コラム
インプラントがぐらつく原因は?注意点と対処法を解説
こんにちは。三重県伊賀市にある歯医者「矢谷歯科医院」です。
インプラントが少し動く気がする、噛むと違和感があると不安になるのではないでしょうか。しばらく様子を見てもよいのか迷う方もいらっしゃるかもしれません。ですが、ぐらつきを放置したり、自分で触ったりすると、症状が悪化することがあります。原因によって必要な対応は異なるため、早めに状態を知ることが大切です。
この記事では、インプラントがぐらつく主な原因、受診までに気をつけたいこと、歯科医院での対処法、ぐらつきを防ぐためのポイントについて解説します。インプラントの違和感が気になっている方はぜひ参考にしてください。
目次
インプラントがぐらつく原因

インプラントがぐらつく症状は、治療してからの年数にかかわらず起こる可能性があります。入れたばかりの時期に起こることもあれば、しばらく問題なく使えていたインプラントに違和感が出ることもあります。
本来、インプラントは顎の骨にしっかり固定されるため、ぐらつく状態は正常とはいえません。ぐらつきの原因はひとつとは限らず、人工歯の部分だけが動いている場合もあれば、骨の中に埋め込まれたインプラント体そのものに問題が起きている場合もあります。
インプラントがぐらつく原因としては、主に次のものが考えられます。
アバットメントがゆるんでいる
アバットメントとは、インプラント体と呼ばれる人工歯根と人工歯をつなぐパーツです。この部分がゆるむと、インプラント全体がぐらついているように感じることがあります。
特に、噛んだときの力が一部に強くかかっている場合は、アバットメントのねじがゆるみやすくなると考えられています。たとえば、噛み合わせのバランスが崩れていたり、歯ぎしりや食いしばりの癖があったりすると、インプラントに負担が集中しやすくなります。
この場合、骨の中のインプラント体には問題がなく、連結部分のゆるみだけで違和感が出ていることもあります。ただし、ゆるんだまま使い続けると、さらに動きが大きくなったり、部品に負担がかかったりするため注意が必要です。
インプラント体が顎の骨に結合していない
インプラントは、インプラント体が顎の骨としっかり結合することで、安定して噛めるようになります。これによって、自然の歯に近い噛み心地が得られます。
しかし、何らかの理由でインプラント体と顎の骨がうまく結合しないと、土台が安定せず、ぐらつきが起こります。
主な原因のひとつは、インプラント体を埋入するときにドリルの摩擦熱で顎の骨がダメージを受けるオーバーヒートです。オーバーヒートが起こると骨が壊死し、インプラント体と骨がうまく結合しないことがあります。ほかにも、もともと顎の骨が薄い、骨の量が少ないといった状態が影響することもあります。
インプラント体が顎の骨にしっかり結合するまでには、一般的に3〜6か月程度かかります。そのため、治療直後の時期は経過を慎重にみていく必要があります。
一方で、6か月以上経っても変わらずぐらぐらする場合は、顎の骨とインプラント体が十分に結合していない可能性があります。このような場合は自然に改善するとは限らないため、歯科医院で状態を確認してもらうことが大切です。
インプラント周囲炎によるもの
インプラント周囲炎とは、インプラントの周囲に起こる炎症で、歯周病に似た病気です。インプラントの周囲に歯周病菌が増えることで発症し、治療後ある程度時間が経ってから起こることが多いです。
初期には、歯茎の赤みや腫れ、歯磨きのときの出血など、比較的軽い症状から始まることがあります。進行すると、痛みが出たり、膿が出たり、口臭が気になったりすることもあります。さらに悪化すると、インプラント体を支えている顎の骨が溶け、インプラントがぐらつく原因になります。
インプラント周囲炎は、見た目の変化が少ないまま進行することもあるため、違和感が軽いうちに気づくことが大切です。特に、以前は問題なく噛めていたのに最近ぐらつく、歯茎が腫れている、出血しやすいといった場合は、早めに歯科医院で相談しましょう。
インプラントがぐらつくときに注意すること

インプラントがぐらつくと、「少し様子を見てもよいのでは」と考える方もいらっしゃるかもしれません。しかし、自己判断で触ったり無理に使い続けたりすると、状態が悪化することがあります。
ぐらつきに気づいたときは、できるだけ刺激を避けながら、早めに歯科医院へ相談することが大切です。ここでは、受診までの間に気をつけたいポイントを解説します。
触らない
インプラントがぐらつくと不安になり、指で押したり、何度も動くか確認したくなったりすることがあります。
しかし、ぐらついている部分を触ると、動揺がさらに大きくなったり、周囲の組織に余計な負担がかかったりするおそれがあります。場合によっては、炎症が進んだり、インプラントの周囲の状態が悪化したりすることもあります。
そのため、なるべく触らないようにしましょう。手で触ることはもちろん、舌で押したり、無意識に触れたりすることも控えてください。
また、「触らないほうがよいなら歯磨きもしないほうがよいのでは」と考える方もいらっしゃいますが、歯磨きを控えるのは望ましくありません。汚れがたまると歯周病菌が増え、インプラント周囲炎のリスクが高まるためです。ぐらつく部分に強い力をかけないよう注意しながら、やさしく丁寧に歯磨きを続けましょう。
自分でつけない
インプラントのパーツが取れたときに、「元に戻せそう」と思ってご自身でつけ直そうとする方もいらっしゃいます。
しかし、自分でつけることは避けてください。見た目には簡単そうに見えても、実際には細かな調整や適切な固定が必要です。誤った方法でつけると、インプラントやパーツを傷める原因になります。また、噛み合わせがずれてしまったり、すき間から細菌が入り込んで炎症や感染につながったりすることもあります。
もしパーツが取れた場合は、なくさないように清潔な容器などに保管し、受診時に持参しましょう。取れた部品が診断や処置に役立つことがあります。
硬いものを食べない
インプラントがぐらつくときは、硬い食べ物を控えることも大切です。硬いものを噛むと、ぐらついている部分に強い力がかかり、症状が悪化する可能性があります。
たとえば、せんべい、ナッツ類、硬いお肉、フランスパンのような噛みごたえの強いものは、受診までの間は避けたほうがよいでしょう。できるだけやわらかいものを選び、ぐらついている側で噛まないように意識することも大切です。
痛みが少ない場合でも、硬いものを食べてよいとは限りません。違和感がある時点で、インプラントに何らかの負担がかかっている可能性があるため、無理に普段どおり使わないようにしましょう。
インプラントがぐらつくときの対処法

インプラントがぐらついたときは、できるだけ早く歯科医院を受診しましょう。ぐらつきの原因によって必要な処置は異なるため、見た目だけで判断することはできません。
歯科医院では、インプラントのどの部分が動いているのか、歯茎に炎症があるのか、骨の状態に問題がないかなどを確認したうえで、症状に合った対処を行います。早めに受診することで、比較的軽い処置で対応できる場合もあります。
ねじを締める
ねじのゆるみが原因でインプラントがぐらついている場合には、ねじを締め直します。アバットメントや人工歯を固定している部分のゆるみであれば、この処置でぐらつきが改善することがあります。
また、ねじを締め直す前に人工歯を外してクリーニングを行う歯科医院もあります。普段の歯磨きでは届きにくい、人工歯と接続部分の間まできれいにできるため、汚れの蓄積や炎症の予防にもつながります。
ただし、単に締め直せばよいとは限りません。なぜねじがゆるんだのかを確認することも大切です。噛み合わせのバランスや、インプラントに強い力がかかる癖が関係している場合もあるため、必要に応じて調整を行うことがあります。
再手術をする
インプラントがぐらつく場合、状況によっては再手術が必要になるケースもあります。たとえば、インプラント体が顎の骨と十分に結合していない場合や、骨の支えが失われている場合などです。
再手術を行う際は、まず問題のあるインプラントを除去し、その後の回復を待ってから再度治療を進めることが一般的です。再手術はインプラントの除去後1〜2か月経ってから行うケースが多いです。
また、顎の骨が薄くなっていたり、骨量が少なかったりする場合には、顎の骨を増やす治療が必要になることがあります。顎の骨を増やす治療を骨造成手術といい、骨造成手術をしてからインプラントを埋め込むため、治療期間は長くなる傾向があります。
再手術が必要と聞くと不安になるかもしれませんが、現在の状態を正確に把握し、無理のない方法で治療を進めることが大切です。
インプラント周囲炎を治療する
インプラント周囲炎が原因でインプラントがぐらつく場合は、まずインプラント周囲炎の治療を行います。具体的には、インプラント周囲の歯垢や歯石を除去したり、必要に応じて抗生物質を使用したりします。
炎症が軽いうちであれば、クリーニングやセルフケアの見直しによって改善を目指せることがあります。しかし、炎症が進行して骨への影響が大きい場合は、より慎重な対応が必要です。
重度のインプラント周囲炎では、ぐらつくインプラントを除去し、骨が回復したあとに再手術を行う場合もあります。インプラント周囲炎は放置すると進行しやすいため、歯茎の腫れや出血、違和感がある段階で受診することが重要です。
インプラントがぐらつくのを防ぐ方法

せっかく入れたインプラントは、できるだけ長く安定した状態で使い続けたいものです。インプラントのぐらつきは、治療時の条件だけでなく、治療後のメンテナンスや毎日のケアにも大きく関係します。
ここでは、インプラントがぐらつくのを防ぐために意識したいポイントを解説します。
経験豊富な歯科医師のもとで治療を受ける
インプラント治療を受けるときには、経験豊富な歯科医師のもとで治療を受けることが重要です。インプラント治療では、顎の骨の状態、噛み合わせ、全身状態など、さまざまな点を踏まえて治療計画を立てる必要があります。
治療経験がある歯科医師であれば、事前の診断から手術、治療後の管理まで、状態に応じた対応がしやすくなります。インプラントは入れて終わりではなく、その後も長く付き合っていく治療だからこそ、継続して相談しやすい歯科医院を選ぶことが大切です。
設備が整っている歯科医院を選ぶ
インプラントを埋め込む際には、顎の骨の厚さや高さ、神経や血管の位置などを事前にしっかり確認する必要があります。そのためには、十分な検査ができる設備が整っていることが重要です。
たとえば、CT撮影ができると、骨の状態を立体的に確認しやすくなります。こうした検査が不十分なまま治療を進めると、インプラント治療のトラブルにつながる可能性があります。
インプラント治療におけるリスクをできるだけ減らすためにも、必要な検査や診断を丁寧に行える歯科医院を選ぶことが大切です。
定期的にメンテナンスを受ける
インプラント治療後は、定期的にメンテナンスを受けることも重要です。インプラントがぐらつく原因のひとつにインプラント周囲炎がありますが、インプラント周囲炎は定期的にメンテナンスを受けることで予防しやすくなります。
メンテナンスでは、普段の歯磨きでは落としきれない汚れを除去したり、歯茎の状態や噛み合わせを確認したりします。見た目には問題がなくても、早い段階で変化に気づけることがあるため、トラブルの早期発見につながります。
また、万が一インプラント周囲炎などの口腔トラブルが起こっていても、定期的にメンテナンスを受けていれば、早期発見・早期治療につながるでしょう。
歯磨きを入念におこなう
歯科医院でメンテナンスを受けていても、ご自宅でのケアが不十分だと、インプラント周囲炎などの口腔トラブルが起こるリスクは高まります。インプラントを長く使うためには、毎日のセルフケアが欠かせません。
普段から入念に歯磨きをおこないましょう。歯ブラシでのブラッシングはもちろん、フロスや歯間ブラシも活用することで、歯と歯の間や歯と歯茎の境目に付着した汚れも除去しやすくなります。
特に、インプラントの周囲は汚れがたまりやすい一方で、炎症が進んでも気づきにくいことがあります。自己流で磨くのではなく、歯科医院でご自身に合った磨き方を確認しながら、無理なく続けられるケアを身につけることが大切です。
まとめ

インプラントがぐらつく原因には、アバットメントのゆるみやインプラント周囲炎、インプラント体と顎の骨が十分に結合していないことなどが挙げられます。見た目では同じように感じるぐらつきでも、原因によって必要な対処は異なります。
ねじのゆるみが原因であれば締め直しで対応できることがありますし、インプラント周囲炎が原因であれば炎症に対する治療が必要です。状態によっては、再手術が必要になることもあるでしょう。
大切なのは、ぐらつきを感じたときに自己判断で様子を見すぎないことです。指や舌で触ったり、取れたパーツをご自身で付け直したりすると、かえってトラブルが大きくなるおそれがあります。受診までの間は刺激を避け、やさしく清潔を保ちながら、できるだけ早く歯科医院を受診しましょう。
インプラントを検討されている方は、三重県伊賀市にある歯医者「SPT 矢谷歯科口腔医院」にお気軽にご相談ください。
当院の院長・副院長は口腔外科出身で、親知らずの抜歯やインプラント治療などを得意としています。虫歯・歯周病治療や矯正治療、入れ歯治療なども行っております。
当院は、地元の伊賀市だけでなく、名張市・亀山市・津市からも多くの患者様にご来院いただいております。歯に関するお悩みはぜひお気軽にご相談ください。
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