コラム
虫歯の初期症状はどんなものが出る?放置するリスクや早期発見のコツも
こんにちは。三重県伊賀市にある歯医者「矢谷歯科医院」です。
虫歯は、歯を失う原因となる恐ろしい病気です。自然治癒しないため、できるだけ早く発見し、適切な治療を受けなければなりません。虫歯を初期の段階で発見するために「初期の虫歯は痛みがあるの?」「自覚できる虫歯の初期症状は何?」などと考えることはありませんか。
本記事では、虫歯の初期症状や虫歯を放置するリスク、早期発見するためのコツについて解説します。健康な口腔内をキープしたいとお考えの方は、ぜひ最後までお読みください。
虫歯の進行度
虫歯の進行度は、CO〜C4の5つに分けられています。それぞれの進行度や症状を下記にまとめました。
CO:初期の虫歯
COとは初期の虫歯で、歯の表面のエナメル質がわずかに溶けて歯の表面が白濁している状態です。この段階では、まだ痛みなどの症状はありません。しっかりと歯磨きをすることや、フッ素塗布によって再石灰化を促すことで、虫歯の進行を抑えることができるケースが多いです。
C1:エナメル質の虫歯
C1はエナメル質の虫歯で、歯の表面がさらに溶かされて小さな穴が開いている状態です。肉眼で黒っぽい点が見えることもあるでしょう。この段階でも、まだ痛みなどの症状が現れることはほとんどありません。
この場合は、虫歯の部分を削って取り除いたあとに、詰め物をします。
C2:象牙質の虫歯
C2は虫歯が象牙質に進行した状態です。歯に穴があいて黒っぽく見えることがあります。また、冷たいものや甘いものを口にすると痛みを感じることもあるでしょう。そのため、できるだけ早く治療を受ける必要があります。
C3:神経にまで達した虫歯
C3は象牙質の虫歯が進行し、神経に達している状態です。大きな穴が開いたり、何もしなくても痛みを感じたりすることがあります。この状態にまで進行すると、根管治療が必要となるケースも多いです。
C4:歯根にまで達した虫歯
C4は歯根にまで達した虫歯のことです。この状態にまで進行すると歯の神経が死んで、痛みを感じなくなる場合もあります。また、歯根に膿が溜まることもあるでしょう。根管治療ができない場合は抜歯が必要になる可能性もあります。
虫歯の初期症状
虫歯を早期に発見するためには、虫歯の初期症状を理解しておくことが大切です。下記の症状がある場合、虫歯になっている可能性があるため、歯科医院を受診したほうがよいかもしれません。
歯の表面が変色する
虫歯の初期症状のひとつが歯の変色です。例えば、下記のような変化が現れることがあります。
- うっすらと白濁がある
- 茶色っぽく見える
- 黒っぽい点が見える
虫歯になると、噛み合わせの部分がうっすらと白濁したり茶色っぽくなったりすることがあります。また、歯と歯茎の境目部分が白っぽくなったり、歯と歯の間にうっすらと黒っぽい線が見えたりすることもあるでしょう。
歯の変色は小さな変化で、ほとんど見分けがつきません。特に、奥歯や上の歯は、肉眼で見えにくいため気づかないことも多いでしょう。
歯がしみる
虫歯が進行すると、冷たいものや熱いもの、甘いもの、酸っぱいものを口にするとしみることがあります。痛みを感じる場合、虫歯が象牙質に達している可能性があります。
歯の表面を守っているエナメル質とは異なり象牙質はとても柔らかく、刺激に弱いため、ちょっとした刺激でも痛みを感じやすいのです。
しかし、歯がしみるからといって必ずしも虫歯になっているとは言い切れません。知覚過敏でも同じような症状が現れるからです。そのため、できるだけ早く歯科医院で確認してもらいましょう。
デンタルフロスを使用すると引っ掛かる
歯と歯の間に虫歯があるとデンタルフロスを通したときに、引っ掛かることがあります。歯の溶けている部分が、デンタルフロスに当たるからです。
いつもスムーズにデンタルフロスを通せる箇所が急に引っ掛かったり、違和感を覚えたりする場合には、歯科医院で確認してもらったほうが良いでしょう。
虫歯を放置するリスク
虫歯は自然に治りません。虫歯を放置すると、虫歯になった歯だけでなく周囲の歯周組織や全身にも悪影響が及ぶ可能性があります。本項目では、虫歯を放置するリスクについて解説します。
神経の除去が必要になるケースがある
虫歯が進行して、神経にまで達した場合には根管治療が必要となるケースが多いです。根管治療とは、感染した神経や血管を取り除いて、根管内を洗浄・消毒する治療のことです。
歯の内部にある血管には、歯に必要な栄養分や水分を届ける役割があります。血管がなくなると歯に栄養が行き渡りません。いわば枯れ木のような状態になるため、破損しやすくなったり変色したりするリスクが高くなるでしょう。
永久歯に影響を及ぼす可能性がある
乳歯の虫歯を放置すると、永久歯にも影響が出るリスクが高まります。例えば、歯根にまで達した虫歯菌が、乳歯の下にある永久歯に悪影響を及ぼすことも少なくありません。歯に埋まっている段階で虫歯菌に感染し、虫歯になった状態で生えてくることもあります。
また、乳歯の虫歯を放置したことで早期に失うと、永久歯が正しい方向に生えてこない可能性があります。斜めに生えたり、回転して生えたりすることもあるでしょう。
全身の健康に影響を及ぼす可能性がある
虫歯を放置すると、全身の健康に影響を及ぼす可能性もあります。虫歯菌が血管を通して全身を巡ると、脳梗塞や心臓病などの命に関わる病気を引き起こす可能性があるのです。
虫歯を早期発見するポイント
虫歯を早期に発見するためには、いくつかの点に気を配る必要があります。本項目では、虫歯を早期発見するポイントについて解説します。
鏡を見ながら歯磨きをする
1日に1回は、明るい部屋で鏡を見ながら歯磨きをしましょう。鏡を使用して口の中を見ることで、歯が変色していないか確認できます。毎日チェックしていれば、細かい変化にも気づきやすく、早期発見につながるでしょう。
デンタルフロスを使用する
歯と歯の間の虫歯は、デンタルフロスの引っ掛かりで気づくケースもあります。そのため、日頃からデンタルフロスを使用する習慣をつけましょう。
デンタルフロスを使用すると、虫歯などの違和感に気づきやすくなるだけでなく、歯と歯の間のプラークもきれいに落とせます。結果的に、虫歯予防にもつながるのです。
歯科医院で定期検診を受ける
虫歯を早期に発見するためには、歯科医院で定期検診を受けることも重要です。毎日鏡を見ながら口の中をチェックしていても、上の歯や奥歯、歯の裏側など、肉眼では見えにくい箇所も多いからです。
定期検診では、レントゲンを撮ったり、拡大鏡で確認したりして虫歯がないか細かく確認します。定期的に検診を受けていれば、虫歯になっていても早期に発見でき、重症化する前に対処できるでしょう。
虫歯が疑われるときにすべきこと
上記で解説した虫歯の症状がある場合は、できるだけ早く歯科医院を受診しましょう。
とはいえ、日常生活が忙しく、なかなか歯科医院へ行けないこともあるでしょう。また、予約がいっぱいで、受診するまでしばらく待たなければならないケースも考えられます。
そのような場合でも、歯科医院に受診するまでの間は、いつも以上にブラッシングを徹底し、プラークや食べかすが口腔内に残らないように注意してください。また、フッ素が含まれている歯磨き粉や洗口液を使用して、虫歯が進行しないように心がけることも大切です。
初期の虫歯に対する治療法
初期虫歯だと診断された場合、どのように治療するのでしょうか。本項目では、初期虫歯の治療法について解説します。
ブラッシング指導
歯科衛生士がブラッシング指導をして、口腔内に合わせた歯磨き方法を教えます。
歯磨きをしっかりしている方でも、磨き方に癖があると同じ箇所が磨けないケースも少なくありません。例えば、歯ブラシが歯の形に合っていなかったり、力が強かったり、歯ブラシの毛先が歯面に当たっていなかったりする可能性があります。
正しい歯磨きの仕方を習得することで、効率的に歯を磨けるようになるでしょう。また、デンタルフロスやタフトブラシなどのツールの使い方も教えてもらえます。毎日の口腔ケアがきちんとできるようになることで、虫歯の進行を防ぐことができるでしょう。
フッ素塗布
初期虫歯に対しては、フッ素塗布をして経過観察するケースが多いです。フッ素には、虫歯菌の活動を抑制し、再石灰化を促進する作用があります。歯科医院では高濃度のフッ素を使用するため、虫歯の進行を抑えることができるでしょう。
フッ素が配合されている洗口剤や歯磨き粉もあります。歯科医院だけでなく、家庭でもフッ素入りの洗口剤や歯磨き粉を使用することで、より効果的に初期虫歯にアプローチできるでしょう。
PMTC
PMTCとは、Professional Mechanical Tooth Cleaningの略で、歯科医師や歯科衛生士が専用の機械や器具を使って口腔内の隅々まできれいに清掃する処置のことです。どれだけ丁寧に歯磨きをしても、奥歯や歯の裏側、歯と歯茎の境目などには磨き残しが生じやすいです。
歯科医院では、専用の機械や器具を使用して、細かい部分に付着した汚れも徹底的に除去するため、虫歯の進行を抑えることにつながります。毎日自分で行う口腔ケアと併用することで、口腔環境を整えられるでしょう。
虫歯にならないためにできること
初期虫歯を早期発見したり、早く治療したりすることも大切ですが、虫歯にならないように心がけることも重要です。本項目では、虫歯にならないためにできることについて解説します。
糖分を多く含む飲食物を控える
砂糖を多く含むものを食べたり飲んだりする習慣があると、虫歯になるリスクが高まります。虫歯を予防するためには、砂糖を多く含むチョコレートや甘い飲み物を控えることが大切です。
とはいえ、疲れているときには脳が甘いものを欲することもあるでしょう。甘いものを口にしたら、歯磨きをしましょう。
時間を決めて食事をする
時間を決めずにダラダラと食べ続けると、口腔内が酸性に傾く時間が長くなるため、歯が溶けやすくなります。
虫歯を予防するためにはダラダラと食べるのを避けることが大切です。食事をするときは時間を決めてください。間食のタイミングも工夫することで、虫歯のリスクを抑えることができるでしょう。
口腔ケアを徹底する
虫歯を予防するためには、口腔ケアを徹底することも大切です。
歯科医院でブラッシング指導を受けて正しい磨き方を習得し、毎日丁寧に磨きましょう。毎日しっかりと口腔ケアを行い、虫歯の原因となるプラークを除去することで虫歯を防げます。フッ素入りの歯磨き粉や洗口剤を使用することも虫歯予防に効果的です。
また、デンタルフロスや歯間ブラシを併用することも大切です。歯ブラシだけですべての汚れを除去することは難しいといわれています。これらのツールを併用することで、歯ブラシでは届かない細かい部分に付着した汚れも効率的に除去できるでしょう。
定期検診を受ける
気になる症状がなくても定期検診を受けましょう。定期検診では、虫歯や歯周病になっていないかをチェックします。万が一、虫歯になっていても、定期的に検診を受けていれば、初期の段階で虫歯を発見できるでしょう。
また、定期検診ではPMTCを行う場合もあります。PMTCで歯に付着した汚れを除去してもらうことで、口腔内を清潔に保ちやすくなるため、虫歯の予防につながります。
また、PMTCで歯面がツルツルになると、この状態を保ちたいという気持ちになり、自宅での口腔ケアの意識も高くなるでしょう。このように、定期検診は虫歯などの問題を発見するだけでなく、予防するためにも重要なのです。
まとめ
今回は、虫歯の初期症状や放置するリスクなどについて解説しました。
虫歯の初期段階では、自覚症状が現れにくいため、自分では気づかないことも少なくありません。
しかし、虫歯になると歯が変色したり、デンタルフロスが引っ掛かったりすることがあります。場合によっては、冷たいものや甘いものを口にするとしみることもあるでしょう。
虫歯の初期症状に気づくためには、鏡を見ながら歯磨きをしたり、デンタルフロスを使ったりするとよいでしょう。また、定期検診に通い、メンテナンスを欠かさないことも大切です。
虫歯が進行すると、口腔内だけでなく全身の健康にも影響を及ぼす可能性があります。全身の健康を維持するためにも、しっかりと口腔ケアを行いましょう。
虫歯にお悩みの方は、三重県伊賀市にある歯医者「矢谷歯科医院」にお気軽にご相談ください。
当院の院長・副院長は口腔外科出身で、親知らずの抜歯やインプラント治療などを得意としています。虫歯・歯周病治療や矯正治療、入れ歯治療なども行っております。ホームページはこちら、ご予約・お問い合わせもお待ちしておりますので、ぜひご覧ください。