症例紹介
当院の口腔外科症例集 その②
こんにちは。三重県伊賀市にある歯医者「SPT 矢谷歯科口腔医院」です。
いよいよ6月に入り、夏が始まってきますね!熱中症などには十分に気おつけていきたいところですね!私も体調崩さないように頑張ります。
当院は伊賀市だけではなく近隣の名張市や亀山市、津市などからも患者様にご来院していただいております。地域医療を盛り上げるためこれからも頑張っていきます。
さて今回の症例コラムなのですが、久しぶりに当院の口腔外科症例集その2として当院でどのような外科症例があったかなどに関してご紹介させて頂こうと思います。口腔外科症例としては親知らずの抜歯をはじめ、顎関節症が代表的になるのですが、一般開業医では珍しいような症例をご紹介させていただけたらと思います。
口腔外科症例④
小帯異常
お口の中には、小帯と言ってひだ状の組織が存在し、お口の中では上唇小帯、下唇小帯、舌小帯、頬小帯が主にあります。小帯の役目としては組織と組織をつないで、器官を支えたり、器官の位置をその場に保つ役割りを担っています。そんな小帯ですが、人によって位置異常や肥厚、そして短縮を認めることがあります。各部位の位置異常や肥厚、短縮によって下記のような障害を認めることがあります。
上唇小帯・下唇小帯:正中離開などの歯列不正、口唇運動が悪くなることによる発音障害、転倒時に小帯が切れやすい。
頬小帯:歯肉が引っ張られることにより歯肉退縮を起こしたり歯周病の原因となることがある。
舌小帯:舌運動が悪くなることによる発音障害
その他にも入れ歯を装着する際に、小帯が高位に付着していると、入れ歯の吸着が悪くなり安定性に欠いたり、筋にあたり痛い場合があります。
上記のように小帯以上には場合によっては様々な障害が発生することがあります。今回は舌小帯の切除を行なった症例についてご紹介させていただければと思います。
舌小帯異常
舌小帯とは簡単に言いますと、舌の裏側にある筋になるのですが、これが下顎前歯部の裏側の歯槽部に強靭で索状に付着しているようであれば舌の前方および後方の運動が制限され構音障害を伴います。
舌尖の挙上が必要な/r/音が障害される。また/r, d, s, n/ 音は口蓋化する。さらに舌尖部の正中方向の運動が制限されるため、下顎を側方に偏位させて構音するようになる。このような側音化構音は、後続母音がイ列音に生じやすい。構音障害を呈する症例では早期に小帯延長術を必要とするとのことです。哺乳の観点から新生児期から乳児期の早期に治療を必要とする一方で、哺乳障害は小帯異常だけが原因ではなく小帯が短いことによるものが直接的な原因であるものは少ないとの報告もなされています。(参照:白砂兼光、古郷幹彦 編著 口腔外科学 第3版 医歯薬出版株式会社より抜粋)
症例紹介



患者様は33歳、男性の方で主訴としては発音がしにくいとのことでした。口腔内を診察させていただくと、舌小帯短縮による舌小帯異常にて構音障害を認めました。口腔内写真のように患者様に舌を動かしてもらうと、上顎に舌を引っ付けることができないのと、舌を前に出してもらっても舌の先が下唇を越えるか超えないかぐらいでした。上記診断名のもと、舌小帯切除術を行いました。
舌小帯切除術
以前はメスなどで切開を行なっていたのですが、文明の力に頼って最近ではレーザーで治療をするようになりました。レーザーと言っても様々な種類があり、今回はCO2レーザー(オペレーザー PROーX、YOSHIDA社)で舌小帯を切除しております。当院にはエリビウムYAGレーザーというレーザーもあり、2種類のレーザーを完備しています。症例や場面、用途によって使い分けることが大切だと思います。今回使用したCO2レーザーは切開や止血に強いレーザーになります。



以前全く別の患者様でレーザーを使用せずに舌小帯切除を行なった際の画像になるのですが、メスで切開を行うと出血量が多くなるのと、切開後に縫合処置が必要になっていました。


しかし、CO2レーザーで行うと出血量が抑えられて術野が明瞭になり、手術がやりやすかったです。また出血量が抑えわれているので縫合処置が不要でした。そして舌がちゃんと伸展しているかどうかを術中に確認してから終了しました。
術後経過




術後経過になるのですが、切開した部分は創部にフィブリン膜ができているのがわかります。なんか見た目は痛そうが感じがするのですが、患者様に聞くと痛みはないとのことです。ここで大事になってくることが舌を伸展させるように舌の運動をしていただくことになります。ただ舌小帯を切るだけでは組織が瘢痕治癒するだけで、舌は伸びて来ないのでリハビリの感じで舌を前後左右に伸ばしていただくことを患者様に指示させていただきました。


術後は患者様が舌のリハビリを頑張ってくれたこともあり、だいぶ舌が伸展することができました。上顎に舌を引っ付けることができるのと、舌を前方部に伸ばしても下唇を越えることができるようになりました。患者様には発音がしやすくなったと喜んでいただくことができました。
治療詳細
治療内容: 発音がしにくいとのことでした。口腔内を診察させていただくと、舌小帯短縮による舌小帯異常にて構音障害を認めましたので、舌小帯切除術をCO2レーザーにて行いました。
治療期間:約1ヶ月
回数:5回(術部の消毒や経過観察も含む)
費用:総額:約¥11,660-(検査、レントゲン撮影、手術、薬、術部の経過観察等の費用を含む)
リスク・副作用:出血、腫脹、感染、知覚鈍麻、唾液腺開開口部の損傷等
口腔外科症例⑤
頬部蜂窩織炎
蜂窩織炎とは、上顎または下顎の炎症が粘膜およびその下の組織に入り込み、外側へ進展した状態で急速に広がる感染症です。歯科領域では虫歯や歯周病、親知らずの炎症から進展する場合があります。
口腔周囲での蜂窩織炎が進展してしますと、気道閉塞による呼吸困難になったり敗血症といった重篤な状態になる可能性があります。
実際の症例






患者様は45歳、女性の方で左側が腫れてきて口を開けることができないとのことで、当院に来院されました。開口量も25mmぐらいと小さく、頬部の外側もそうなのですが、口腔内をちゃんと見ることができないほど内側も腫脹していました。
原因としては左下6がに大きな虫歯を認め、細菌が根尖を通じて内部に侵入し、炎症が内部に波及したことが原因であることが考えられました。


口腔内を診察すると、何とか排膿路を確保することができそうであったので穿刺にて内部の膿瘍腔を確認して、切開を確認して排膿させました。また中で膿が溜まりにくくするためにタンポンガーゼを挿入しました。患者様にはほぼ毎日洗浄に通院していただき、炎症症状が治るのを待ちました。




約3週間から1ヶ月ぐらいすると、炎症症状もだいぶ治り、開口していただくことも可能になってきましたので、左下6の根管治療を行いました。その後は再度蜂窩織炎を認めることが無かったので、治療を終了としました。
このように蜂窩織炎によって、ここまで腫脹するとほとんどの症例では対応できなく、大学病院などの口腔外科に紹介させていただき、点滴などを受けていただくことや場合によっては入院なども必要となってきます。今回はたまたま排膿路が確保できて何とかなりそうであったので洗浄および抗生剤の投与にて寛解して本当によかったです。このような症例を見ていると、虫歯や歯周病、親知らずを放置しておくのはつくづく怖いことだと感じます。これを拝読してくださった皆さんは歯科医院に行って定期検診にて悪いところがないかチェックしていただいてもいいかもしれませんね!
今回の症例で患者様のご厚意で顔貌写真を使用させていただいております。他の方に自分のようにはなってほしくないとの思いがあるとのことで、今回顔貌写真を掲載させていただきました。当患者様には大変感謝しております、ご提供していただき本当にありがとうございました。
治療詳細
治療内容: 左側が腫れてきて口を開けることができないとのことで来院。切開を行い排膿させ、洗浄および抗生剤の投与にて経過観察、消炎後に左下6の根管治療を行なった。
治療期間:約3ヶ月
回数:26回(術部の消毒や経過観察も含む)
費用:総額:約¥40,130-(検査、レントゲン撮影、手術、薬、術部の経過観察、他部位の治療等の費用を含む) リスク・副作用:出血、腫脹、感染、知覚鈍麻、唾液腺開開口部の損傷等
今回は当院で行なった口腔外科症例の2例をご紹介させていただきました。上記の様に当院では大学病院で行う様な処置も行なっています。上記に似た症状がある方や自分の口腔内が気になる方は、三重県伊賀市にある歯医者「SPT 矢谷歯科口腔医院」にご相談ください。当院では、伊賀市だけでなく、名張市、亀山市、津市などの近隣地域からお越しの患者様にも対応しております。ご興味をお持ちの方は、ぜひお気軽にご来院ください。
当院の院長・副院長は口腔外科出身で、親知らずの抜歯やインプラント治療などを得意としています。虫歯・歯周病治療や矯正治療、入れ歯治療なども行っております。
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