コラム
インプラントがぐらつくときの注意点と対処法を詳しく解説!
こんにちは。三重県伊賀市にある歯医者「矢谷歯科医院」です。
せっかくいれたインプラントがぐらつくと抜けるのではないかと心配に思う方もいるかもしれません。
どのようなときにインプラントがぐらつくのでしょうか。また、インプラントがぐらつくときはどのように対処したらよいのでしょうか。
今回は、インプラントがぐらつく原因と対処法について解説します。インプラントがぐらつくのを防ぐ方法についても解説するので、ぜひ参考にしてください。
目次
インプラントがぐらつく原因
インプラントがぐらつくのは、時間の経過はあまり関係なく、いれたばかりの人でも、いれてからある程度年数がたった人でも起こり得るものです。
インプラントがぐらつく原因は、主に次の4つが考えられます。
アバットメントがゆるんでいる
アバットメントとは、インプラント体と呼ばれる人工歯根と人工歯をつなぐパーツです。アバットメントがゆるんでいると、インプラントがぐらつくことがあります。
噛んだときの力が過剰にかかるとアバットメントがゆるみやすくなると考えられています。
インプラント体が顎の骨に結合していない
インプラント体が顎の骨に結合することで、自然の歯と同じような噛み心地が実現できます。
しかし、さまざまな理由でインプラント体と顎の骨が結合していない場合には、インプラント体がぐらつきやすくなります。
おもな原因はインプラント体を埋入するときにドリルの摩擦熱で顎の骨が壊死するオーバーヒートです。ほかにも顎の骨が薄かった結果として起こることもあります。
インプラント体が顎の骨にしっかりと結合するまで3〜6か月程度かかります。
しかし、6か月以上経っても変わらずぐらぐらする場合には、顎の骨とインプラント体が結合していない可能性があるでしょう。
インプラント周囲炎によるもの
インプラント周囲炎とは歯周病と類似した病気であり、インプラント周囲の歯茎が歯周病菌に感染することで発症します。インプラントを埋入して、ある程度時間が経過してから起こる病気です。
インプラント周囲炎になると歯茎の腫れや出血、痛みなどの症状が現れます。進行すると、インプラント体を埋入している顎の骨が溶け、インプラントがぐらつく原因となるのです。
インプラントがぐらつくときに注意すること
インプラントがぐらつくときには注意しなければならないことがあります。
インプラントがぐらつくときに注意すべき点は、以下のとおりです。
触らない
インプラントがぐらつくと不安もあり、ついつい触ってしまう方もいるかもしれません。
しかし、インプラントを触ると、ぐらつきがさらに悪化したり、インプラントの穴が広がったり、炎症が進行したりするかもしれません。そのため、なるべく触らないようにしましょう。手で触ることはもちろんですが、舌で触ったり押したりすることも控えてください。
また、インプラントがぐらついていて触らないようにと考えた結果、歯磨きを控える方もいます。
しかし、歯磨きを控えると歯周病菌が溜まり、インプラント周囲炎に感染するリスクが高まります。ぐらつくインプラントに負担をかけないようにやさしく歯磨きをおこないましょう。
自分でつけない
インプラントのパーツが取れた場合、自分でつけられるのではと考える方もいます。
しかし、自分でつけてはいけません。誤った方法でつけてしまう可能性があります。誤った方法でつけると、インプラントが破損する場合や噛み合わせが悪くなる場合があるほか、つけ方によっては炎症を引き起こし感染の原因にもなりかねません。
もし、インプラントのパーツが取れた場合は容器などに保管して、歯科医院を受診する際に持参しましょう。
硬いものを食べない
インプラントがぐらつくときは、硬い食べ物は控えましょう。硬いものを噛むとその刺激でインプラントが取れる可能性があるためです。インプラントがぐらつくときには硬い食べ物は避け、やわらかいものを食べるようにしましょう。
インプラントがぐらつくときの対処法
インプラントがぐらついたらすぐに歯科医院を受診しましょう。歯科医院ではその症状に合わせて対処をしてくれます。
インプラントがぐらつくときに歯科医院で行う対処法は、以下のとおりです。
ねじを締める
ねじのゆるみが原因でインプラントがぐらついている場合には、ねじを締め直します。ねじを締め直すことでぐらつきを改善できる場合があるでしょう。
ねじを締め直す前には人工歯をはずしてクリーニングをしてくれるところもあります。普段の歯磨きでは届きにくい、人工歯と接続部分の間まできれいにしてもらえます。
再手術をする
インプラントがぐらつく場合、状況によっては再手術が必要になるケースもあります。再手術はインプラントの除去後1〜2か月経ってから行うケースが多いです。
また、顎の骨が薄くなっていたり、骨量が少なかったりする場合には顎の骨を増やす治療が必要になります。顎の骨を増やす治療を骨造成手術といい、骨造成手術をしてからインプラントを埋め込むため、治療期間が長くなるでしょう。
インプラント周囲炎を治療する
インプラント周囲炎が原因でインプラントがぐらつく場合は、インプラント周囲炎の治療を行います。インプラント周囲の歯垢や歯石を除去したり、抗生物質を使用したりします。
重度のインプラント周囲炎の場合には、ぐらつくインプラントを除去して、骨が回復したあとに再手術を行う場合もあるでしょう。
インプラントがぐらつくのを防ぐ方法
せっかく入れたインプラントをぐらつかせずに長く使い続けたいものです。インプラントがぐらつかないようにするにはどうすればいいのでしょうか。
ここでは、インプラントがぐらつくのを防ぐ方法について解説します。
経験豊富な歯科医師のもとで治療を受ける
インプラント治療を受けるときには経験豊富な歯科医師を選ぶことが重要です。インプラント治療においてさまざまな経験がある歯科医師であれば、安心して治療を受けられるでしょう。
設備が整っている歯科医院を選ぶ
インプラントを埋め込む際に顎の骨の厚さや神経の位置などを確認するために、事前にしっかりと検査をする必要があります。CT撮影などの設備が整っていないために十分に検査が行われないと、インプラント治療が失敗する可能性もあるでしょう。
インプラント治療におけるトラブルを防ぐためには、設備が整った歯科医院を選ぶことが重要なのです。
定期的にメンテナンスを受ける
インプラント治療後は定期的にメンテナンスを受けることも重要です。インプラントがぐらつく原因のひとつにインプラント周囲炎がありますが、インプラント周囲炎は定期的にメンテナンスを受けることで予防できます。
また、万が一インプラント周囲炎などの口腔トラブルが起こっていても、定期的にメンテナンスを受けていれば、早期発見・早期治療につながるでしょう。
歯磨きを入念におこなう
歯科医院でメンテナンスを受けているからと自宅でのケアを怠ると、インプラント周囲炎などの口腔トラブルが起こるリスクが高まります。インプラント周囲炎などの口腔トラブルを防ぐためには自宅でしっかりとケアを行うことも重要なのです。
普段から入念に歯磨きをおこないましょう。歯ブラシでのブラッシングはもちろん、フロスや歯間ブラシも活用することで、歯と歯の間や歯と歯茎の境目に付着した汚れも除去できます。
まとめ
インプラントがぐらつく原因には、アバットメントの緩みやインプラント周囲炎などが挙げられます。インプラント体と顎の骨が結合していないことでぐらつくこともあるでしょう。
インプラントがぐらつくときは原因に応じた対処が必要です。ネジの緩みが原因でインプラントがぐらつく場合にはネジを締め直し、インプラント周囲炎が原因でインプラントがぐらつく場合には治療を受けることで改善できる場合があります。
状況によっては、再手術が必要になることもあるでしょう。
インプラントがぐらつくときに指で触ったり、取れたパーツを自分で付け直したりするとトラブルの原因となりかねません。インプラントがぐらつくときは、速やかに歯科医院を受診しましょう。
インプラントを検討されている方は、三重県伊賀市にある歯医者「矢谷歯科医院」にお気軽にご相談ください。