コラム
歯のブリッジの費用はどのくらい?保険・自費の違いと素材別の相場を解説
こんにちは。三重県伊賀市にある歯医者「矢谷歯科医院」です。
失った歯を補う方法の1つとして、ブリッジという選択肢があります。ブリッジの費用がどのくらいかかるのか気になる方もいるでしょう。
本記事では、ブリッジの費用について詳しく解説します。ブリッジと歯を補う他の方法ではどのような違いがあるのかなどもご紹介するので、ブリッジを検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
歯のブリッジとは

ブリッジとは、欠損した歯の両隣の歯を支えにし、連結した人工歯を装着する治療法のことです。歯と歯に橋を架けるようにして支えるので、ブリッジと呼ばれています。
現在、歯を失った半分近くの方がブリッジを選択しているとされています。
ブリッジは、保険適用の場合は7〜8年使用できるのが一般的で、自費で作る場合は10年程度使用できるでしょう。記載した寿命はあくまで目安であり、個人差があります。
口内環境やメンテナンスの仕方によっては、短くなったり長くなったりするでしょう。しっかりケアを行っていると、10年以上維持できるケースもあります。また、ブリッジを長く快適に使い続けるためには、ブリッジをかける両隣の歯を健康に保つことが重要です。
歯のブリッジのメリット
歯のブリッジは、保険診療か自費診療かを選べます。保険のブリッジを選択すれば費用を抑えられるため、費用を重要視する患者さまにとっては大きなメリットと言えるでしょう。
自費のブリッジを選択した場合は費用が高くなりますが、高い審美性や機能性を得られます。見た目が気になる方や、より快適に使用したい方の希望に沿えるでしょう。
また、ブリッジはしっかりと歯に固定されるため、噛み心地が入れ歯よりも良いです。入れ歯の床と呼ばれる歯肉の部分がないため、違和感を覚えにくいというメリットもあります。
「入れ歯の噛み心地が悪くて硬い物が食べられなかった」「会話の時に入れ歯が動くのが気になる」という方は、ブリッジにすることで改善されるでしょう。
歯のブリッジのデメリット
歯のブリッジのデメリットは、隣接する歯を削らなければならないという点です。
ブリッジは、失った歯の両隣の歯を削り、連結した被せ物を装着して歯を補う治療です。そのため、土台となる両隣の歯を大きく削る必要があります。健康な歯を削ることになるので、抵抗のある方も多いでしょう。
場合によっては、ブリッジをかける歯に対して根管治療が必要になるケースもあります。根管治療を行えば歯が弱くなるので、将来的に虫歯や歯周病になりやすかったり、折れたり欠けたりしやすくなる恐れもあるでしょう。
また、ブリッジは残っている歯を支台にするので、歯の欠損が多い場合は治療を行うことができません。連続欠損は基本的には2歯までしか認められない点にも、注意が必要です。
歯のブリッジの費用はどのくらい?

歯のブリッジにかかる費用は、保険適用か自由診療かによって異なります。保険適用の場合、欠損歯1本あたり2〜3万円程度かかるのが一般的です。保険適用の場合、治療内容が同じであれば費用はどの歯科医院でも同額です。
しかし、保険適用外の自由診療の場合には、歯科医院によって費用が異なるので注意しましょう。自由診療の場合は、1本あたり5〜15万円程度が相場とされています。
治療前に、費用について歯科医院にしっかり確認をするのが大切です。
歯のブリッジは保険適用できる?

上述したように、歯のブリッジは保険適用が可能です。保険適用にすれば、費用を大幅に抑えて治療できるでしょう。
ただし、歯のブリッジは保険適用か自費診療かによって仕上がりが大きく異なります。そのため、費用面にのみ着目するのではなく、審美面や機能面などもしっかり確認してから、保険適用のブリッジにするかどうかを検討するほうが良いでしょう。
歯のブリッジの保険診療と自費診療の違い

歯のブリッジは、保険診療と自費診療でさまざまな違いがあります。ここでは、保険診療と自費診療における治療の違いについて解説します。
保険診療
保険診療で作るブリッジは、使用できる素材と本数が決められています。素材はプラスチック製のものが一般的で、奥歯についてはプラスチック製では強度が足りないため金属が使われます。
本数に関しては、前歯は犬歯を含む場合は連続して2歯以内の欠損、犬歯を含まない場合には連続して4歯以内の欠損の場合、保険適用になります。奥歯は連続して1〜2歯以内でないと保険適用で作れません。この本数を超える場合には、自費診療になります。
自費診療
自費診療のブリッジには、セラミックブリッジやロングブリッジ、接着性ブリッジなどがあります。
セラミックブリッジは、名前の通りセラミックで作るブリッジです。自費診療の場合、ハイブリッドセラミックやオールセラミック、ジルコニアなどが使えますが、素材によって費用は異なります。
ロングブリッジとは、2本の歯を土台に4本以上の長いブリッジをかけるものです。保険診療ではブリッジをかけられる本数が限られていますが、自費診療であれば複数の欠損歯に対してブリッジをかけられます。
接着性ブリッジとは、歯科用の接着剤で歯に接着する治療法です。両隣の歯を削る量が少ないため、健康な歯を多く削ることなく治療ができます。
自費診療を選択すれば治療の選択肢が増え、ご自身に合ったものを選べるためより快適に使用できるでしょう。
自費ブリッジの素材と費用(当院の取扱素材)

矢谷歯科医院では、機能性と審美性のバランスを重視し、複数の素材を取り扱っています。それぞれの素材には得意な部位や特徴があり、患者さまの希望・口腔環境・咬合力を考慮して最適な素材をご提案します。
オールセラミッククラウン(e-max)
全てがセラミックで構成された素材で、透明感が非常に高く、自然な歯の色合いを再現できます。金属を一切使用しないため金属アレルギーの心配がなく、見た目を最重視する方に最適です。特に前歯のように審美性が重視される部位に適しています。
ただし、強い力が加わる奥歯では破折のリスクがあるため、使用範囲は前歯や小臼歯が中心です。支台となる歯が金属や変色している場合には、色が透けることがあるため注意が必要です。
費用の目安は1歯あたりおよそ8〜12万円です。
ジルコニアクラウン(プレミアムタイプ)
ジルコニアは人工ダイヤモンドとも呼ばれる素材で、セラミックの美しさと金属に匹敵する強度を兼ね備えています。プレミアムタイプでは、ジルコニアの上にセラミックを焼き付けることで、より自然な色調と艶を実現しています。
前歯にも奥歯にも使用可能で、審美性と強度のバランスが非常に高い素材です。精密な技工を必要とするため費用はやや高めですが、長期的に見ても安定性に優れています。
費用の目安は1歯あたり約12〜15万円です。
ジルコニアクラウン(ハイグレードタイプ)
ハイグレードタイプは、ジルコニアそのものに自然な着色(ステイニング)を施して仕上げる方法です。セラミックを重ねない分、透明感はやや劣りますが、強度はプレミアムタイプよりも高く、奥歯にも安心して使用できます。
咬合力が強い方や長期使用を重視される方に選ばれる事が多いです。前歯にも使用可能ですが、見た目の自然さを重視する場合はプレミアムタイプが適しています。
費用の目安は1歯あたり約10〜13万円です。
ジルコニアクラウン(スタンダードタイプ)
スタンダードタイプは単色のジルコニアで作製されるため、自然な色の再現力は他タイプに劣りますが、強度が高く、奥歯など審美性がさほど求められない部位に適しています。
銀歯は避けたいが、費用を抑えて白い歯にしたいという方に人気の素材です。費用の目安は1歯あたり8〜10万円前後です。
メタルボンドクラウン
内側を金属で補強し、その表面をセラミックで覆った構造です。強度が高く、長期的な使用にも耐えられるため、前歯・奥歯のどちらにも対応できます。
ジルコニアよりも歯との適合性に優れており、支台歯との間に段差ができにくいことから、清掃性の高さも特徴です。ロングスパンのブリッジにも適応でき、長期安定性を求める方に向いています。
一方で、金属フレームが光を通しにくいため、透明感はやや劣ります。費用の目安は1歯あたり10〜15万円です。
ゴールドクラウン
金合金を使用したクラウンで、最も歯との適合性に優れた素材です。金属が持つ延びる性質により歯にぴったりフィットし、虫歯の再発リスクを大幅に下げることができます。
強度が高く、咬み合わせにも優しいため、特に強い力がかかる奥歯に選ばれる事が多いです。見た目が金色であるため審美性は劣りますが、機能性と耐久性を最重視する方には理想的な素材です。
費用の目安は1歯あたり10〜13万円です。
ヒューマンブリッジ
ヒューマンブリッジは、従来のブリッジよりも歯を削る量を大幅に減らした新しいタイプのブリッジです。支台歯の表面にごく小さな溝をつくり、金属製のウイングを接着する構造で、健康な歯をほとんど傷つけません。
外科手術は不要で、違和感が少なく、インプラントよりも費用を抑えられるのが特徴です。
ただし保険適用外で、適応できる症例が限られる点に注意が必要です。費用の目安は27万5,000円(税込)〜程度です。
ブリッジの費用が高くなるケース

ブリッジの費用は、使用する素材のほかに治療範囲や支台歯の状態によって変動します。審美性の高いセラミックやジルコニアを選ぶ場合、また複数歯を連結するロングスパンブリッジを作る場合は費用が高くなります。
さらに、支台歯が虫歯や歯周病にかかっており、根管治療や補強処置が必要な場合も追加費用が発生します。費用を正確に把握するためには、事前に口腔内の状態をしっかり診査・診断してもらうことが大切です。
ブリッジの費用を抑える方法

ブリッジの費用を抑える最も確実な方法は、保険が適用される治療を選ぶことです。保険診療では素材や治療範囲に制限がありますが、機能面では十分で、自己負担を大幅に軽減できます。
また、年間の医療費が一定額を超えた場合に利用できる医療費控除を活用するのも有効です。確定申告によって所得税の一部が還付される可能性があり、自由診療を選択した場合には特に負担軽減につながります。
さらに、治療後のメンテナンスを怠らず、ブリッジを長持ちさせることも結果的に費用を抑えることにつながります。素材の選択や日々のケアを工夫し、長期的なコストパフォーマンスを意識して治療を選ぶことが大切です。
歯のブリッジとインプラント、入れ歯の違い

歯を失った場合には、ブリッジ以外にもインプラントや入れ歯で補うことができます。以下で、歯のブリッジとインプラント、入れ歯の違いについて解説します。
ブリッジとインプラントの違い
インプラントは、インプラント体を顎の骨に埋入して上に人工歯を装着する治療法です。インプラント体を直接顎の骨に埋入しているためしっかり固定され、自分の歯と同じような噛み心地を実現できます。見た目も天然歯と遜色なく、審美性が高いです。
しかし、自費診療のため費用が非常に高く、一般的に1歯あたり30~40万円かかります。ブリッジは自費であっても1歯あたり10万円程度が相場です。そのため、費用が高額という点で躊躇する方も多いです。
また、ブリッジと違って外科手術をする必要があるため、持病がある方などは受けられない場合があるので注意が必要です。
入れ歯とブリッジの違い
入れ歯も、歯を失った方が多く選択するメジャーな治療法です。簡単に作ることができ、保険適用3割負担であれば部分入れ歯で5,000~1万5,000円程度と、費用が安い点が特徴です。
また、入れ歯の場合は取り外しが可能なので、ご自身でお手入れをしやすい点もメリットいえるでしょう。
しかし、保険の入れ歯の場合は装着時に違和感があることが多く、慣れるまでに時間がかかる可能性があります。噛む力、審美性ともに、ブリッジやインプラントに劣るということも知っておきましょう。
まとめ

歯のブリッジは、保険適用であれば1本あたり2〜3万円程度でできます。保険適用の場合は素材や本数に制限があるため「自分に合った素材を選びたい」「多くの歯にブリッジをかけたい」という場合は、自費診療を選択しましょう。
歯のブリッジは、歯を失った方全体の半数近くが選択する非常にメジャーな治療方法です。インプラントよりも安く、入れ歯よりもご自身の歯に近い噛み心地を手に入れられるため、欠損歯を安く綺麗にしたい場合には、ブリッジを検討してみてはいかがでしょうか。
ただし、ブリッジにはデメリットもいくつかあるため、歯科医師と相談してから決定することが重要です。
歯のブリッジを検討されている方は、三重県伊賀市にある歯医者「SPT 矢谷歯科口腔医院」にお気軽にご相談ください。
当院の院長・副院長は口腔外科出身で、親知らずの抜歯やインプラント治療などを得意としています。虫歯・歯周病治療や矯正治療、入れ歯治療なども行っております。
当院は、地元の伊賀市だけでなく、名張市・亀山市・津市からも多くの患者様にご来院いただいております。歯に関するお悩みはぜひお気軽にご相談ください。ホームページはこちら、ご予約・お問い合わせもお待ちしております。公式Instagramも更新しておりますので、ぜひチェックしてみてください。




