コラム
顎が痛いのは親知らずが原因?対処法も詳しく解説
こんにちは。三重県伊賀市にある歯医者「矢谷歯科医院」です。
「顎が痛いのはもしかして親知らずが原因?」「親知らず以外に顎が痛くなるとすれば何がある?」といった疑問をおもちの方がいるのではないでしょうか。顎が痛いと日常生活に支障をきたすこともあり、つらく感じている方も多いでしょう。
親知らずは顎が痛くなる原因のひとつですが、ほかの病気が原因になっている可能性もあります。
本記事では、親知らずによって顎が痛いときに考えられる原因や、顎が痛いときの対処法などについて解説します。顎の痛みでお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
目次
親知らずとは
親知らずとは上下の奥歯に生える歯のことで、上下左右に1本ずつ最大4本生えてきます。親知らずはだいたい10代後半〜20代前半に生えてきますが、必ず生えるというわけではありません。人によって1本も生えてこなかったり、4本全て生えたりとさまざまです。
まっすぐきれいに生えてきた親知らずは特に問題ありませんが、斜めに生えたり、頭だけ歯茎から出ていたりすると、炎症を起こして痛みを伴うことがあります。
親知らずによって顎が痛いときに考えられる原因
親知らずが関係して起こる顎の痛みは、以下の2つのケースが考えられます。
- 親知らず周辺の歯茎の炎症
- 親知らずの抜歯に伴う顎関節症
それぞれ順番に解説します。
親知らず周辺の歯茎の炎症
親知らずが生えている周辺の歯茎に炎症が起こると、顎の痛みにつながる場合があります。親知らずが生えている部分の歯茎や頬の内側の粘膜が腫れたり、膿が出たりするからです。
なぜ炎症が起こるのかというと、多くの場合は親知らずがまっすぐ綺麗に生えていないことが挙げられます。歯の大きさに対して顎が小さかったり、歯の本数が多かったりすると、親知らずが生えるためのスペースが足りず、変な方向や位置に生えることがあるのです。
親知らずが斜めに倒れて生えてきた場合、隣り合っている歯や歯茎に親知らずがぶつかって圧迫されると、炎症を起こして痛みが生じことがあります。
親知らずの抜歯に伴う顎関節症
なんらかの原因があって親知らずを抜歯した場合、親知らずの抜歯が原因となり顎関節症を引き起こすことがあります。なぜなら、親知らずを抜歯したことで噛み合わせが悪化することがあるからです。
噛み合わせのバランスが崩れると、食べ物を噛むときに顎の関節に負担がかかり顎関節症になる可能性があります。また、抜歯した部分をかばって反対側の歯で食べ物を噛んでいると、一箇所の歯に集中して力が加わるため顎が痛くなることがあるのです。
顎が痛いときに考えられる親知らず以外の原因
親知らず以外のことが原因で顎の痛みが生じている場合、主に以下の2つが考えられます。
- 顎関節症
- 虫歯
心当たりはあるでしょうか。それぞれ順番に解説します。
顎関節症
先ほど親知らずの抜歯が原因で顎関節症になる可能性があるとお伝えしましたが、親知らずの抜歯以外にも顎関節症を引き起こす要因があります。
例えば、以下のような習慣や特徴に当てはまる方は顎関節症を引き起こしやすいでしょう。
- 歯並びが悪い
- 睡眠中に歯ぎしりをしている
- 歯を食いしばる癖がある
- 慢性的なストレスがある
- 頬杖をつく
- うつ伏せで寝る
顎関節症はこのような小さいことが複合的に重なって起こるといわれています。顎の痛みに加えて、重症な場合は口を大きく開けるのが困難になるかもしれません。
虫歯
虫歯が原因で顎の痛みを引き起こしている場合もあります。歯は顎の骨とつながっており、虫歯で炎症を起こした部位から顎のほうへ細菌感染が広まることがあるからです。炎症が顎にまで広がると、顎の骨の中で菌が繁殖して顎骨骨髄炎になる可能性があります。
抗菌薬を内服して治る場合もありますが、状態によっては外科的な治療が必要になる場合もあります。
親知らずによって顎が痛いときの対処法
親知らずが原因で顎の痛みが生じているときの対処法は、以下の6つです。
- 親知らずを抜歯する
- 患部を冷やす
- 痛み止めを服用する
- 刺激が少なくて柔らかいものを食べる
- 柔らかい歯ブラシで歯磨きをする・お風呂はシャワーで済ませる
自宅でできることから歯科医院で行う必要のあることまでさまざまです。ひとつずつ順番に解説します。
親知らずを抜歯する
顎の痛みの原因が親知らずによる炎症である場合は、できるだけ早く抜歯するのがよいでしょう。親知らずがある限り炎症は治らないか、治ったとしても再発する可能性が非常に高いからです。
また、親知らずが変な方向に倒れて生えていたり、変な位置に生えていたりすると、歯と歯の間に隙間ができるため食べかすが溜まりやすく虫歯になるリスクが高まります。
親知らずによって炎症が起きている部分に虫歯ができると、より感染が拡大して重症化する恐れがあるのです。できるだけ早急に歯科医院を受診して、歯科医師に相談しましょう。
患部を冷やす
炎症が強くて痛みが治まらない場合は患部を冷やすのが効果的です。炎症が強い場合は患部が熱を持っているため、冷やして温度を下げると腫れや痛みが和らいで楽になることがあります。
しかし、患部を冷やしすぎると血管が収縮して血流が悪くなるため、冷やしすぎには注意が必要です。明らかに熱を持っていて腫れが強いときに試してみてください。
痛み止めを服用する
顎の痛みがひどくて我慢できない場合は痛み止めを服用しましょう。痛み止めを服用するのが最も早く効果的に痛みを抑えてくれる方法です。歯科医院を受診した際に痛みがあることを伝えると処方してもらえる場合もあります。
痛みがあるけれどなかなか歯科医院を受診できないという方は、市販の痛み止めでも大丈夫です。
刺激が少なくて柔らかいものを食べる
食事をとる際はできるだけ刺激が少なくて柔らかい食べ物を選ぶようにしましょう。親知らずの炎症が原因で顎の痛みを引き起こしている場合、刺激物をとると痛みや不快感が強くなったり、無理に硬い食べ物を噛もうとすると激痛が生じたりする恐れがあるからです。
刺激物とは例えば、辛い食べ物や極端に熱い・冷たい食べ物を指します。こういった食べ物や飲み物は避けて、顎に負担のかからないものを摂取しましょう。柔らかいものであれば顎に負担をかけずに食べられます。
柔らかい歯ブラシで歯磨きをする
親知らずによって顎に痛みがあるときは、柔らかい歯ブラシで優しく歯磨きをするようにしましょう。硬めの歯ブラシで磨くと、炎症を起こしている部分の歯茎を傷つけて痛みが強くなったり感染の原因になったりするからです。
歯ブラシで擦ると痛いからといって歯磨きをしないという方がいらっしゃるかもしれませんが、そうすると患部を清潔に保つことができず炎症が悪化する恐れがあります。柔らかい歯ブラシで優しく擦れば、痛みを緩和しながら患部も清潔に保てるでしょう。
お風呂はシャワーで済ませる
親知らずが原因で炎症が起きているときは、浴槽につからずシャワーで済ませたほうが痛みを増すのを抑えられます。
浴槽につかると体が温められて全身の血行が促進されるため、炎症が起きている部位の痛みが強くなるのです。シャワーであれば体を温めすぎることがありません。
まとめ
本記事では、親知らずによって顎が痛いときに考えられる原因や、顎が痛いときの対処法などについて解説しました。
親知らずで顎が痛いと感じる場合の多くは、親知らず周辺の歯茎の炎症が原因だと考えられます。できるだけ早く歯科医院を受診して、適切な処置を受けましょう。
痛みが治らなくてつらい場合は、ぜひ本記事でご紹介した対処法のなかから自分に合ったものを試してみてください。
親知らずにお悩みの方は、三重県伊賀市にある歯医者「矢谷歯科医院」にお気軽にご相談ください。