コラム
歯周病って治るの?進行を止めて健康な歯を取り戻す方法

こんにちは。三重県伊賀市にある歯医者「SPT 矢谷歯科口腔医院」です。
歯茎から出血していたり、痛みを感じたりする場合、それは歯周病のサインかもしれません。「歯周病って治るの?」「どのような治療をするの?」と疑問をお持ちの方もいるでしょう。
この記事では、歯周病は治るのか解説します。治療する方法や、進行を止めて健康な歯を取り戻す方法についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
歯周病って治るの?

歯周病は、細菌によって歯を支える骨が溶けていく病気です。そのため、進行すると完全にもとの状態にするのは難しくなります。一度失った骨が自然に再生することはありません。
ただし、進行を食い止め、歯の健康を取り戻すことは可能です。そのためには、早い段階で発見し、適切にケアを行う必要があります。具体的な治療法や歯周病対策については、のちほど解説します。
歯周病はどのように進行する?

歯周病は、進行度によって、主に以下の4つの段階に分けられます。それぞれの段階について解説します。
歯肉炎
歯周病の初期段階が歯肉炎です。歯と歯茎の境目にプラークが蓄積し、プラークに潜む細菌によって歯茎に炎症が起こります。
歯茎が赤く腫れたり、歯磨きの際に出血したりすることがありますが、まだ歯を支える歯槽骨への影響はありません。毎日のブラッシングを見直し、歯科医院で歯のクリーニングを受けることで、健康な状態に回復できる可能性が高いです。
軽度歯周炎
軽度歯周炎へと進行すると、プラークが固まって歯石となり、歯と歯茎の間にある歯周ポケットが深くなります。この段階になると、歯槽骨が少しずつ破壊され始めます。歯茎の腫れや出血のほか、口臭も悪化し、症状が徐々に目立つのが特徴です。
中等度歯周炎
中等度まで進行すると、歯槽骨の破壊がさらに進み、歯がぐらついたり噛んだときに違和感が出たりすることがあります。歯周ポケットの深さも深くなり、歯磨きだけで汚れを取り除くことは難しくなります。
重度歯周炎
歯槽骨の吸収が進み、歯の根元が露出するのが重度歯周炎です。歯が大きくぐらつき、最終的に抜け落ちるケースも少なくありません。強い口臭や膿、歯茎の大きな腫れなど、日常生活に支障をきたす症状も多く見られます。
歯周病の治療法

歯周病の治療法には、進行度や症状に応じて複数の方法があります。ここからは、主な治療法について解説します。
歯周基本治療
歯周病治療の土台となるのが歯周基本治療です。プラークや歯石を除去し、歯周ポケットの炎症を抑えることで、病状の進行を食い止めます。
スケーリング
スケーリングとは、歯の表面や歯周ポケットに付着した歯石やプラークを除去する処置です。歯石はプラークが石灰化したもので、歯磨きでは取り除けません。歯科医院では専用の器具を使用して歯石やプラークを取り除き、歯周病の進行を食い止めます。
歯肉炎や軽度の歯周炎であれば、スケーリングだけで改善が期待できる場合もあります。
ルートプレーニング
ルートプレーニングは、歯の根の表面に付着した歯石や汚染されたセメント質を除去し、表面を滑らかに整える処置です。表面をツルツルに整えることで汚れをつきにくくし、歯石の再付着を防ぎます。
また、歯周ポケット内部の清掃を徹底することで、炎症の再発を防ぎ、歯周組織の回復を促すのもこの処置の目的です。
歯周外科治療
歯周基本治療で改善が見られない場合は、外科的なアプローチが必要になります。視野を確保して徹底的に清掃を行い、歯周ポケットの深さを改善することを目的としています。
フラップ手術
フラップ手術では、麻酔下で歯茎を切開し、歯根や歯槽骨を露出させた状態で歯石や感染組織を除去します。清掃後は歯茎をもとに戻して縫合します。歯周ポケットの深さを改善し、セルフケアしやすい環境に整えるのが目的です。
歯周組織再生療法
歯周組織再生療法は、歯周病によって失われた歯槽骨や歯根膜などの組織を再生させる治療法です。エムドゲインゲルやGTR法(組織再生誘導法)などを用いることで、骨の再生を促します。
ただし、すべての症例に適応できるわけではなく、歯槽骨の形や残っている量によって効果に差があります。
歯周内科治療
歯周内科治療は、顕微鏡や遺伝子検査などで歯周病菌を特定し、内服薬や除菌薬を用いて細菌のバランスを整える治療法です。従来の機械的な除去とは異なり、原因菌に直接アプローチできる点が特徴です。
口腔ケア指導や生活習慣の見直しも併せて行うことで、再発リスクを抑えられます。
ブラッシング指導
歯周病の再発を防ぐうえで欠かせないのが、日常的なブラッシングです。歯科医院では、患者さまそれぞれの口腔状態に応じて、正しい歯の磨き方や歯ブラシの選び方を指導します。セルフケアの精度を高めることで、治療後の健康な状態を長く維持できるでしょう。
自宅でできる歯周病対策

歯周病の進行を食い止め、健康な状態を維持するためには、毎日の自宅でのケアが大切です。ここでは、自宅でできる歯周病対策について解説します。
正しい歯磨き方法を実践する
歯周病対策の基本は、正しい歯磨きです。具体的には、以下のポイントに注意して歯磨きを行いましょう。
- 奥歯まで届きやすいヘッドの小さな歯ブラシを選ぶ
- 歯と歯茎の境目に毛先を45度の角度で当てる
- 毛先が広がらない程度の力で小刻みに動かす
- 細菌が繁殖しやすい就寝前は特に丁寧に磨く
歯と歯の間や歯周ポケットは、歯ブラシだけでは磨ききれない場合があります。そのため、デンタルフロスや歯間ブラシも活用しましょう。
また、フッ素が含まれる歯磨き粉や洗口液を使用するのも歯周病対策として有効です。フッ素は、歯質を強くして虫歯を予防するだけでなく、歯周病の原因菌の働きを弱める効果も期待できます。
食生活を見直す
歯周病対策として、栄養バランスの取れた食事を心がけることも大切です。例えば、体の免疫力を高め、歯周組織の健康維持に役立つ栄養素として、以下が挙げられます。
- ビタミンC(柑橘類、ブロッコリーなど)
- ビタミンD(きのこ類、魚など)
- ビタミンE(ナッツ類、植物油など)
また、糖質の多い食品や粘着性の高い食品は、虫歯や歯周病菌のエサとなりやすいため、摂取量や頻度を見直すことも大切です。
ストレスをコントロールする
ストレスは、自律神経のバランスを崩し、体の免疫力を低下させる原因となります。その結果、歯周病のリスクが高まったり、歯周病が悪化したりする可能性があるのです。
また、ストレスは無意識のうちに歯ぎしりや食いしばりを引き起こし、歯や歯周組織に過度な負担を与えかねません。ストレスを抱えることの多い方は、適度な運動や十分な睡眠、趣味など、ご自身に合った方法でストレスを効果的に解消しましょう。
心身の健康を保つことが、口腔内の健康維持にもつながります。
適度な休息と運動を心がける
十分な休息は、体の回復力を高め、免疫機能を正常に保つために不可欠です。睡眠不足は免疫力の低下を招き、歯周病菌に対する抵抗力を弱める可能性があります。
また、適度に運動すると全身の血行が促進され、歯茎の健康維持につながる効果が期待できます。ウォーキングやジョギングなど、無理なく続けられる運動を生活に取り入れましょう。
禁煙する
喫煙は、歯周病の最大のリスク因子の一つです。
タバコに含まれるニコチンなどの有害物質は血管を収縮させ、歯茎への血流を悪化させます。そのため、歯周組織への酸素や栄養の供給が滞り、免疫機能も低下します。歯周病菌が繁殖しやすい環境が作られ、炎症が悪化しやすくなるのです。
また、喫煙者は歯茎の腫れや出血がわかりにくく、発見が遅れやすくなる傾向もあります。歯周病のリスクを下げるために、禁煙を心がけましょう。
口腔内をチェックする
毎日歯磨きをする際に、お口の中を注意深く観察する習慣をつけましょう。
歯茎の色、腫れや出血の有無、歯のぐらつきや口臭など、小さな変化に気づくことが歯周病の早期発見につながります。特に、歯茎が赤く腫れていたり、歯磨きで出血したりする場合は、歯周病のサインである可能性が高いです。
セルフチェックで異常を感じたら、症状が悪化する前に歯科医院を受診することが大切です。
まとめ

歯周病は、歯茎の炎症から始まり、進行すると歯を支える骨が溶けて、最終的には歯を失う病気です。
しかし、進行度に応じた適切な治療を受け、正しくセルフケアを行えば、進行を食い止められます。毎日の丁寧な歯磨きや、栄養バランスの取れた食生活、十分な睡眠を心がけましょう。
歯科衛生士によるブラッシング指導を受けると、普段の歯磨きの質が上がり、歯周病対策につながります。
もし歯周病になった場合は、これ以上進行させないために初期段階で治療を受けることが大切です。歯茎の出血や腫れなど、気になる症状がある場合は、早めに歯科医院を受診しましょう。
歯周病の症状にお悩みの方は、三重県伊賀市にある歯医者「SPT 矢谷歯科口腔医院」にお気軽にご相談ください。
当院の院長・副院長は口腔外科出身で、親知らずの抜歯やインプラント治療などを得意としています。虫歯・歯周病治療や矯正治療、入れ歯治療なども行っております。
当院は、地元の伊賀市だけでなく、名張市・亀山市・津市からも多くの患者様にご来院いただいております。歯に関するお悩みはぜひお気軽にご相談ください。
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