三重県伊賀市の歯医者「矢谷歯科医院」です。親知らずの治療、インプラント治療はぜひご相談ください。

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コラム

コラム

親知らずについて



親知らずとは

親知らずの正式名称は第三大臼歯と言います。では何故親知らずと呼ばれるようになったかというと、「親が知らない間に子に生えている」や「永久歯の親を乳歯とした時に対応する乳歯が存在しない」ことなど色々と諸説がありますが、これっと言ってはっきりとした由来はわかっておりません。

親知らずを抜歯する必要がある場合とない場合

ある場合

昔に比べたら、現代人のアゴは小さくなってきています。そこで親知らずがまっすぐに生えるスペースが無くなってきており、真横に生えたり、斜めに生えたりしていることが多いです。

  1. まず一番問題になってくるのが、虫歯になります。親知らずが真横になって生えていると第二大臼歯(7番、親知らずの1個手前の歯のこと)との間にすき間ができて、そこに食べカスやプラークが溜まって、不衛生となり虫歯や歯周病になりやすくなります。親知らずだけがむし歯になるなら抜いてしまえば済む話なのですが、第二大臼歯が虫歯になると厄介になります。その理由としてはまず第二大臼歯の虫歯になっている部分にもよるのですが、歯冠部(歯の頭のこと)の真後ろのところが虫歯になっているとなかなか完全に治療することが難しくなってきます。小さければまだいいのですが、虫歯が大きいと親知らずを抜いたあとに「親知らずを抜いたところがしみて痛い」など虫歯が第二大臼歯の神経近くまで到達していることが多く、第二大臼歯の歯髄(歯の神経のこと)をとらなければならない可能性が極めて高いです。このようなことを防ぐためにも、虫歯が大きい場合は親知らずを抜くよりも第二大臼歯の歯髄を先にとるようにすることも多いです。では親知らずと第二大臼歯の間が虫歯にならないようによく歯磨きをすれば大丈夫なのでしょうか?答えは「No」で歯ブラシの毛先が奥まで届きませんので、完全に食べカスなどの汚れを取り除くことができないのがほとんどです。そこで虫歯になる前に予防として抜歯することをおすすめしております。どうしても抜かずにおいておくと言うのであれば、歯磨き以外にも洗口液などでうがいをしましょう!
  2. 時々疲れたときなど免疫が落ちている場合にアゴの奥の方の歯ぐきが痛い感じがするなどの症状はありませんでしょうか?これは親知らずが中途半端に生えており、歯と歯ぐきの境目に食べカスやプラークなどの汚い物質が溜まり、親知らず周囲の歯ぐきが炎症を起こしていることが原因です。このことを「智歯周囲炎」と言います。智歯周囲炎の治療法としては歯ぐきを洗浄して、歯ぐきに直接お薬を入れるのと、化膿止めなどを服薬していただくのですが、対症療法ですので症状の緩解は一時的です。根本的に治療するなら抜歯しかないかと思います。
  3. 顎関節症になりやすい。変な方向に生えた親知らずや噛み合わす歯がなく伸びた親知らずでは、アゴの側方運動時などに咬頭干渉起こして、顎関節症の原因になることがある。

ない場合

しっかりと歯磨きができて管理できている。しっかりと上下の歯が噛み合っていることがあげられると思います。親知らずは一番奥にあるので、しっかりと意識して磨かないとちゃんと歯ブラシが歯面に当たらずに、親知らずをきちんと磨けていないことが多いです。

親知らずを抜歯する時期(年齢が若い方が骨や組織が硬くないので有利である)

 親知らずを抜歯する時期に関しては、その人それぞれだとは思いますが、年齢が若い時の方がいいと考えます。まず年齢が増すにつれて親知らずが埋まっている骨など周囲組織が硬くなってくるので、親知らずが動きにくくなり、抜くのが大変になる確率が高まります。また骨などが硬くなると歯科麻酔が浸潤しにくく、麻酔が効きにくいことが考えられます。

そして若い時の方が体力があるので、親知らずの抜歯施術が長時間におよぶ場合でも耐えることができます。

親知らずを抜歯する前にCT撮影をする理由

 親知らずの根っこ付近を下顎管という神経や血管が走行している管があります。脳神経12個のうちの5番目にあたる三叉神経という歯科にとっては超重要な神経が下顎神経に分岐し、下顎神経がそれまた分岐して下歯槽神経や舌神経、頬神経となって枝別れしています。この下歯槽神経が下顎孔から入り、下顎管の中を通ってオトガイ孔から出ていくというような走行をしているのですが、親知らずの抜歯を行う時に下歯槽神経を直接傷つけることは稀なのですが、抜歯時の操作の刺激や抜いた後炎症反応が起こるのでその影響で抜歯後に舌や下唇部の知覚鈍麻が起こることがあります。それは親知らずの根っこと下顎管が近いほど起こる確率は高くなります。

CT撮影があまり普及していない頃はWater’s分類などでどのような親知らずの埋まり方なら知覚鈍麻などが出やすいかなどを判断していたんどえすが、現在はCT撮影が普及してきているので、CT画像によって親知らずの埋まり方や根っこの形状、下顎管との距離などが詳細にわかるようにリスクをより評価できるようになりました。だからと言って絶対に知覚鈍麻などの副作用が出ないかと言われればそのようなことは無いので、親知らずを抜歯する際はそれぞれの患者様がこのようなリスクがあることをちゃんと把握した上で抜歯されることが大切ではないかと思います。

親知らずを抜歯するときの麻酔

 親知らずを抜歯する際は、当院では浸潤麻酔と伝達麻酔を行います。浸潤麻酔とはむし歯の治療などで行う際の一般的な歯科の麻酔のことです。伝達麻酔とは神経の幹に麻酔を作用させて歯や周囲組織を痺れさす方法です。下の親知らずを抜歯する際は通常下顎神経に作用させます。患者様の感覚としては親知らずを抜歯する側の口唇と舌が半分痺れた感じになります。上の親知らずを抜歯する際は伝達麻酔は行われず、浸潤麻酔だけで抜歯することが多いです。

親知らずをわざと残す方法

 先程も述べたように、親知らずの根っこと下顎管が近いと抜歯する時の操作の刺激などによって知覚鈍麻が残る可能性が高くなります。それを回避するためにも2回法やコロネクトミーといった方法があります。

2回法はまず親知らずの頭だけを取り除き、根っこをそのままにしておきます。頭を取り除いた分だけスペースができますので、残した根っこがそのスペースに移動するまで待ちます。出てきた根っこを再度抜歯する方法になります。一方コロネクトミーは根っこは抜かずそのままの状態にしておく方法となります。どちらとも下顎管を損傷しないいい方法なのですが、残した根っこが感染して腫れや痛みが起こらないか慎重に経過観察を行う必要があります。

親知らずは一回の手術で何本まで抜けるの?

 当院では一回で最大でも片側で上下2本までとしています。(上下左右の親知らずを抜くとすれば2回で済むってこと。)その理由としては左右の親知らずを一気に抜歯してしまうと、両側が腫れたり、痛みでご飯が食べれない状態になってしまったり、舌や頬を噛む可能性が非常に高くなるので片側ずつとしています。

しかし、上下の親知らずを抜歯する際でも1本抜くよりは2本抜く方が腫れや痛みは大きくなりますので、1本ずつ順番に抜くことをお勧めさせていただいております。どうしても上下左右の親知らずをいっぺんに抜かれたい方は入院できる施設での処置が望ましいので、大学病院などの口腔外科を御紹介させていただきます。

親知らずと関連する病変

 親知らずに関連した病変で一番多く認めるのは嚢胞といって親知らずの頭の部分や周囲に膿の袋を認めることが多いです。これは放置しておくと大きくなっていく可能性があり、下顎管など周囲組織に悪影響を及ぼすので親知らずの抜歯といっしょに小さいうちに摘出する必要があります。

矯正治療と親知らず

 矯正治療において矯正治療前に抜歯しておくこと、矯正治療中に親知らずが邪魔となる場合があれば抜歯すること、矯正治療が終了した時に横に生えた親知らずがあると、後ろから押してせっかくきれいに並んだ歯列が乱れる可能性があるので抜歯することが考えられます。(これに関しては親知らずが関係していないとされる意見もあります。)また親知らずにブラケットなどの矯正装置をつけることもありますので、担当医や矯正医とよく相談していただいた上で抜歯の有無を判断していただけたらと思います。

親知らずを抜歯したら小顔になるの?

 これは私の主観でお話させて頂くのですが、結論から言いますと小顔効果はほぼ無いと思います。聞いたことがある話ではエラが張っている方が下の親知らずを抜歯しますと、歯を支えていた骨が痩せてアゴのラインがシャープになるや、頬骨が張っている方が上の親知らずを抜歯すると頬骨が痩せて小顔効果がある。

また一番奥の歯のかみ合わせが無くなるのでかむ力が弱くなり、筋肉が痩せて小顔効果があるなどです。理論的には可能なのですが効果があったとしてもごく稀で、見た目がわかるぐらいの効果は期待できないと考えます。実際1000本以上の親知らずを抜歯してきましたが、患者様が小顔になって感謝されたことがありません。親知らずの抜歯は様々なリスクがあります。小顔効果を一番の目的に親知らずの抜歯をすることはあまり得策ではないと思います。

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