三重県伊賀市の歯医者「矢谷歯科医院」です。親知らずの治療、インプラント治療はぜひご相談ください。

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コラム

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パウダーメンテナンスとは!?当院のPMTCについて



みなさんこんにちは!三重県伊賀市にある歯医者「矢谷歯科医院」です。今回は当院の予防歯科ではどのようなことが行われているか御紹介したいと思います。

PMTCって何?

みなさんPMTCはご存知でしょうか?PMTCとは「Professional Mechanical Tooth Cleaning」の略になりまして、歯科医院においてドクターや歯科衛生士が行う専門的な歯面清掃など歯のクリーニングのことになります。普段はみなさん自宅での歯磨きにてご自身の大事な歯を日々欠かさずに手入れしていただいているのですが、親知らずが生えている方ならお分かりかもしれないのですが、歯磨きは奥歯にいけばいくほど歯ブラシが届きにくくなり、自分で意識してしっかりと磨かないと歯ブラシが奥歯まで届いていないことが多いです。届いていない場合は当然ながらそこが虫歯や歯周病になるリスクが高まります。また歯と歯の間(歯間部)が磨けていないと歯肉炎となり歯磨き時に歯ぐきから出血しやすくなります。またインプラント周囲を手入れできていないとインプラント周囲粘膜炎やインプラント周囲炎になります。

歯磨きの目的としては歯の汚れを取ることになるのですが、そもそも汚れとは何かご存知でしょうか?一般的なイメージとしては食べカスとなるのですが、汚れというものは専門的にはプラークやバイオフィルムと言われています。

バイオフィルムとは?

昔は歯周病の原因を起こすものとして歯肉の縁上や縁下に溜まった歯石が主原因と考えられていたのですが、21世紀になってから歯周病の主原因はバイオフィルム(プラーク)であると解明されてきました。バイオフィルムとは細菌など微生物の複合体(塊り)になります。厳密にいうとプラーク(食後などに歯と歯ぐきの境目などにできる白い塊)もバイオフィルムの一種になります。もっとわかりやすく言うと台所や風呂場の排水溝に溜まるヌメりもバイオフィルムになります。バイオフィルムによって歯周病の発症・進行が促進されます。歯石自体には歯や歯周組織への為害性が無いのですが、歯石があることによって、歯石の上にバイオフィルムが停滞しやすくなることがわかってきました。だから歯石を取ることが大事なんです!!(参照:天野敦雄 著 歯科衛生士のための21世紀のペリオドントロジーダイジェスト クインテッセンス出版株式会社)

バイオフィルムは歯磨きで除去しても再度付着する。

例えば歯周病治療を行い歯周病菌の量が減少してくると、歯ぐきからの出血が止まった、歯周ポケットが浅くなったなど歯周状態は改善してきます。しかし歯周病菌は口腔常在菌であることから完全に口腔内から無くなったわけではありません。(あくまでも歯周病菌と歯周組織の共生が取り戻されたのと、歯周病菌が病原化していないだけです。)よって歯石およびバイオフィルムを取り続ける必要があります。バイオフィルムを除去する方法としてまず挙げられるのが超音波スケーラーによる方法です。

超音波スケーラーのメリット・デメリット

定期検診などで歯科医院を受診され歯のクリーニングをするときにはじめ歯石から除去をしていきます。歯石は固く、強固に歯に付着しているので自宅での歯磨きでは歯石を除去することができません。超音波による微振動にて除去していきます。超音波で除去後はラバーカップといってシリコン製のチップと研磨剤にて歯面を磨いていきます。

メリット

  • スピーディーに歯石を粉砕することができ効果的に除去することができますので、比較的簡単に歯石除去することができる。
  • 比較的短時間で処置を終えることができる。

デメリット

  • 歯に振動を感じるので不快な時がある。
  • 「キリキリキリ!」っと独特の高音が発生するので患者様によっては不快と感じる。
  • 最後方臼歯や歯間部などアクセスしにくい部位には器具が届きにくい。
  • 歯や被せ物などの補綴物を傷つけるなど負担が大きい可能性がある。
  • 歯間部や歯周ポケット内のメンテナンスは目視ができずに清掃を効果的にすることが難しい
  • デリケートな歯周ポケット内や軟組織を傷つけやすい。
  • インプラント表面を傷つけるので、インプラント部には使用できない。

主流になりつつあるパウダーメンテナンス

先ほども上げたように超音波スケーラーのデメリットとして、音が不快や歯周ポケット内の奥深いバイオフィルムを除去する際は痛いなどありますが、最近主流となってきているのがパウダーメンテナンスになります。超音波スケーラーでは超音波による微振動にてバイオフィルムを除去していましたが、このパウダーメンテナンスでは粉と水を使用して除去します。当院ではナカニシ社製のVarios Combi Proという機器を使用し、パウダーメンテナンス専用の粉(ペリオメイトパウダー)を使用しています。

ペリオメイトパウダーの特徴

  • 主成分であるグリシンはタンパク質を構成するアミノ酸であるので、人体に無害です。
  • 高い水溶性なので。深い歯周ポケット内に使用しても蓄積されません。(ただしメーカーの推奨では歯周ポケットが6mm程度までのものに限ります。それ以上深い歯周ポケットに使用すると皮下気腫ができる可能があります。)
  • エナメル質や象牙質の硬さよりも柔らかいため歯を傷つけることがほぼ無い。
  • パウダーの平均粒子径が25μmでとても細かい。

上記の特徴があるので、パウダーメンテナンスなら

  • 最後方臼歯や歯間部などアクセスや歯周ポケット内など目視しにくい部位に対して効果的にバイオフィルムを除去することができ、バイオフィルムの取り残しが減少します。
  • 歯周ポケット内を傷つけにくく、組織に対して優しいトリートメントができる。
  • 歯や補綴物への負担が減る。
  • インプラント表面も傷つけず、清掃することができる
  • インプラント周囲炎後のメンテナンスにも効果的である。

以上のことによりパウダーメンテナンスは術者および患者様にとってより快適にメンテナンスができるプロフェッショナルケアです!

私もVarios Combi Proにてパウダーメンテナンスを実際に私の口腔内で当院スタッフにやっていただきました。実体験も含めパウダーメンテナンスのメリット・デメリットを記載したいと思います。

パウダーメンテナンスのメリット・デメリット

メリット

  • 歯が細かいところまで洗浄されている感じがして気持ちいい!爽快である!(イメージで言うならば、車の汚れを高圧洗浄機で綺麗にしている感じです!とにかく終わったあとが爽快です!)
  • 超音波スケーラーと比べて、痛みがほぼ無い。(洗浄の圧を少し感じるぐらいです。)
  • パウダーがフレバ―ミント味なのでおいしい!(これは人によって感じ方が違うかも笑)
  • 軽微な着色なら除去することができる。(私はコーヒーをよく飲むようになって、前歯に着色が付きやすくなってしまったのですが、軽微な着色なら除去することができます。)

デメリット

  • 歯石は除去できない。(あくまでもプラークおよびバイオフィルムの除去を目的としているので、歯石は除去することができません。あくまでも超音波スケーラー等に歯石を除去してから、残っているバイオフィルムを除去していくイメージです。)
  • 部位によっては歯がしみる(知覚過敏のある歯にはしみるので噴射圧を弱くするか、その部だけ使用しないです。)
  • 粉が飛び散る。(噴射される粉が飛び散りやすいです。もちろん患者様のお顔にはタオルで覆わせていただきます。)
  • 使用できる患者様に制限がある。(例えば妊婦の方には使えないなど)

以上のように、パウダーメンテナンスにもメリットおよびデメリットはありますが、バイオフィルムの除、快適性を考えてもとてもいいメンテナンス方法であると思います。

まとめ

今回はバイオフィルムのことについて少し触れたのと、パウダーメンテナンスについて御紹介させていただきました。

歯周病治療や予防歯科において、自宅での歯磨きが一番大切になってくるのですが、どうしても磨きにくいところがあり汚れを落としきることができません。そんな時私たちが患者様のパートナーとなり、患者様の歯の健康をいっしょに守らせていただければと思います。

パウダーメンテナンスに興味ある方や歯をきれいにしたい患者様は、三重県伊賀市にある歯医者「矢谷歯科医院」にお気軽にご相談ください。

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