三重県伊賀市の歯医者「矢谷歯科医院」です。親知らずの治療、インプラント治療はぜひご相談ください。

三重県伊賀市の歯医者「矢谷歯科医院」です。親知らずの治療、インプラント治療はぜひご相談ください。

症例紹介

症例紹介

当院において難しかった抜歯ランキング2023



こんにちは。三重県伊賀市にある歯医者「矢谷歯科医院」です。

日頃からのご愛顧いただき誠にありがとうございます。さて2月になりましてだんだんと日が暮れるのが遅くなってきたのを感じると、春が近づいているのを感じつつ、まだまだ厳しい寒さが続きますので、どうか皆さま方お体をご自愛ください。

さて今回の症例紹介として、いつもとは少し角度を変えて御紹介したいと思います。当院は院長および副院長とも口腔外科の出身でありますので、日頃より抜歯を行う機会が多いです。他院様からの抜歯依頼であったり、矯正治療ための便宜抜歯での依頼など多数ございます。
そこで今回は当院で行った抜歯において難しかった症例をランキング形式で御紹介できればと思います。

当院の思い

何故このような紹介をしようかと思いましたのは、当院の患者様で一番多いのが、親知らずが痛いから抜歯してほしいとのことで来院されるケースが非常に多いです。親知らずの生え方や状態は千差万別なのですが、やはり親知らずがひどい虫歯で歯がボロボロであったりすると痛むのは当然として、抜歯するのも困難になってきます。
そこでこのような状態になる前に是非一度皆さまの状態はどうかを考えていただき、かかりつけの歯医者にてチェックしてもらうなどして、自分の親知らずやその他の歯の状態はどうかなどを認識していただきたいです。親知らずを抜歯する場合においてはひどい状態になる前にすることを検討していただけたらと思います。他の歯においてはひどくなる前に何か治療を検討していただきたいです。

抜歯が難症例になると抜歯を施術する歯医者も大変なのですが、一番大変なのは患者様自身になります。抜歯が難航すると患者様には長時間お口を開けといて頂かないといけませんし、疲れてきます。
また長時間の開口は顎関節症を併発するリスクがあるためできるだけしない方がいいに越したことはありません。

※このランキングについては、当院の独断と偏見で行っておりますので、他院様ではどうかはわかりません。改めてご了承ください。

第3位

患者様は31歳、男性の方で「矯正治療のための便宜抜歯」で矯正歯科様からの抜歯依頼でご来院されました。抜歯部位は上顎左右4(前から数えて4番目の歯)になります。一見虫歯がなく、歯がぼろぼろな状態とはかけ離れた歯ではあるのですが、私の主観になるのですが、他の方に比べると上顎左右4の歯根が長いです。当然なのですが、歯根が長ければ長いほど歯が動きづらく抜歯するのが困難になります。またくいしばりが原因と思われるのですが、全体的に骨隆起(骨のコブのこと)を認めゴツゴツした感じのアゴでした。、このような患者様ですと歯を支える骨が非常に硬くなっている場合が多いので歯が動きにくくなります。矯正の便宜抜歯の場合は鉗子(歯を抜く道具、「歯のペンチ」と表現される)にて歯を把持してゆっくりと動かすと大概は抜歯することができるのですが、この2つの条件が重なるとなかなか歯が動きにくくなるので、初めから歯の分割をして抜歯しないと時間が大幅にかかる場合があります。実際にはじめは鉗子のみで抜歯を行っていたのですが、ビクともしなかったです。硬いのであれば、歯を支えている骨を削ればいいことなのですが、それをすると骨が減ってしまい矯正治療に影響することが考えられるので、なるべく低侵襲で行うようにしました。このように長い根っこの歯を抜くのと歯を支える回りの骨が硬い場合はなかなか歯が動かなく難症例になる可能性が高くなります。

第2位

患者様は39歳、男性の方で「左下の歯ぐきが何度も腫れて痛い」との主訴でご来院されました。口腔内を診させていただくと、左下の親知らずが完全に歯ぐきに埋もれており、手前の歯との境目に深い歯周ポケットを認め、その部位から排膿を認めました。初めは他院様で診てもらっていたとのことなのですが、他院様では左下の親知らずが深い位置に埋まっているので抜歯することが無理と断られ、もし抜歯するなら全身麻酔で抜かいといけないと説明を受けたとのことです。患者様は当然仕事で働いておられ、入院などして仕事を休むことができず、全身麻酔下で抜かないといけないかどうかなどを相談したいとのことでした。

レントゲン写真およびCT画像にて診断させていただいたところ、確かに深い位置に埋まっていました。親知らずが深い位置に埋まっていると何が問題になるかと言いますと、親知らずの近くを走行している血管および神経(下歯槽神経)を損傷するリスクが高くなるということです。この下歯槽神経を損傷するとどのような後遺症があるかというと下唇がピリピリと痺れたような知覚鈍麻があります。このリスクの発症率としては2%と言われているのですが、この患者様の場合は親知らずの根と非常に近く、接しているような状態であったので更に高くなることが予想されました。

(詳しくお知りになりたい方は当院ホームページの診療メニュー:口腔外科・親知らず治療の親知らず抜歯に関するよくある質問のところか親知らずのコラムのページを参考にしていただけたらと思います。)

口腔外科・親知らず治療はこちら

コラムはこちら

この時抜歯するか否かの判断としては天秤に掛けた時、抜歯したら知覚鈍麻が出るリスクよりも親知らずを残しておく方がもっと侵襲が広がり重篤な症状が考えられる場合は抜歯することを当院では患者様に勧めさせていただいてます。この患者様の場合ももちろん後者が考えられるので、上記のリスクなどを十分に説明し、ご納得していただいた上で抜歯を行いました。

抜歯を行った際、親知らずが深い位置に埋まっているのでおよそ60分ぐらいはかかったと思います。

抜歯後の症状としては、術前に予想されたように左側下口唇部に知覚鈍麻の症状が残ってしまいました。知覚鈍麻が現れた場合はメチコバールと言った神経賦活作用があるビタミン剤を処方させていただき経過観察を行います。幸いにも現在のところではだいぶ口唇部の感覚が戻ってきており、日常生活には支障は出ておりません。この症例では抜歯するのが難しいのもあるのですが、神経の損傷リスクを負ってまで抜歯するべきかどうかの判断が難しかったので第2位にさせていただきました。

第1位

患者様は39歳、女性の方で主訴としては「左上の埋まっている親知らずを抜いてほしいとのことでした。もともとを言えば私が検診時に埋まっている左上の親知らずが虫歯であったので抜歯をお勧めし、その時は考えといていただくで終わっていたのですが、患者様は決心して親知らずの抜歯に踏み切っていただいた感じです。特に痛いや歯ぐきが腫れるなどの症状はありませんでした。

CT画像を見ると実際に見るよりもだいぶ歯の中で虫歯が進行していているのですが、痛みが出ていないのでそこまで深い虫歯ではないのかなぁと考えてしまい読みが甘かったです。

上の親知らずの場合は意外と早く抜歯できる場合が多いのですが埋まり方や状態次第では下顎の親知らずよりも抜歯するのが難しくなります。その理由としてはとにかく見にくく、術野の確保をすることが大変です。特に虫歯などで歯の頭(歯冠)が崩壊している歯ではより抜歯の難易度が上がります。

この症例においては親知らずが虫歯でなくても抜歯するのが大変なのですが、親知らずの虫歯が進んでいた影響で挺子(ヘーベル、歯を抜く道具のこと)を掛けた瞬間に歯冠部が崩壊してしまい、一気に抜歯の難易度が上がってしまいました。このような場合親知らずの周囲の骨を削って掘り出していくのですが、とにかく大変でした。途中で抜歯をあきらめそうになりましたが、一番大変なのは患者様だと思ったらあきらめることができず頑張りました。その結果無事に抜歯することができました。リアルに2時間半かかりました。患者様にも頑張ってお口を開けてくれていたことに感謝です。当然昼休憩する時間が無くなりお腹すきました(笑)。術後は上顎洞への穿孔などなく術後経過良好です。当院では2023年の中でダントツのNo1で難しい抜歯でした。このように私のレントゲン写真およびCT画像の読みが甘くて招いてしまった結果なので反省です。

親知らずの抜歯はどれぐらい時間がかかるの?

それと患者様によく聞かれる質問として「親知らずの抜歯にどれぐらいかかりますか?」とあるのですが、これに関しては筆者の経験と勘でお答えしている部分が大きいので、親知らずなど歯の生え方は千差万別なので実際やってみたら時間が掛かってしまったなどございます。患者様には申し訳ないのですが抜歯はやってみないとわからない部分が多く予想外のことも起こります。その点はご容赦していただければと思います。早く終わらせるために急いで何か事故があってはいけません。患者様の安心・安全が一番です。

ひどくなる前に是非ご相談を!

やはり虫歯が進んだ歯というのは親知らずに限らず抜歯の難易度が比較的高くなってしまう傾向があるので、患者様には歯の状態がひどくなる前にかかりつけ医などに相談していただきたいということです。歯が健康であれば抜歯など程遠い話です。いつまでも健康に自分の歯で過ごしていただきたいです。

まとめ

今回は当院において独断と偏見で2023年度において抜歯が難しかった症例を御紹介させていただきました。何かコラムを拝見してくださった皆さまの参考になればと思います。

親知らずが虫歯で困っているや親知らずを抜歯するか悩んでいる、相談したいなど何かございましたら是非、三重県伊賀市にある歯医者「矢谷歯科医院」に御相談ください。

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