インプラントの治療期間は3か月~1年ほどで、最短でも3か月はかかります。あごの骨が足りないケースでは、骨造成とよばれる追加の治療が必要となるため、さらに長くなるでしょう。
入れ歯やブリッジの治療期間は1~2か月ほどのため、治療を早く治療を終えたい方にとって大きなデメリットといえます。治療期間は口内の状態によって異なるため、治療期間の目安を知りたい方は、事前に歯科医師に確認するとよいでしょう。
治療費が高額となる
インプラント治療は、保険適用外の自由診療です。保険適用できる入れ歯やブリッジと比較して、治療費が全額自己負担となるため費用は高額になります。
また、歯科医院によって価格設定が異なることはもちろん、同じ歯科医院でも使用するインプラント体によって価格が異なるケースもあります。どれくらいの費用がかかるのか気になる場合は、歯科医院を受診して相談するとよいでしょう。
歯科医院の定期メンテナンスが必要となる
インプラント治療は、定期メンテナンスが必要不可欠です。インプラントは虫歯になることはありませんが、歯周病のような症状がでる「インプラント周囲炎」や噛み合わせなどのトラブルが生じていないか、定期的に確認する必要があります。
インプラントの寿命を長く保つためには、定期的に歯科医院を受診して異常がないか確認してもらうことが大切です。定期メンテナンスは3~6か月ごとの受診をすすめている歯科医院が多いです。
インプラント治療の流れ
インプラント治療はどのような流れで治療を進めていくのか気になっている方もいらっしゃるでしょう。インプラント治療は、大きくわけて5つの行程で治療を進めていくのが一般的です。
インプラント治療の流れは、以下のとおりです。
カウンセリング
カウンセリングでは、現在のお口の中の状況や悩み、インプラント治療に対する疑問や不安などをお伺いします。
カウンセリングの際に、審美性や機能面などご自身の理想像を歯科医師に伝えておきましょう。カウンセリングの際に、歯科医師と意見を擦り合わせておくと、トラブルなくスムーズに治療を進めることが期待できます。
精密検査・治療計画の策定と提案
インプラント治療の適応症例かどうか、また適応できる場合はどのように治療を進めていくのか、精密検査をおこなって治療計画を策定します。
精密検査では、虫歯・歯周病の有無やレントゲン写真や口内写真、歯型、歯科用CTなどの資料を集めて歯科医師が治療計画を策定します。また、治療計画をもとに費用の算出や治療期間などのスケジュールも立てていくのが一般的です。
治療計画に納得できたらインプラント治療をはじめます。
1次オペ
歯茎を切って、あごの骨にインプラント体を埋め込む手術をおこないます。CT画像を確認しながら、正確な位置にインプラント体を埋め込み歯茎を縫合します。
手術時間は1~3時間ほどで終わるケースがほとんどです。身体への負担が比較的少なくて済むため、歯科医院で手術をおこなってそのまま帰宅できます。
待機期間
インプラントは、インプラント体をあごの骨に埋め込んだらすぐに使えるわけではありません。インプラント体とあごの骨がしっかり結合することで機能します。
一般的に、インプラント体とあごの骨の結合には2〜3か月ほどかかるため、結合が確認できるまで待機します。
2次オペ
待機期間を経て、インプラント体とあごの骨が結合したら2次オペをおこないます。
2次オペは、1次オペで埋め込んだインプラント体に、人工歯を接続するために必要なアバットメントを装着します。アバットメントを装着して歯茎からインプラントが見える状態にしたら、1~2週間待機して歯茎が治癒するのを待ちましょう。
2次オペは、30分〜1時間ほどの手術時間で終わる場合が多いです。
人工歯の型取り・作製
2次オペから数週間期間を設けて歯茎の状態が落ち着いたら、被せ物の型取りをおこないます。一人ひとりの口内に合わせた専用のトレーを作製して型取りをおこなうのが一般的です。
被せ物が完成したら装着して、歯の色味や噛み合わせなどの問題がないか確認し、微調整をおこないます。
インプラント治療の費用
インプラント治療は高額と聞いて、費用面で迷われている方もいらっしゃるでしょう。
インプラント治療にかかる費用相場の内訳は、以下のとおりです。
<インプラント1歯あたりの費用相場>
内訳 | 金額 |
---|---|
検査・診断料 | 15,000〜50,000円 |
インプラント手術料 | 100,000〜385,000円 |
人工歯(被せ物) | 50,000〜200,000円 |
術後の消毒・メンテナンス料 | 1,500〜10,000円 |
インプラント1歯あたりの総額 | 300,000〜500,000円 |
インプラントの費用は、1本あたり30〜50万円ほどかかるのが一般的です。
インプラントは保険適用外の自由診療なので、費用が高額です。使用するインプラントメーカーや院内設備、歯科医師の技術料など、歯科医院によって内訳が異なるため、事前にしっかり確認しましょう。
また、インプラントの費用相場には地域差があります。首都圏などの都市部では35〜55万円ほどと、全国相場より少し高くなるケースが多いです。
まとめ
インプラント治療は、歯を失った際におこなう治療法のひとつです。入れ歯やブリッジと比較して、審美性が高く機能性も優れていることから、インプラント治療を選択する方が増えています。
ただし、インプラント治療は外科的手術を伴うため、すべての方がおこなえる治療法ではありません。また、保険適用外のため、費用が高額です。
インプラント治療ができるのか、費用や期間がどれくらい必要なのか気になる方は、歯科医院を受診して確認するとよいでしょう。
インプラント治療を検討されている方は、三重県伊賀市にある歯医者「矢谷歯科医院」にお気軽にご相談ください。