症例紹介
症例紹介:ホワイトニングおよびコンポジットレジン充填について
こんにちは。三重県伊賀市にある歯医者「矢谷歯科医院」です。
今回の症例コラムは、当院で行ったホワイトニングおよび前歯部のコンポジットレジン充填(以下、CR充填)について症例を通してお伝えしようと思います。他の患者様で同じようお悩みをお持ちの方が少しでもご参考にしていただけたらと思います。
目次
症例紹介
患者様は35歳、女性の方で主訴が歯並びを直したい、歯を白くきれいにしたいのと前歯部の詰め物が変色しているので治療してほしいとのことでご来院されました。
写真を見て頂くと、画像では向かって右側に一番前歯の詰め物(歯科では左上1と表現します。)になるのですが、だいぶ昔に治療されたのかCR充填の詰め物の色がやや茶色く変色してきており、歯質とCR充填の詰め物の境がまだら模様のようにくっきりとわかり審美障害となっております。(写真はホワイトニング前のシェードテイキング時の写真となります。)
ホワイトニングの作用機序
まず大前提として「よくある質問」のところにも書かせていただいたようにCR充填なので白い詰め物や被せ物はホワイトニングでは白くすることができません。
ホワイトニングの作用機序として、歯質中の有機質や無機質と変色の原因物質との結合を切り離すことによる作用です。また変色の原因物質の分子を細かく切ってバラバラにすることで変色を目立ちにくくする作用となります。(参照:須崎 明 著 「チームで成功させるホワイトニング」)
ホワイトニングはあくまでも歯質に反応して歯を漂白しています。よってホワイトニング後に歯の色調を合わせるためには詰め物や被せ物をやり直す必要が出てきます。また詰め物が大きいほど自分の歯を大きく削って詰め物を除去しないといけないので、歯がしみやすくなったりします。このことからやはり自分の歯はずっと大切にしたいですよね。歯を大切にするための予防としては当院の「予防歯科」のページを参考にしてくださいね!
治療計画
私が考えた治療計画としては、プチ矯正によって上の前歯の歯並び(右上3~左上3)の改善後にホワイトニングを行い、ホワイトニング後に左上1のCR充填をやり直す計画を考えたのですが、患者様には大事な結婚式のご予定がございましたので、その日までにはどうしても全部の治療を終えることが困難であったことから、ホワイトニングおよびCR充填物のやり替えのみを行うこととなりました。
健康的な歯ぐきにすることがホワイトニングの一歩目!
まずは歯ぐきの検査から行いました。歯ぐきの検査では歯周ポケットの測定を行いました。
(歯周ポケットに関しては当院ホームページの診療メニュー:歯周病治療を参考にしていただければと思います。)
深い値はなかったのですが、歯茎から出血しやすいのを認めました。ホワイトニングを行う際に、歯茎からの出血があり、血液がホワイトニングの薬剤と混ざってしまうとホワイトニングの効果が得にくくなります。よって引き締まった歯ぐきで良い状態の時にホワイトニングを行わなければなりません。当院ではホワイトニングの目的だけではなく、その先の患者さまの口腔内の健康が維持されるようにまずは清掃指導(Tooth Brushing Instruction:TBI)およびスケーリング・ルートプレーニング等の歯周基本治療を行っていきます。
歯型取り
歯周基本治療が終了してからホワイトニング用のマウストレーを作製するために、歯の型取りを行っていきます。当院では精密なマウストレーを作製するために歯科技工所に作製依頼をするので2週前後で患者様の歯並びにあったオーダーメイドのマウストレーが出来上がってきます。
ホワイトニング開始
マウストレーおよびホームホワイトニング用キットをお渡しさせていただきます。ホワイトニング時の注意点などもご説明させて頂きます。
ホワイトニング前の歯の色調を確認するためにシェードガイドといっしょに口腔内写真撮影を行います。まずは2週間を目安に自宅で患者様自身にホワイトニングを行ってもらいます。(ちなみに装着時間は2時間/日です。)
ホワイトニング前の色調としてはB3あたりになります。
約3週間後の口腔内写真
患者様のご予定もあり、ホワイトニングを開始してから約3週間後の写真となります。
明らかに白くなっているのはわからないのですが、気持ち少し白くなってきているかなぁという感じです。引き続きホワイトニングを行っていただきました。
約1カ月半後の口腔内写真
約1カ月半後の口腔内写真です。だいぶ白くなった印象があります。患者様が歯の白さにご納得いただいたので、この時点で左上前歯部(左上1)のCR充填物のやり替えを行いました。
治療終了後
治療が終了時の口腔内写真となります。カメラの機種によってフラッシュで歯が照るので一応、光を抑えた写真も載せておきます。治療前と比べると白くなっています。普段外から見える感じとしては真ん中の写真のイメージが近いと思います。またCR充填物をやり替えたことによって、歯の色調と一致して歯と詰め物の境目がわからなくなりました。あえて言うならば左上方のところが茶色く見えるのですが、これは前の充填物が歯の深くまであり、全部充填物を除去してしまうと歯のダメージが大きくなり神経の治療をしなければいけない可能性がありましたので全部取りきることができませんでした。しかし患者様からは歯がきれいになってよかったと大変満足していただけました。喜んでいただいている笑顔を見させていただくとこっちまで嬉しくなり、元気を頂けます。
術後の注意点
術後の注意点に関しては、ホワイトニングは一生ものではなく歯の色の後戻りが起こることです。歯が再度黄色くなってきたらホワイトニン剤の再使用(タッチアップ)が必要になってきます。
(マウスピースがある場合は追加のホワイトニングジェルの購入のみでOKです!)
またCR充填物も元はプラスチックなので経年すれば変色してきます。再度歯と充填物の境目などが変色し、茶色い線が入ったような感じになることが多いです。よってまた充填物をやり替える必要性が出てきます。何度もいいますようにやはり自分の歯質に勝る物はありませんので是非ご自身の歯を大切にしていただきたいです。
治療する意義
前歯部の審美障害に対応するための治療法としては、矯正治療、ラミネートべニア法、オールセラミック治療など多岐に渡るのですが、一番の理想としては全て完璧にできるのが最もいいと思うのですが、患者様の状況などもありますのでなかなかそうはいかなことが多いです。当院では患者様と話し合って、患者様にあった治療のプランをご提供できたらと考えております。
治療してて思ったことは、先述しましたように患者様は大事な結婚式を控えられております。当院は歯科医療を通じて貢献し、患者様に幸せになっていただくために治療しているんだなぁと改めて思いました。今回、患者様の幸せのお手伝いができて本当によかったです!
患者様には是非ともいい挙式および披露宴をしてもらえたらと思います。
まとめ
今回は前歯部のホワイトニングおよびCR充填の治療例を御紹介させていただきました。歯科治療を通じて患者様の幸せになって頂きたいです。審美的なことなど悩まれている患者様やその他諸々何か些細なことでもかまいませんので、お悩みの患者様は三重県伊賀市にある歯医者「矢谷歯科医院」に是非、御相談ください。