症例紹介
症例紹介:当院のインプラント治療について
こんにちは。三重県伊賀市にある歯医者「矢谷歯科医院」です。
今回の症例コラムは、当院で行ったインプラント治療について症例を通してお伝えしようと思います。インプラント治療がどのような治療かわからないや、詳しく知りたいと思う方や、何か同じようお悩みをお持ちの患者様が少しでもご参考にしていただき、勇気をもって一歩前に踏み出せるようにしていただけたら幸いです。
目次
インプラント治療とは?
インプラントは、抜歯によって歯が無くなったところに人工的な歯根(フィクスチャー)を埋め込み、アバットメント、上部構造と言われる人工の歯を入れる治療のことです。
インプラント治療のメリット・デメリット
メリット
- 天然歯のように違和感なく噛むことができる。
- 噛む力は、天然歯の約80%回復することができるので、硬いものを噛むことができるようになる。
- 隣の端を削る必要がない。
- よく噛めることにより、全身的な健康にも良い影響与える。
デメリット
- インプラントを顎の骨に埋め込むための手術が必要になる。
- 全身の疾患等により治療ができない場合がある。
- 定期的なプロフェッショナルケアを受け、指導のもとにへセルフケアを実地する必要がある。
- 保険適用外治療である。
もしもっと詳しく知りたいと思われる方は、当院ホームページの診療メニュー:インプラント治療もしくは歯のコラムを参照にしていただければと思います。
診査・診断
当院ではまずお口の状態、インプラントを植立する場所、顎の骨の状態、歯肉(歯茎の厚さ)などを正確に把握するために、お口の状態を模型に起こすために歯型取りと、CT撮影を行います。このことを行うことによって、インプラントを正確にどの位置に打てば良いかが把握することができます。特に骨の厚みが無いところ、骨の幅が狭いところにインプラントを植立する場合は有効です。
インプラント埋入シミュレーション
それぞれ模型とCT画像をシュミレーションソフト上で合成します。そのことによっておおよそ骨の厚みや形状、歯ぐきの厚さなどが把握することができるので、インプラントを植立する位置や深さを決定することができます。また画像では下顎管の走行もしっかりと把握することができ、安心・安全にインプラント手術を行うことができます。
サージカルガイドステント
シュミレーションソフト上で設定したインプラントを正確に埋入するためにサージカルガイドステントを作製します。このサージカルガイドステントを使用することによって、骨にインプラントを植立するための穴(インプラントホール)を形成する時に軸がブレずにシュミレーション通りの方向にドリリングすることができます。ただし、お口が小さい方や開口量が少ない方にはサージカルガイドステントを装着することができない可能性がある欠点もあります。
インプラント埋入手術(1次手術)
局所麻酔下にて手術を行います。歯ぐきに対して切開を行い、歯ぐきを開いてインプラント植立部位の骨を明示します。事前に作製しておいたサージカルガイドステントを歯列に装着してインプラント窩の形成のためドリリングをしていきます。ドリリングが終了するとインプラント体を植立していきます。
インプラント2次手術
インプラント表面と骨が結合するために、インプラントを植立してからおよそ3ヶ月程度待ちます。インプラントがしっかりと骨と結合しているかどうかはAny Checkという測定機器を当院では使用して測定します。植立したインプラントに対してヒーリングアバットメントというキャップを装着します。このヒーリングアバットメントの役割としては、インプラント周囲の歯茎を整えることになります。
インプラント印象
インプラント2次手術から1~2ヶ月後にインプラント体の型取りをしていきます。ヒーリングアバットメントを外し、インプラント印象用のコーピングを装着します。この時はインプラント体を精密に印象するために変形が少ないシリコーン印象材を使用します。
上部構造装着
出来上がった、上部構造(歯の部分)をインプラント体に装着します。歯の部分にはジルコニアという素材を使用しています。インプラント体と上部構造を装着する方法として、スクリュー固定とセメント固定があるのですが、写真はスクリュー固定をしています。スクリューで固定したあとはスクリューホールを虫歯治療でも使用するコンポジットレジン(CR)にてスクリューホールに対して充填します。スクリュー固定とセメント固定のメリットおよびデメリットを記載しておきます。
スクリュー(ネジ)固定のメリット・デメリット
メリット
- 人工歯にあたる上部構造の取り外しが容易である
- メンテナンスなど清掃しやすい
- インプラント体へのダメージが軽減できる
デメリット
- スクリュー(ネジ)を入れる穴を塞ぐ材料が変色や経年劣化する
- 使用する中でスクリュー(ネジ)が緩む。
セメント固定のメリット・デメリット
メリット
- 上部構造に穴がないので、スクリュー固定に比べて審美性に優れている。
- 複数のインプラントを行うときに埋め込みやすく、上部構造を連結しやすい
- ネジのゆるみの心配が少ない
デメリット
- 人工歯にあたる上部構造を取り外すのが難しい。
- インプラント周囲にセメントが残存する可能性がある
- インプラント体にダメージがかかりやすい
治療費について
今回掲載している症例ではインプラント2本を埋入していますので、CT撮影代、インプラントシュミレーション代、サージカルガイドステント代、手術代、材料代、印象代、上部構造代などを含めますと約¥900,000- ほどになります。インプラント治療は保険適応が基本的になく、自由(自費)診療となります。当院のインプラントに関する治療費については当院ホームページの料金表を参考にしていただければと思います。
インプラントを入れて終わりではない
インプラント体に上部構造が装着され、「噛めるようになった!」「見栄えが良くなり嬉しい!」で終わりではありません。インプラントを入れるということは入れたインプラントに対してしっかりと自分でケアをしなければなりません。インプラントは虫歯にはなりませんが、歯周病(インプラント周囲炎)にはなります。一度インプラント周囲炎になると進行速度が速く、インプラント周囲の歯茎が腫れ膿が出たり、インプラントが動揺してきたりします。そうならないためにも日々のケアがとても大事になってきます。当院では患者様にまずしっかりと歯磨きができるようになっていただきます!
また医院におけるPMTC(プロフェッショナルメカニカルトゥ―スクリーニング)が大切になってきます。PMTCによってインプラントの隅々の汚れを取り除き、綺麗にします。また当院では歯科治療保証会社「ガイドデント」社のインプラント保障制度を設けているのですが、万が一インプラント保障を受ける場合は医院において3~6ヶ月間隔での定期メンテナンスを受診している必要があります。
まとめ
今回は症例を通して当院のインプラント治療に関して御紹介させていただきました。何らかの理由によって歯を失ってしまうことは非常に残念なことではあるのですが、失った歯を取り戻すためにインプラント治療は非常に有効です。何かご相談ごとがございましたら、三重県伊賀市にある歯医者「矢谷歯科医院」に是非、御相談ください。