コラム
歯科衛生士ってどんな仕事?
こんにちは。三重県伊賀市にある歯医者「矢谷歯科医院」です。
歯科治療は当然、歯科医師一人だけができるものではなく、歯科衛生士、歯科助手、歯科技工士、管理栄養士、などなどさまざまな職種の方々が協力し合って治療が成り立っております。それぞれができる役割を頑張り、チームで動くことが大切であると考えます。
そこで今回は歯科衛生士さんとはどのような仕事なのか?ということをお伝えしていけたらと思います。
目次
歯科衛生士とは?
患者様から見た印象としてただの歯医者のお姉さんとか先生の助手をしている人といったイメージを持っている方もいらっしゃるかもしれないです。しかし歯科衛生士とは立派な国家資格になります。英語表記ではDental hygienistになります。まず歯科助手と大きく違う点は国家資格の有無です。歯科助手は法律上基本的には患者さんの口の中を処置することができません。(ただし緊急性などやむ負えない場合は例外です。)
歯科助手は人間資格になりますので、資格がなくても歯科医院で助手として勤めることができます。現在、全国で歯科衛生士免許登録者数は298,644人で、そのうち業務従事者数は142,760人となっております。(令和2年時点)(参照::衛生行政報告例、歯科医療振興財団調べ)平成30年度と比較して就業歯科衛生士数が増加傾向にあります。(ちなみに平成30年度の就業歯科衛生士数は132,629人と10,131人増加)
これはやはり最近の物価高などの影響もあり夫婦共働きのご家庭が多いことから増加していることが考えられます。また昔と比べ、女性の社会進出も影響していると思います。
歯科医師の私からするとどの業界も人材不足の中、就業してくれる歯科衛生士が増加してくれることは大変ありがたいことで、本当に感謝しております。お互いを尊重し、共に働くことによって歯科医療を通じて患者様に貢献することで社会が良くなればと思います。
歯科衛生士になるためには?
歯科衛生士になるためには歯科衛生士の専門学校で3年間学んで国家資格を取得することが必要になってきます。実技や知識を学び、国家試験を受験し、合格したのち晴れて歯科衛生士になることができます。
また私の母校である大阪歯科大学を例にとると最近では口腔保健学部が設立されました。これは一般大学と一緒の4年制になりますので、4年間学ぶことによって、学士(口腔保健学)を取得することができます。また歯科衛生士の免許の取得だけではなく、社会福祉士、医療事務管理士を目指すこともできます。さらに学歴に博をつけたいということであったり、将来的な地位を確立することを目指す方であれば修士課程、博士課程にすすむ道もあります。詳しくは下記のホームページを参考にしていただけたらと思います。
[引用:大阪歯科大学]
歯科衛生士はどんな仕事をするの?
仕事の内容としては大きく3つに分類されています。
- 予防処置
- 歯科診療補助
- 歯科保健指導
になります。それぞれ詳しく解説していきたいと思います。
予防処置
虫歯と歯周病は歯科の二大疾患と言われています。この二大疾患によって国民の多くが歯を失ってしまいます。虫歯や歯周病を防いだり進行しないように、専門的な機械を使ってお口の中をクリーニングしていく業務です。虫歯の要望にはフッ素を塗っていく事はご存知だと思いますが、歯科医院で高濃度のフッ素を塗っていくこともこちらの業務に当たります。
また虫歯で穴が空いたところに白い詰め物を行うことはドクターしかできなように思われるかもしれないのですが、これも歯科衛生士は行うことができます(ただし歯を削るのは歯科衛生士ではできなので、ドクターの仕事になります。)腕のいい歯科衛生士ならば本物の歯と区別することが難しいぐらいに白い詰め物をしてくれます。意欲がある歯科衛生士さんは是非チャレンジしてみてはいかがでしょうか!?
歯科診療補助
こちらの業務は先生(ドクター)の診療の補助することを指します。器具を渡したり、お口の中に溜まったお水を吸うなどアシスタントはもちろんですが、先生の次の処置を読んで行動することが大切になります。治療が円滑に行くようにスムーズにアシスタントをしていきます。特に外科処置時などは迅速な処置が大切になってきます。外科処置に時間がかかると外科処置をしている部位の侵襲が大きくなってきますので、正確さとスピードが大切になってきます。
また私が思うにここで大事なことは、何故その処置をしているのか?やどのような時にその処置をするのか?と全てに疑問を持って診療にあたることが大切だと思います。診療補助になれていない頃はドクターのアシストをするのに精一杯で大変だと思うのですが(私も不器用なので研修医時代に上の先生に怒られっぱなしでした。(笑))、少し慣れて余裕ができたなら、そのような視点を持ってアシストについてもらうと1ランクも2ランクも自分自身のレベルがアップします。また疑問があれば診療が終わってからでも聞いてちゃんと答えてくれる先生がいい先生だと思います。
歯科保健指導
虫歯や歯周病は生活習慣病です。その患者さんに合ったお口の中のお手入れをお伝えし、実際に生活の中に取り組んでくださるように指導をしていきます。ただ虫歯の治療や歯石を除去しても、お家でのセルフケアが大事になりますので、歯科衛生士としてこちらの業務も重要です。
実際に私は歯科医院での治療よりも自宅でのブラッシングなどのセルフケアが最も大切であると考えています。当院では患者様にしっかりと自宅でセルフケアをしてもらえるように指導しております。
以上のように歯科衛生士は歯科医院にとって必要不可欠な業務を担っています。
歯科衛生士に向いている人とは?
- 人と接するのが好きな人
- 人の役に立ちたい人
- 細かい作業が得意な人
- 体力に自信がある人
- 将来に不安を感じたくない人
人と接するのが好きな人
歯医者は子供からお年寄りまでたくさんの方がいらっしゃいますし、病気になって不安になっている方や歯医者に来るのが初めてで、不安な人たくさんいるので、それとコミュニケーションをとって不安を和らげていくのも役目ですので、コミュニケーションを取るのが好きな人はとても向いてると思います。
人の役に立ちたい人
この人の役に立ちたいっていうのはけっこう重要かと思います。お口は健康の玄関口と言われていて、虫歯や歯周病はもちろんなのですが、大きく言えば心臓病とか癌とか命に関わるような大きな病気も影響及ぼしていると言われてます。歯科衛生士はただ単に歯垢とか歯石をとっているだけではなく、患者様の口の中を見ただけで生活や健康状態がわかるので、それを見ながらケアしてます。よって何か口腔内に異変を感じたならドクターに報告することもとても大事な歯科衛生士の役割です。よって病院で働いているドクターや看護師さんと同じ位に歯科衛生士は大切なお仕事です。人の役に立ちたい方は歯科衛生士に向いていると思います。
細かい作業が得意な人
口腔内という小さい範囲での作業になります。またいい治療をするには精度も求められます。視野をよくするために拡大鏡やマイクロスコープを使用して歯石を除去していくことも珍しくない時代となりました。
ちなみに私は細かい作業をすることが苦手だったのですが、練習および反復することによって身につけていきました。拡大鏡なども初め酔いそうになるのですが、慣れてきます。とにかく練習および反復、実践することが大事になってきます。
体力に自信がある人
歯科衛生士の業務として、診療補助も立派な業務になります。診療補助ですと立って行うことが多いです。またインプラントなどの外科処置に関しては長時間におよぶ場合もあるので、体力仕事になります。当院でも長時間に及ぶ手術も珍しくありません。いつもアシストしてくれる歯科衛生士さんや歯科助手さんには感謝しております。
将来に不安を感じたくない人
今や歯科医院において、衛生士の求人倍率は20倍を超えています。職場を選ばなければ就職に困ることはほぼありません。自分自身の腕次第では給与のアップも望めます。ただし就職した歯科医院にて自分がしたいことができるかどうかよく調べることと、面接時にどのような内容の治療をしているかや労働条件を聞くことが大切だと思います。
まとめ
今回は歯科衛生士とはどのような職業かやそのような仕事内容などかについて解説しました。当院でも現在、歯科衛生士を募集しております。当院では外科処置が多いので、さまざまな症例を経験することが可能です。
現在歯科衛生士学校に通われている学生さんや再就職を希望の方においてご興味がございましたら三重県伊賀市にある歯医者「矢谷歯科医院」に是非、御連絡ください。当院の医院理念のもと歯科医療を通じて、いっしょに患者様に貢献していきましょう!