三重県伊賀市の歯医者「矢谷歯科医院」です。親知らずの治療、インプラント治療はぜひご相談ください。

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コラム

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ホワイトニングについて


close up of beauty woman smile to you with health teeth and color samples tool for bleaching treatment

 ホワイトニングと言えば、みなさんのイメージとしては「歯の黄ばみをとって白くする」「歯をきれいにする」などではないでしょうか?しかしホワイトニングによって得られる効果はそれだけではありません。今回はホワイトニングの成分やその効果などについて記載していきたいと思います。

ホワイトニングとは

歯に薬剤を塗布して、漂白することによって色素や汚れを除去することによって歯を白くするための治療方法で、歯科医院で行う場合は歯科医師および歯科衛生士が施術します。

ホワイトニングの成分

ホワイトニングの成分として多く用いられている物に過酸化尿素があります。その他にも過ホウ酸ナトリウムや過酸化水素水などがあります。ホワイトニング方法や商品によって使用している成分が違ってきます。ご自信が何の成分を使用しているのかを知っておくといいと思います。

ホワイトニングの効果

ホワイトニングの目的は歯を白くすることが主なのですが、実はホワイトニングの効果はそれだけではないです。虫歯の予防効果や歯周病の予防効果もあります。ホワイトニングの成分でもある過酸化尿素はもともと歯周病の治療薬として用いられていて、歯周病原菌の核や細胞膜を破壊することによって、殺菌作用を発揮していたとのことです。そして研究が進み、過酸化尿素には歯を白くする効果もあることが発見され、ホワイトニングにも用いられることになりました。(参照:須崎 明 著 「チームで成功させるホワイトニング」)また歯周病原菌に効く作用機序と同じく、虫歯菌に対しても殺菌作用や抗菌作用があります。

 またホワイトニング直後の歯質は不安定な状態になります。この状態の時はカレーやコーヒーなどの濃い食品や喫煙を避けなければ後戻りの原因となるのですが、逆にこのタイミングでフッ化物をうまく取り込むことによって再石灰化の促進ができ、歯質の強化やホワイトニングの後戻りの防止が行えます。

歯の黄ばみの原因

歯の黄ばみの原因としては以下のことがあげられます。

  1. タバコ:歯質に付着したタバコのニコチンやタールが、歯の黄ばみの原因になります。
  2. コーヒーやワインなどの飲料からくるステイン:歯の表面にはペリクルという歯の表面を覆っているタンパクの膜があり、歯の再石灰化促進や歯の保護作用をしています。その一方で食べ物の色素が沈着しやすい側面もあり、ペリクルとタンニンやポリフェノールなどの色素が沈着したものがステインとなり、歯の黄ばみや汚れの原因となります。またホワイトニング後はこのペリクルが歯の表面から剥がれますので、より色素が沈着しやすくなります。よってホワイトニング後2時間~24時間は飲食に注意する必要があります。
  3. カレーなどの着色料の多い食品:カレーの成分であるクルクミンがペリクルと結合して歯の黄ばみの原因となる可能性があります。
  4. ブラッシング(歯磨きなど):適切なブラッシングがされないことによって、歯垢などの汚れが残ってしまい、歯が黄ばんで見えてしまうことがあります。
  5. 年齢:年齢が上がるにつれて、歯の表面のエナメル質が削れ、薄くなることで黄ばんで見えてしまうことがあります。 

ホワイトニング方法

歯科医院での専門的なホワイトニング方法には主にホームホワイトニングとオフィスホワイトニングがあります。ホームホワイトニングはご自身のお口の歯型取りを行い、マウスピースを作成します。作成したマウスピースとホワイトニングキットをお渡しさせていただき自宅で使用していただきます。最近では歯型を取らなくても自宅でホワイトニングが可能なキットも販売されています。一方でオフィスホワイトニングは歯科医院にてホワイトニング剤を歯に塗布し、ホワイトニング専用の光を薬剤に照射してホワイトニングを行います。これもまた最近では光を当てないタイプのオフィスホワイトニング方法もあります。その他にも歯磨き粉なども発売されているのですが、歯磨き粉のみでは上記2つと比較すると効果があまり期待できないと思います。

ホワイトニング時の注意点

まずは知覚過敏があります。これは薬剤を歯に浸透させますので、その影響が出ることがあります。知覚過敏を防止するためには長時間ホワイトニング剤を歯に浸さないことが大切ですので、歯科医師からの指導のもと適切な使用時間を守ることです。適切な使用時間でも知覚過敏の症状が出ることがあります。その場合は使用をすぐとりやめ、ホワイトニングを行う間隔を空けるようにすると大概の知覚過敏症状は治まります。

妊婦の方は使用を控えること。

妊婦の方は使用を控えた方が望ましいと思います。その理由として以下のことがあげられます。

①ホワイトニング剤の成分である過酸化尿素や過酸化水素が蒸発して気体となり、体内の血液中に取り込まれることによって、タンパクと反応し気泡が作られます。その気泡が胎盤を通じて胎児の中に取り込まれると毛細血管などが詰まる可能性があることが言われています。

②妊娠中はホルモンバランスの変化により、妊娠性歯肉炎や虫歯など口腔内環境が悪くなりやすいことが言われています。歯肉炎で歯肉に炎症があり、歯ぐきから血が出やすいなどの症状があると、ホワイトニングの薬剤と血液が反応して本来の薬効を発揮することができません。

無カタラーゼ症の方は使用を控えること。

無カタラーゼ症とは先天性の遺伝子異常によってカタラーゼという酵素が欠乏している疾患です。カタラーゼは過酸化水素を分解するのに必要な酵素となります。しかしカタラーゼが不足しているとホワイトニングの成分である過酸化水素が分解することができず、体内に有害な物質として残ってしまいますので、口腔に悪影響を及ぼす可能性があります。よって無カタラーゼ症の方はホワイトニング剤の使用を控えることが望ましいです。

歯質が薄い歯や歯根未完成歯

歯質が薄いと特にウォーキングブリーチ法(失活歯の歯冠内部にホワイトニング剤を入れる方法)時に歯外に漏れて、歯根吸収などの悪影響を及ぼす場合があります。また同じ理由で歯根未完成がある小児や若年者は避ける方が望ましいと思います。

当院で行っているホワイトニング治療の流れ

①診査・診断

ホワイトニングの適応症例かどうか判断します。よくホワイトニングの適応の見極めにFeinmanらの分類(Ⅰ度~Ⅳ度)が用いられるのですが、Ⅲ度およびⅣ度になってくるとホワイトニングの効果が得られにくくなってくるために他の施術方法を考えなければなりません。歯を白くするにおいてどの施術方法が患者様個人に合っているのかを相談の上決定します。

②歯周基本治療および施術前クリーニング

先述したように、歯肉炎や歯周病があり歯ぐきから出血しやすい状態であると薬液と血液が反応してしまい、ホワイトニング効果が得られにくいことからまずは歯ぐきの状態を引きしけるために歯ぐきの検査および歯石取りの治療や歯科医院専門クリーニング(PMTC)を行います。(もちろん歯ぐきが引き締まっていて、良い状態の方はクリーニングのみになります。)

③マウスピースの作成

自宅でホームホワイトニングを行っていただくためのマウスピースの型取りを行います。

④口腔内写真撮影およびマウスピース・ホワイトニングキットのお渡し

術前・術後でホワイトニング効果を判定するために口腔内写真撮影を行います。そして使用上の注意などご説明させていただいたあとにマウスピースおよびホワイトニングキットのお渡しをさせていただきます。

⑤ホワイトニングの効果判定と歯質強化のためのクリーニングおよびフッ素塗布。

2~3週間後を目安に来院していただきます。ホワイトニング効果の判定のために口腔内写真撮影を行います。また先述したホワイトニングプリベンション(歯質強化)をするために術後クリーニングおよびフッ素塗布を行います。

最後に

ホワイトニング効果は永久的なものではありません。再び歯が黄ばんできたならホワイトニン剤の再使用(タッチアップ)が必要になってきます。(すでにマウスピースは作製しているのでこの場合は追加のホワイトニングジェルの追加購入のみでOK!)またホワイトニング効果が継続するようにホワイトニング専用の歯磨き粉などもお勧めさせていただいております。またPMTCを受けていただき効果を持続させていきます。

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