コラム
虫歯になりやすい人の特徴とは?5つの予防法も解説!
こんにちは。三重県伊賀市にある歯医者「矢谷歯科医院」です。
小さい頃から頻繁に虫歯になる人がいる一方で、虫歯に悩まされない人もいます。なぜ人によって違うのでしょうか。
今回は、虫歯になる原因を解説しながら、虫歯になりやすい人の特徴を考え、虫歯を防ぐための5つの予防法をご紹介します。虫歯予防に大きく関わる、予防歯科の重要性もお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。
虫歯になる原因
虫歯の主な原因は、以下の4つです。
ミュータンス菌(虫歯菌)
虫歯の原因となる細菌は複数ありますが、代表的なものがストレプトコッカス・ミュータンスです。一般的には、ミュータンス菌、虫歯菌とよばれています。
ミュータンス菌は、食事の食べカスを餌にして歯の表面に歯垢を作ります。歯垢に含まれている口腔内細菌が産生する酸がカルシウムを溶かして、歯の内部まで浸食して穴をあけるのが虫歯です。
糖質
ミュータンス菌が酸を産生する際に材料としているのは、飲食物に含まれている糖質、主に砂糖とされています。甘いものを食べ過ぎると虫歯になるといわれているのは、砂糖がミュータンス菌の餌になるためです。
歯質
歯質とは、歯のエナメル質や象牙質の状態のことを指します。生まれ持ったものなので、同じように食事・歯磨きをして生活しても、虫歯になりやすい人、なりにくい人がいるのです。
また、乳歯や生えたての永久歯は、歯質が弱いため虫歯になりやすいといわれています。成長期のお子さまの場合、永久歯がよい歯質になるようにタンパク質やカルシウム、ビタミンなど、バランスのよい食事を摂ることが大切です。
時間
例え虫歯の原因となる糖質を口にしても、歯磨きして口腔内に留まらせなければ虫歯になりません。長時間放置しなければ、虫歯を予防できるのです。
糖質が口腔内に留まり続けるとリスクが増し、すでに虫歯になっている場合は進行します。
虫歯になりやすい人の特徴とは?
虫歯になる原因として持って生まれた歯質が挙げられますが、歯質が弱い人が必ず虫歯になるというわけではありません。ほかにも、その人の食事を含む生活習慣が関わります。
どのような人が虫歯になりやすいのか、特徴を確認しましょう。
甘いものを頻繁に口にする
虫歯の原因であるミュータンス菌は、糖質を材料としてカルシウムを溶かす酸を産生します。そのため、甘いお菓子や飲み物などを頻繁に口にする人は、虫歯のリスクが高いでしょう。
甘いものをほとんど口にしない人のほうが、虫歯のリスクは低いといえます。
だらだら食べる習慣がある
時間を区切らず、食べ物や飲み物を長時間口に入れ続ける習慣がある人は、虫歯のリスクが高いです。だらだら食べると、細菌が活動しやすい酸性の状態が長く続くからです。
正しい方法で歯磨きをしていない
食事や間食をしたあとに、正しい方法で歯磨きをしないと虫歯のリスクが高まります。歯の表面に歯垢が付着する原因となるためです。
歯磨きは、何回行うか、何分行うかよりも、どれだけ汚れを落とせているかが重要なのです。
唾液が少ない
唾液には、口腔内を洗い流し、細菌の活動を抑制する働きがあります。そのため、唾液の量が少ない睡眠中は虫歯リスクが高まります。
唾液の量が少なく口が乾きやすい人は、虫歯予防のために対策する必要があるでしょう。
歯科医院のメンテナンスを受けていない
日頃のセルフケアに力を入れている人でも、歯磨きだけでは落とせない汚れがあります。歯ブラシが届かない部分に蓄積した汚れや歯石などは、自力で除去できません。
また、初期の虫歯は痛みがなく、見た目では気づくのは難しいです。痛みが出たときには、進行しているケースが少なくありません。
虫歯になりやすい人がすべき5つの予防法
歯科医院では、失った歯の代わりに人工歯を入れる治療を行えますが、ご自身の歯に勝るものはありません。虫歯になりやすい人が、ご自身の歯を守るために取り組むべき5つの予防法をご紹介します。
糖質の多い食べ物や飲み物を控える
虫歯の原因であるミュータンス菌は糖質を好むため、できる限り口にする機会を減らすように心がけましょう。特に、手軽に口に入れられる飴や、甘い飲み物を飲む習慣がある場合は、気をつける必要があります。
仕事中などに飲食する習慣がある場合は、キシリトール配合のガムやダブレットに置き換えるとよいでしょう。
飲食する時間を決める
口腔内が長時間酸性にならないように、だらだらと食べ続けないようにしましょう。食事して歯磨きしたら、次の食事まで食べ物を口にしないことが重要です。間食する場合でも、時間を決めて食べて歯磨きもしてください。
食べ物だけではなく、甘い飲み物も制限しましょう。特に、コーヒーや紅茶は注意が必要です。仕事中や何かに集中したいときなどに飲む方が多いですが、砂糖が入っている場合もあります。
正しいブラッシング法と習慣を身につける
歯磨きは、食後だけではなく間食後も行いましょう。また、磨き方には癖があり、しっかりと磨けていない部分があることも多いです。
どこが磨けていないか確かめたい人は、市販されている染め出し液を使うとよいでしょう。磨き残しのみが着色されるので、ご自身の磨き方の癖がわかります。
特に、睡眠時は唾液の分泌量が低下するため、虫歯のリスクが高まります。寝る前はしっかりと歯磨きしましょう。
乾燥を予防する
唾液の分泌量は、加齢やストレス、口呼吸によって減少します。対策としては、できる限りしっかり噛んで食べる、意識して鼻呼吸にする、唾液腺をマッサージするという方法が挙げられるでしょう。
こまめに水分を飲むことも効果的です。唾液のような殺菌作用はありませんが、口内の汚れを流すことは可能です。
定期的に歯科医院のメンテナンスを受ける
歯科医院のメンテナンスを受けると、歯磨きでは除去できない汚れや歯石を取り除いてもらえます。また、磨き残しを確認してブラッシング指導も行ってくれるでしょう。
ご自身の歯並びに合わせたブラッシング方法を教えてもらえば、セルフケアの質が高まります。
予防歯科を受診する重要性
日本では、海外と比較して口腔疾患の予防への意識が低いといわれています。そのため、痛みが出てから歯科医院を受診し、治療を繰り返しているうちに歯を失うケースが少なくありません。
昨今では、日本の歯科医院も予防歯科を重視しています。実際に「治療より予防を」と患者さまに声をかけ、治療後は継続的な検診を勧める歯科医院が増加しています。
予防歯科が重要視される主な理由は、以下のとおりです。
身体の健康を維持できる
ご自身の歯を失って口腔機能が低下すると、身体の健康を損なうことにつながります。残存歯が多いほど、健康寿命が延びるという研究結果もあるのです。
また、歯周病は糖尿病と相互に悪い影響を及ぼすことがわかっています。糖尿病の人は歯周病になりやすく、歯周病がある人は糖尿病が悪化しやすいのです。血糖値のコントロールが難しくなり糖尿病が悪化する可能性が高いので、口腔疾患は予防する必要があります。
経済的な負担を軽減できる
特にトラブルがなくても定期的に予防歯科を受診することで、ごく初期の虫歯や歯周病を発見できます。悪化する前に治療できるので、経済的な負担を軽減できるでしょう。
歯科治療は、悪化すればするほど治療期間も費用の負担も大きくなるのが一般的です。悪化すると歯を残せる可能性も低下するため、数か月に1回通うことで、大きな負担を回避できます。
痛みを回避できる
虫歯が進行すると強い痛みが生じ、日常生活や仕事に支障をきたすことも考えられます。痛みが伴う治療では麻酔を使用しますが、治療後に痛みを感じることが多いでしょう。
予防歯科によって、痛みなどの大きなストレスを回避できます。
美しい清潔な歯を保てる
予防歯科では、専用の薬剤と道具を用いて歯科衛生士が清掃を行ってくれます。茶渋やヤニなど、歯磨きだけでは落とせない歯の表面についている着色汚れを除去できるので、美しい清潔な歯を維持できるでしょう。
歯が白く美しくなると、予防意識がさらに高まるメリットもあります。
まとめ
虫歯は、大切なご自身の歯を失う原因となり得ます。生まれ持った歯質だけではなく、生活や食習慣によって虫歯は引き起こされるので、日頃から予防を心がけることが大切です。
甘いものを頻繁に食べる、食べたあと歯磨きをしない、唾液が少ない、定期的なメンテナンスを受けていないなど、リスクがある人は注意して改善しましょう。
特に歯のトラブルがない場合でも、定期的に予防歯科に通うことが大切です。ご自宅でのセルフケアでは除去できない汚れも、歯科衛生士によるケアを受ければ落とせます。
虫歯の原因となる歯垢や歯石を除去し、再度歯垢が付着しないように歯の表面を磨くケアも受けられるでしょう。一人ひとりの状態に合わせて、セルフケアの方法や道具の選び方などのアドバイスも行っています。
虫歯になりやすい特徴がある人は、毎日のセルフケアに加え、予防歯科の通院を習慣にして大切な歯を守りましょう。
虫歯にお悩みがある方は、三重県伊賀市にある歯医者「矢谷歯科医院」にお気軽にご相談ください。