コラム
親知らずが横向きに生える原因と抜歯の流れ・注意点を徹底解説

こんにちは。三重県伊賀市にある歯医者「SPT 矢谷歯科口腔医院」です。
親知らずが横向きに生えていると言われ、不安や違和感を感じている方も多いのではないでしょうか。
痛みや腫れが繰り返し起こる場合、放置すると虫歯や歯並びの乱れ、さらには顎の炎症など深刻なトラブルにつながることもあるため、早めの理解と対策が重要です。
この記事では、親知らずの基本的な役割や特徴、横向きに生える親知らずがどのような状態なのか、さらにまっすぐ生える場合との違いについて詳しく解説します。親知らずの状態や今後の対応に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
目次
親知らずが横向きに生えるとは

親知らずが横向きに生える現象について、その特徴や一般的な違い、注意点を詳しく解説します。
親知らずの基本的な役割と特徴
親知らずは「第三大臼歯」とも呼ばれ、通常は10代後半から20代前半にかけて生えてくる奥歯です。
親知らず自体には噛む機能を補助する役割がありますが、現代人の顎は昔に比べて小さくなっているため、親知らずが生えるスペースが十分に確保できないことも多く、これがさまざまなトラブルの原因となることがあります。
横向きに生える親知らずの状態
親知らずが横向きに生える場合、歯が真横や斜めに傾いて隣の歯にぶつかる、あるいは歯ぐきの中に埋もれてしまうことがあります。
その結果、歯ぐきの腫れや痛み、炎症、さらには隣接する歯への影響が出ることも考えられます。横向きに生えた親知らずは、歯ブラシが届きにくく、虫歯や歯周病のリスクも高まるため、注意が必要です。
まっすぐ生える場合との違い
まっすぐ生えた親知らずは、他の歯と同じように、しっかり噛む役割を果たせることが多く、特別な問題が生じにくい傾向があります。
しかし、横向きに生えた場合は、正常な噛み合わせの妨げになったり、周囲の歯や歯ぐきに負担をかけることがあるため、自覚症状がなくても歯科医師の検診で確認してもらうことが大切です。
親知らずが横向きに生える原因

親知らずが横向きに生える原因について、わかりやすく解説します。
顎の大きさや骨格の影響
現代人は進化の過程で顎が小さくなってきており、その結果として親知らずが生えるスペースが十分に確保できない場合があります。
顎の骨格が小さいと、親知らずが真っ直ぐに生えることが難しくなり、横向きや斜めに生えることが起こりやすくなります。
歯が生えるスペースの不足
親知らずは最後に生えてくる永久歯であるため、すでに他の歯でスペースが埋まっていることが多いです。
このスペース不足が原因で、親知らずが本来の位置に生えられず、横向きに生えてしまうことがあります。
遺伝的な要因
親知らずの生え方や顎の形状は、遺伝的な影響を受けることが知られています。家族に横向きの親知らずが多い場合、ご自身も同じような生え方になる可能性があります。
現代人の食生活との関係
やわらかい食事が中心となった現代の食生活は、顎の発達に影響を及ぼすことが指摘されています。
噛む回数が減ることで顎の骨が十分に発達せず、親知らずが正常に生えるスペースが確保されにくくなる場合があります。
横向きの親知らずによる症状とリスク

横向きに生えている親知らずが引き起こす主な症状やリスクについて、具体的に解説します。
痛みや腫れが起こる理由
横向きの親知らずは、歯ぐきや周囲の組織を圧迫しやすく、炎症が起こることで痛みや腫れが生じることがあります。
特に、親知らずが部分的に歯ぐきから露出している場合、細菌が侵入しやすく、腫れや強い痛みを感じやすくなります。
虫歯や歯周病のリスク
横向きの親知らずは、歯ブラシが届きにくいため、汚れや細菌がたまりやすくなります。その結果、親知らず自身や隣の歯が虫歯や歯周病になるリスクが高まります。
特に歯ぐきの奥深くに位置している場合、セルフケアだけでは十分な清掃が難しいことが多いです。
隣接歯への悪影響
横向きの親知らずは、隣の歯を押すことで圧力がかかり、歯の根や歯並びに悪影響を及ぼすことがあります。これにより、隣接歯の根が溶けたり、歯がぐらつくなどのトラブルが生じることも考えられます。
嚢胞や感染症のリスク
親知らずの周囲に膿がたまったり(嚢胞)、細菌感染が広がることもあります。嚢胞が大きくなると骨を少しずつ溶かしながら広がって、周囲の組織に悪影響を及ぼす可能性があるため、注意が必要です。
歯並びや噛み合わせへの影響
横向きの親知らずが他の歯を押すことで、歯並びが乱れたり、噛み合わせが変化する場合があります。これにより、かみ合わせのバランスが崩れ、顎や歯に負担がかかることもあります。
横向きの親知らずを放置するリスク

横向きに生えている親知らずを放置することで生じるリスクについて、具体的な症状や将来的な影響を中心に解説します。
症状が悪化する可能性
横向きの親知らずは、歯ぐきや隣接する歯に圧力をかけやすく、炎症や腫れ、痛みが生じやすい傾向があります。
初期には自覚症状が乏しい場合もありますが、進行すると歯ぐきの腫れや膿がたまることがあり、口が開きにくくなるケースもみられます。
また、親知らず周囲に細菌が繁殖しやすく、歯周病や虫歯のリスクも高まります。
将来的な治療の難易度とリスク
横向きの親知らずを長期間放置すると、周囲の骨や歯に影響を及ぼし、抜歯や治療がより複雑になることがあります。
炎症や感染が広がると、抜歯後の治癒に時間がかかったり、顎の神経や隣の歯を傷つけるリスクが増すことも考えられます。
早期に適切な対応を行うことで、治療の負担や合併症のリスクを軽減できる可能性があります。
全身への健康影響
親知らずの炎症が慢性化すると、まれにですが細菌が血流を通じて全身に広がり、発熱や倦怠感など全身症状を引き起こすことがあります。
特に基礎疾患がある方や免疫力が低下している場合は、思わぬ重い感染症につながってしまうこともあります。口腔内の健康を保つことは、全身の健康維持にもつながります。
横向きの親知らずを抜歯するべきケースと抜かなくてもよいケース

横向きの親知らずを抜歯するべきかどうかは、症状や状況、年齢や健康状態などさまざまな要素を総合的に考慮して判断されます。
抜歯が推奨される具体的な症状や状況
横向きに生えている親知らずは、歯ぐきや隣の歯を圧迫しやすく、痛みや腫れ、歯ぐきの炎症、虫歯、歯並びの乱れなどのトラブルが起こる場合があります。
特に、繰り返し腫れや痛みが生じている場合や、レントゲンで隣接する歯への影響が確認された場合は、抜歯が検討されることが多いです。
また、親知らずの周囲に膿がたまる、歯ぐきから出血が続くなどの症状がある場合も、抜歯が推奨されることがあります。
抜歯しなくてもよい場合
横向きの親知らずであっても、痛みや腫れなどの症状がなく、周囲の歯や歯ぐきに悪影響が認められない場合は、必ずしも抜歯が必要とは限りません。
定期的に歯科医院で経過観察を行い、問題が生じていないか確認しながら様子を見ることも選択肢の一つです。
年齢や健康状態による判断ポイント
抜歯の判断には年齢や全身の健康状態も重要です。若年層では回復が早い傾向にありますが、高齢になると治癒に時間がかかったり、持病がある場合はリスクが高まることがあります。
そのため、医師と相談しながら個々の状況に合わせて慎重に判断することが大切です。
横向きの親知らずの抜歯の流れ

横向きに生えている親知らずの抜歯は、通常の抜歯よりも複雑な処置が必要となるため、その流れについて詳しく解説します。
事前の診察とレントゲン検査
歯科医院では、はじめに口腔内の診察とレントゲン撮影が行われます。これにより、親知らずの位置や生え方、神経や血管との距離などを正確に把握し、抜歯のリスクや方法を判断します。
抜歯の準備と麻酔
抜歯当日は、感染予防や安全性を考慮して局所麻酔を行います。場合によっては、体調や既往歴の確認、抗生物質の処方なども行われます。
歯茎の切開と骨の処置
横向きの親知らずは歯茎や顎の骨に覆われていることが多いため、まず歯茎を切開し、必要に応じて骨を一部削る処置が行われます。これにより、歯が見える状態になります。
親知らずの分割と除去
親知らずが大きい場合や根が複雑な場合は、歯を数個に分割して少しずつ除去します。これにより、周囲の組織への負担を最小限に抑えることができます。
縫合と止血
抜歯後は、傷口を縫合して止血を行います。必要に応じてガーゼを噛んで圧迫止血を指示されることもあります。
治療時間や通院回数の目安
横向きの親知らずの抜歯は、通常30分から1時間程度かかることが多いですが、難易度によって異なります。
術後の経過観察や抜糸のため、1~2回の通院が必要となる場合があります。
抜歯後の注意点とセルフケア

親知らずが横向きに生えている場合の抜歯後には、特有の注意点があり、セルフケアが重要となります。
出血や腫れへの対処法
抜歯後は出血や腫れが起こることが多く、ガーゼをしっかり噛んで圧迫止血を行うことが大切です。
腫れに対しては、冷やしすぎないようにタオルで包んだ保冷剤などで軽く冷やし、安静に過ごすことがおすすめです。
食事や生活で気をつけること
抜歯当日は刺激物や熱い飲食物、アルコールは控え、柔らかい食事を選ぶと良いでしょう。
また、抜歯部位を舌や指で触らないよう注意し、激しい運動や長時間の入浴も避けることが望ましいです。
口腔ケアのポイント
抜歯後は傷口を清潔に保つことが大切ですが、強いうがいや歯ブラシの刺激は避ける必要があります。
歯科医師の指示に従い、やさしくうがいを行い、周囲の歯は普段通り丁寧に磨きましょう。
ドライソケットの予防法
ドライソケットは抜歯後の合併症の一つで、傷口を覆う血のかたまり(血餅)が失われることで発症します。強いうがいや吸い込む動作、喫煙は控え、傷口を安静に保つことが予防につながります。
喫煙・飲酒の影響
喫煙や飲酒は傷の治りを遅らせたり、感染リスクを高める可能性があるため、抜歯後しばらくは控えることが推奨されています。医師の指示に従い、再開時期を判断しましょう。
横向きの親知らず抜歯に関するよくある誤解と正しい知識

親知らずが横向きに生えている場合の抜歯については、多くの誤解や不安があるため、正しい知識を持つことが大切です。
抜歯は必ずしも痛いわけではない
横向きの親知らずの抜歯は「非常に痛い」と思われがちですが、実際には局所麻酔をしっかり行うことで、処置中の痛みはほとんど感じないことが多いです。
痛みの感じ方には個人差があり、抜歯後に痛みが出る場合もありますが、痛み止めを適切に使えばコントロールできる場合がほとんどです。腫れや違和感は数日続くこともありますが、通常は日常生活に大きな支障が出ることは少ないでしょう。」h3 全身麻酔が必要なケースは稀
親知らずの抜歯で全身麻酔が必要になるケースはごく限られています。
一般的には局所麻酔で十分対応可能であり、全身麻酔が選択されるのは、重度の恐怖心がある場合や、複数本同時に抜歯する場合など、特別な事情があるときに限られます。
ほとんどの方は日帰りで治療を受けることができます。
抜歯後の腫れや痛みはどれくらい続くか
横向きの親知らずを抜歯した後は、腫れや痛みが数日から1週間程度続くことが一般的です。腫れのピークは2〜3日目で、その後徐々に落ち着いていきます。
痛みや腫れの程度、回復の早さは個人差があるため、心配な症状があれば早めに歯科医師に相談しましょう。
横向きの親知らず抜歯の費用と保険適用

横向きに生えている親知らずの抜歯にかかる費用や保険の適用範囲について、具体的に解説します。
保険適用の範囲と自己負担額の目安
横向きの親知らずの抜歯は、多くの場合、炎症や痛み、腫れなどの症状があると保険適用の対象となります。
保険診療では、3割負担の場合、抜歯自体の費用はおおよそ3,000円から5,000円程度が一般的ですが、横向きなどで外科処置が必要な場合は7,000円から10,000円ほどかかる場合があります。レントゲン撮影や投薬、処置料などが加算されるため、合計で5,000円から15,000円程度が目安となります。。
症状や治療内容によって金額は変動しますので、事前に歯科医院で見積もりを確認することが大切です。
自由診療になるケース
親知らずの抜歯が自由診療となるのは、無症状で健康上の問題がない場合や、審美目的で抜歯を希望する場合、または特殊な設備や材料を使う場合などです。
自由診療の場合、費用は歯科医院ごとに異なり、1本あたり1万円から3万円程度が目安とされています。
事前に治療内容と費用について十分に説明を受け、納得した上で治療を受けることが重要です。
費用を抑えるためのポイント
費用を抑えるためには、まず保険適用となるかどうかを歯科医師に相談することが基本です。
症状がある場合は保険診療の対象となることが多いため、早めに受診することが推奨されます。
また、複数の歯科医院で見積もりや説明を受け、納得できる治療計画を立てることも費用面での安心につながります。
親知らずが横向きに生えたときの歯科医院の選び方

親知らずが横向きに生えた場合、どのような歯科医院を選ぶべきかについて解説します。
口腔外科専門医のメリット
横向きに生えた親知らずは、通常の抜歯よりも難易度が高くなることが多いため、口腔外科専門医が在籍している歯科医院を選ぶと安心です。
口腔外科専門医は、顎や口腔内の複雑な症例に対応するための専門的な知識と経験を有しており、リスクの高い抜歯や術後のトラブルにも適切に対処できる可能性があります。
特に親知らずの根が神経や血管に近い場合、専門医の判断が重要となります。
設備や対応力のチェックポイント
歯科医院の設備も選択時の重要なポイントです。デジタルレントゲンやCTスキャンなどの画像診断機器が整っているかを確認しましょう。
これらの機器があれば、親知らずの位置や神経との距離を立体的に把握でき、より安全な治療計画が立てられます。
また、緊急時の対応体制や衛生管理が徹底されているかも確認すると良いでしょう。
まとめ

親知らずが横向きに生えるのは、顎のスペース不足や歯の成長方向が影響していると考えられています。
横向きに生えた親知らずは、痛みや腫れ、虫歯、歯並びの乱れなどのリスクがあるため、症状や位置によっては抜歯が検討されます。
抜歯は一般的な流れや注意点があり、術後のセルフケアも大切です。費用や保険適用、歯科医院の選び方についても事前に確認すると安心です。
親知らずの治療を検討されている方は、三重県伊賀市にある歯医者「SPT 矢谷歯科口腔医院」にお気軽にご相談ください。
当院の院長・副院長は口腔外科出身で、親知らずの抜歯やインプラント治療などを得意としています。虫歯・歯周病治療や矯正治療、入れ歯治療なども行っております。
当院は、地元の伊賀市だけでなく、名張市・亀山市・津市からも多くの患者様にご来院いただいております。歯に関するお悩みはぜひお気軽にご相談ください。
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