三重県伊賀市の歯医者「矢谷歯科医院」です。親知らずの治療、インプラント治療はぜひご相談ください。

三重県伊賀市の歯医者「矢谷歯科医院」です。親知らずの治療、インプラント治療はぜひご相談ください。

症例紹介

症例紹介

症例紹介:ソケットリフトを行い、インプラント治療を行った症例



こんにちは!三重県伊賀市にある歯医者「矢谷歯科医院」です。

残暑が厳しい今日この頃ですが、皆様体調の方は大丈夫でしょうか?私自身は十二指腸潰瘍になって少しダウンしておりました。今では体調の方も回復してまいりましたので、症例コラムの方もお休みさせていただいていたのですが、無理のない範囲で少しずつ再開していこうかと思います。引き続きコラムを見てくださる患者様に少しでも有意義な情報や知識をお届けできればと思います。

さて今回はインプラントの症例になるのですが、インプラントを検討されている患者様で、インプラントがするかどうか診てもらった時にインプラントをするにあたり

「顎の骨が足りない」などと言われたことはございますでしょうか?虫歯や歯周病によって歯を抜歯したりすると周囲の骨(歯槽骨)が自然と吸収されるので、抜歯時にソケットプリザベーション(ソケットプリザベーションとは抜歯したと同時になるべく骨の吸収を抑えるために、骨補填剤を入れるなどの処置を行うこと。当院ではPRGF-Endoret®テクノロジーという患者様自身の血液を採取してそこから血小板の塊を精製して抜歯窩に填入する方法をよく行っています。詳しくは当院ホームページのPRGF-Endoret®テクノロジーを参照にしてください。)

また長い間、歯が無い状態が続くと顎の経年的な変化によって顎の骨の量が減ってきます。そのような歯槽骨が足りない状態ですと、インプラントを行っても安定性が低く、インプラントが抜ける可能性があったり、インプラント周囲炎になる可能性があったりします。例えると、土台がしっかりしていない土地に家を建てるようなものです。土地の土台がしっかりしていないと地震や台風が来た時に家が揺らされて倒れやすいですよね。インプラントもそれと一緒のことが言えます。

症例紹介

今回の症例はソケットプリザベーションという方法を併用して、インプラントを埋入し、歯を作製した症例をご紹介したいと思います。

初診時の口腔内の状態

患者様は56歳、女性の方で主訴としては右上の奥歯が抜けているので歯を入れてほしいとのことで来院されました。お話を聞かせていただくと他院様で右上6(右上の前から数えて6番目の歯のこと)を抜歯したまま旦那様が転勤となり、歯を抜いたままとなっていたとのことです。

レントゲン写真およびCT画像なのですが、上顎洞底(赤線)のところが近いのがわかります。上顎洞とは人間誰にでもある副鼻腔のうちの1つで最大の空洞です。鼻などの換気を行っている大変重要な空洞になります。上の親知らずを抜歯する際にも関係してくる場所です。(上顎洞粘膜について詳しく知りたい方は当院ホームページ:口腔外科・親知らずのページのよくある質問の部分を参照にしてみてください。)

ここの距離がないとインプラントを埋入した際にインプラントが上顎洞粘膜を貫通してしまい、上顎洞炎症を引き起こすなどのリスクが伴います。よってインプラントを埋入するために上顎洞粘膜を持ち上げるような処置を併用しなければなりません。その上顎洞粘膜を持ち上げる方法が「ソケットプリザベーション」と言う方法になります。

ソケットプリザベーションとは?

ソケットプリザベーションは歯槽頂(歯槽骨の頂点のこと)からアプローチを行い、上顎洞粘膜を上に持ち上げて、骨補填剤などを入れる方法になります。ソケットプリザベーションにも様々な方法があるのですが、当院で採用している方法はネオバイオテック社のサイナスオールキットを使用しています。このキットのリフティングバーは特殊な形状をしていて、上顎洞粘膜を挙上する際に上顎洞粘膜を突き破らないように設計されています。脳神経外科領域の手術においてもこの形状のバーが使用されているとのことです。

ソケットプリザベーションの手術手順

1. あらかじめCT画像などで歯槽頂から上顎洞底の距離まで測定しておきます。

2.上顎洞粘膜の手前までドリリングを行います。

3.サイナスオールキットのリフティングバーにて上顎洞粘膜を挙上します

4.上がっているかをインジケーターにて確認します。

5.骨補填剤をドリリングによって形成した穴から詰めていきます
(今回の症例では上顎洞粘膜の挙上量が少ないので骨補填剤は使用していません。)

6.インプラントを埋入します。

参照画像:ネオバイオテックインプラント/和田精密歯研株式会社様の動画より抜粋
参照URL:https://www.youtube.com/watch?v=gZY76Hh1kbs

インプラントサージカルガイドステントの試適

インプラント埋入手術を行う前に事前にシュミレーションを行った位置にインプラント体が埋入されるように、インプラントサージカルガイドステントを作製して、口腔内にしっかり装着できるかどうか確認を行いました。

インプラント埋入手術

上記に示した手順に沿ってインプラントを埋入していきました。インプラントの埋入は1回法で行いました。インプラント埋入してヒーリングアバットメントを装着しました。(ヒーリングアバットメントとは歯肉の形態を整えるためにインプラント体に装着するキャップのこと)

オステオトームを使用してのソケットリフトですと、追打する時に患者様の頭に響いて不快なことがあるのですが、患者様に手術時の感想を聞いてみると特に不快な感覚などは無かったとのことです。手術後のCT画像でも特に問題なくインプラント体が埋入できています。その後も経過観察でも鼻症状などはなく経過良好でした。

インプラント部印象

インプラントの印象を行いました。インプラントの印象にはオープントレー法、クローズドトレー法、光学印象法などがあるのですが、今回はクローズドトレー法にてインプラントの印象を行いました。

アバットメントおよび上部構造の装着

アバットメントおよび上部構造をスクリュー固定にて装着しました。口腔内で噛み合わせを調整しています。レントゲン写真でも確認しましたが、特に問題ありません。

総評

今回はソケットリフトを併用してインプラント治療を行った症例をご紹介させて頂きました。できるだけ低侵襲に処置をするなら、ソケットリフトを行わず、インプラント体の長さが短いものを使用したらいいという意見もあると思うのですが、患者様の年齢や予後を考えるとできるだけ長いインプラントを使用するのがいいと考えます。

歯が入って患者様も噛みやすくなったと大変喜んでいただくことができました。歯が入った後は歯ぎしりなどによってインプラントの歯が割れないようにするためマウスピースを装着していただいています。

インプラント治療にご興味があったり、お悩みの方は、三重県伊賀市にある歯医者「矢谷歯科医院」にお気軽にご相談ください。

当院の院長・副院長は口腔外科出身で、親知らずの抜歯やインプラント治療などを得意としています。虫歯・歯周病治療や矯正治療、入れ歯治療なども行っております。ホームページはこちらご予約・お問い合わせもお待ちしておりますので、ぜひご覧ください。

治療詳細

治療期間:約8ヶ月

回数:18回
(術前クリーニング、インプラント術後洗浄および経過観察等を含む)
(当院では術後もインプラントの部分がちゃんと治癒してきているかなどしっかりと経過観察を行うので、来院回数もおのずと増えます。)

費用:総額 ¥555,500-(税込み)
(検査、診断、インプラント手術、ソケットリフト、上部構造費用等を含む)

リスク・副作用:出血、腫脹、疼痛、青痣、神経麻痺、補綴物の脱落・破折、インプラント体の破折、咬合違和感、インプラント周囲粘膜炎、インプラント周囲炎、上顎洞穿孔、上顎洞炎等

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