コラム
親知らずが虫歯になったらどうする?治療法や予防法を解説!
こんにちは。三重県伊賀市にある歯医者「矢谷歯科医院」です。
親知らずは、最も奥に存在する前から数えて8番目の歯です。そのため、磨き残しやすく、ほかの歯に比べて虫歯になるリスクが高いといわれています。
今回は、親知らずの虫歯を放置するリスクや、親知らずが虫歯になったときの治療法、予防法などを解説します。親知らずの虫歯にお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
目次
親知らずは虫歯になりやすい?
親知らずは、虫歯になるリスクが高いです。親知らずはほかの歯と異なり、横向きに生えている場合や、斜めに生えていることが多いです。そのため、歯茎と親知らずのすき間に食べ物が詰まりやすくなります。
また、親知らずは最も後方に存在するため、ブラッシングが難しく、磨き残しが多い傾向にあります。親知らずは汚れが溜まりやすく、虫歯になるリスクがほかの歯と比べて高いといえるでしょう。
親知らずの虫歯を放置するリスク
親知らずの虫歯を放置するリスクは、以下のとおりです。
痛む
親知らずにも、ほかの歯と同様に歯の神経(歯髄)が存在します。虫歯が歯髄まで進行すると、歯髄に炎症が生じ、激しい痛みが出るでしょう。
歯髄が壊死する
虫歯が歯髄まで進行した状態を放置すると、歯髄が壊死することがあります。歯髄が壊死すると、歯の根の先に膿が溜まります。歯茎から出血する、膿が出るなどの原因になるでしょう。
歯髄が壊死するほどに虫歯が進行した段階では、口臭も認められることが多いです。
骨が溶ける
歯の根の先に膿が溜まると、親知らずの周りの骨が溶けることがあります。手前にある歯の周りの骨も溶けることもあるでしょう。骨が溶けると、歯が揺れ抜歯が必要になることがあります。
副鼻腔炎(ふくびくうえん)になる
上の親知らずの根の近くには、上顎洞(じょうがくどう)とよばれる空洞があります。親知らずの根の先に膿が溜まると、上顎洞の粘膜に炎症が起きる場合があるでしょう。
上顎洞の粘膜に炎症が起きた状態を、副鼻腔炎といいます。副鼻腔炎になると、痛みや鼻詰まりなどの症状が現れるのが一般的です。
骨髄炎(こつずいえん)になる
骨髄炎は、骨の中に細菌が侵入して炎症反応を引き起こす疾患です。虫歯を放置することで、細菌が歯の根から骨の中に入り込むことが原因となります。
骨髄炎の症状は、発熱、痛み、腫れなどです。骨髄炎が重症化すると顎の骨が壊死することもあるでしょう。
蜂窩織炎(ほうかしきえん)になる
蜂窩織炎とは、皮膚や皮膚の下にある組織に炎症が起きる疾患です。蜂窩織炎も、親知らずの虫歯を放置することで起きることがあります。
蜂窩織炎の症状は、痛み、腫れ、発熱などです。蜂窩織炎の炎症が首まで広がると気管が狭くなり、呼吸困難になることがあります。
親知らずが虫歯になった場合の治療法
親知らずが虫歯になった場合の治療法は、以下のとおりです。
フッ素塗布
初期の虫歯では歯に穴はあいておらず、歯の表面が少し溶けた状態です。初期の虫歯は自然に治る可能性があるため、フッ素を歯の表面に塗って経過観察します。
虫歯の治療
親知らずの虫歯が比較的小さい場合は、虫歯の治療を行います。虫歯になった部位を削り、削った部分に詰め物をします。樹脂でできた白い詰め物か、金属の詰め物が使用されるのが一般的です。
神経の治療
虫歯が歯の神経まで進行している場合は、歯の神経の治療を行います。歯の神経が存在する根管(こんかん)とよばれる部位を、専用の器具で清掃します。
根管の清掃は、痛みなどの症状が改善されるまで繰り返し行うのが一般的です。症状が改善されたら根管内に薬剤を詰め、土台を立てて被せ物を装着して終了です。
歯を抜く治療
何度も親知らずが虫歯になる場合や、繰り返し歯茎が腫れる場合は、親知らずを抜く治療を行います。親知らずが斜めや横向きに生えていて虫歯の治療ができない場合も、歯を抜く治療を行うでしょう。
親知らずの抜き方は、生え方によって異なります。ほかの歯のように真っ直ぐ生えている場合は、歯茎などの切開は行わずに抜くことが可能です。
横向きや斜めに生えている場合は、歯茎を切開して親知らずを分割してから抜きます。
親知らずが虫歯にならないための予防法
親知らずが虫歯にならないための予防法は、以下のとおりです。
ブラッシング方法を工夫する
親知らずは最も奥に存在しているため、ブラッシングが難しいです。しっかりと磨けるように工夫する必要があるでしょう。
まずは、毛先を親知らずに当てるために斜めに歯ブラシを挿入します。口を大きく開けると、頬の筋肉が緊張して歯ブラシの挿入が難しくなることがあります。
軽く開けた状態で、頬の筋肉を緩めながら歯ブラシを挿入しましょう。歯ブラシの毛先を親知らずに当てたあとは、小刻みに動かしながら汚れを取り除きます。
タフトブラシを使用する
親知らずの清掃には、タフトブラシが有効です。タフトブラシは、毛先が1本にまとまった歯ブラシです。通常の歯ブラシでは磨くことが難しい部位を磨けます。
タフトブラシは、ボールペンなどを持つときと同じように持ちましょう。鏡などで確認しながら、親知らずに毛先が当たっていることを確認して力を入れずに優しく磨きます。
高濃度フッ素配合の歯磨き粉を使用する
口内では、歯の成分が溶け出す脱灰と、溶け出した歯の成分がもとに戻る再石灰化が、常に起こっています。口内の清掃不良などが原因で脱灰が進むと、虫歯になるでしょう。
フッ素には再石灰化を促進する働きがあるため、虫歯の予防に有効です。親知らずの虫歯を予防する際は、高濃度フッ素入りの歯磨き粉を使用しましょう。
洗口液のなかにも、虫歯予防に特化したものがあります。虫歯予防に特化した洗口液を使用することも、虫歯の予防に有効です。
定期的にメンテナンスを受ける
歯科医院で行われる専門的な歯のメンテナンスには、大きく分けて2種類あります。
1つ目は、歯に付着した歯石を取るスケーリングとよばれるメンテナンスです。2つ目は、歯の表面に付いた汚れを取るPMTCとよばれるメンテナンスです。
PMTCでは、専用のブラシで歯の表面を磨いて着色や汚れを取り除きます。フッ素を含んだペーストを使用するため、虫歯予防に効果的です。
ブラッシング指導を受ける
定期検診では、歯のメンテナンスに加えてブラッシング指導が行われます。ブラッシング指導では、磨き残しがある部位を調べて、ブラッシング方法やタフトブラシなどのデンタルグッズの使用方法を学ぶことができます。
ブラッシング指導を受けて日々の歯磨きの質を向上させることは、虫歯予防につながるでしょう。
まとめ
今回は、親知らずが虫歯になったときの治療法や予防方法などを解説しました。
親知らずは最も後方に存在しているため、ほかの歯と比べて磨き残しやすく、虫歯になるリスクが高いです。親知らずの虫歯を放置すると、痛みや歯肉の腫れなどを引き起こすでしょう。副鼻腔炎や骨髄炎、蜂窩織炎などの原因になることもあります。
親知らずの虫歯の治療方法は、ほかの歯が虫歯になった際と基本的には同じです。何度も虫歯になる場合や、斜めや横向きに生えている場合は、親知らずを抜くこともあるでしょう。
親知らずの虫歯を予防するには、歯の磨き方やデンタルケアグッズの使用が有効です。歯科医院で行われる歯のメンテナンスやブラッシング指導を受けることも、虫歯予防につながるでしょう。
親知らずの虫歯治療を検討されている方は、三重県伊賀市にある歯医者「矢谷歯科医院」にお気軽にご相談ください。