インプラント
歯周治療およびインプラント治療にて全顎的に治療を行った症例
こんにちは!三重県伊賀市の歯医者「SPT 矢谷歯科口腔医院」の矢谷真也です。
今回は歯周治療およびインプラント治療を全顎的に行った症例をご紹介したいと思います。歯を長持ちさせるためにいかにしっかりとした歯の土台を作るか、歯の周囲の清掃環境を整えるか、しっかりと噛むことができる環境にすることが大事だと思います。
目次
症例紹介







患者様は55歳、女性の方で、主訴としては奥歯によく物が詰まり、汚れが取りきれない、歯茎が腫れたりするということでした。患者様の口腔内は特に奥歯の方に銀歯などの多数の補綴物(被せ物などのこと)が処置されていました。また補綴物と支台となる歯の間に隙間が出来ていて、そこにプラークや食渣などの汚れが溜まっている状態でした。
2次カリエスは放置しておくと最終的には抜歯になることが多い
補綴物と支台歯との間に汚れが溜まると、そこから虫歯(2次カリエス)が発生して、被せ物が脱離したり歯の根(以下、歯根)しか残らない状態となり、最終的には抜歯に至るケースが多いです。そうならないためにも支台歯と被せ物に隙間が生まれないような精度の高い治療が必要となってきます。また歯磨きなどがしっかりとできる清掃環境を作ることも大事です。いくら審美的で綺麗な歯の被せ物をしたとしても歯磨きがしっかりと出来ないと長持ちしません。どれだけしっかりと歯磨きができるかに被せ物の寿命が掛かっていると言っても過言ではありません。



レントゲン写真の状態としては、全体的に銀歯などの補綴物があまり歯に適合していない印象を認めます。銀歯など金属はレントゲン写真上では白く光って写りますので、実際は歯がどのような状態になっているかを知るために補綴物を全て除去する必要があります。
補綴物を外すリスク
補綴物を外すリスクとしては、歯や歯根が割れたり(破折)やヒビ(クラック)が入る可能性があるということです。特に被せ物の下にある歯の土台(コア)を外す際はその可能性が高くなります。その理由として、歯の土台がそのままスポット外れたらいいのですが、実際は強力なセメントで歯根に合着されているので、そのまま抜けることがありません。まだレジンコアと言ってプラスチック製の土台なら削り取れる可能性もなくはないですが、金属の土台だと歯と金属の境目を削ってそこから力をかけて土台を外さないといけません。その力を掛けた際に破折やクラックが入る可能性があります。また土台が縦長であったり、太かったりすると外すのがより困難となります。(臨床的にはレジンコアを外したり除去する方が困難な場合もあります。)補綴物を外す際は上記のようなリスクをあらかじめ患者様にお伝えして承諾を得た上で外すようにさせていただいております。
全顎的に治療していくにあたり、処置が多いこと、年数が掛かること、費用もかかることなどを説明させていただき、経済的なことも考慮した上で少しずつ時間を掛けて治療をしていくこととなりました。
右側上顎および左側上顎臼歯部

まずは歯の状態を確認するために全ての補綴物を除去していきました。また補綴物を除去した際はそのままだと食事ができませんので、仮歯を入れさせていただいており、治療中はずっと仮歯で過ごしていただきました。
まずは仮歯を外して、レントゲン写真と見比べながら、残せる歯と抜歯しなくてはいけない歯の選別をしていきました。ここで慈悲や情けで中途半端に歯を残してしまうことによって、最終的は被せ物が入った後にもし歯を抜かないといけないことになってしまった場合最初から治療がやり直しになる可能性があります。(※左側臼歯部の状態の写真が見当たらないので掲載できていません。申し訳ございません。)
右上顎および左上顎への歯周外科(歯肉弁根尖側移動術および遊離歯肉移植術)




保存が可能と判断した歯に対して、しっかりと歯の土台を作るために歯茎を下げて、歯根周囲の骨を削合する歯肉弁根尖側移動術および歯冠延長術(クラウンレングスニング)を行いました。また左上臼歯部ではそれらに加え歯の周りにしっかりとした歯茎を作るために遊離歯肉移植術と言って歯茎を採取して移植を行いました。
右上および左上の最終補綴物




最終的な補綴物としてジルコニア素材のBrを左右されぞれに入れさせて頂きました。(あまり審美性が求められないところなのでジルコニアクラウン(ハイグレードタイプ)を使用しています。)
左側下顎臼歯部


左下臼歯部の補綴物もあまり歯根と合っていない感じがするのと、CT画像でよく見ると特に左下5には嚢胞用の大きな透過像を認めたりしましたので、全て保存不可と判断して抜歯を行うこととしました。患者様との話し合いで違和感なくよく噛めるようにしてほしいとのことで抜歯後はインプラント治療をさせていただくこととなりました。
右側下顎臼歯部


右側臼歯部に関しても、右下7および8は根尖病巣および重度の歯周病になっていて、また右下5は補綴物を外すと中で虫歯が進んでいて、ほぼ根の1/3ぐらいしか残らないことから全て抜歯と判断し、こちらも抜歯後はインプラント治療を行うこととなりました。
左下および右下インプラント手術時
左側下顎臼歯部



右側下顎臼歯部





左下および右下の保存ができない歯を抜歯して、ソケットプリザベーションと言ってインプラント治療が後々に不利にならないように、PRGFや骨補填剤を使用して出来るだけ顎骨が目減りしないように処置を行いました。
※PRGFに関してお知りになりたい方は当院HPのPRGFのページをご参照ください。
顎骨の治癒や骨が作られていることを確認してから、それぞれ左下および右下のインプラント手術を施行しました。しっかりと骨が作られていて何の問題もなく手術を終えることが出来ました。
インプラント上部構造の印象



インプラントと顎骨の結合がされて安定していることを確認後は通法に従って、インプラントの歯の部分の印象を行いました。
インプラント上部構造の装着







インプラントの上部構造を装着しました。しっかりと噛めることを確認しました。
患者様から「治療費は決して安くはなかったけど、頑張って治療してよかった、何よりも歯が磨きやすくなった!」と大変喜んでいただけました。(前歯部の詰め物が少し着色してきているので、患者様からの希望があれば治さないといけないですね。)
まとめ
術前術後レントゲン写真


今回は全顎的に治療した症例を紹介させていただいたのですが、まず大事なのはいかに患者様が歯をしっかりと磨け、良いお口の環境を保てる状態を作るかが大事だと思いました。またいくら歯科医院でいい治療をしたからと言って、自宅で歯磨きが出来ていなかったら、またすぐに元の状態に戻ってしまします。お金も時間も掛けて治療した意味が薄れてきます。この患者様は毎回しっかりと歯間ブラシまで通して、いいお口の状態を維持してくれています。本当にありがとうございます。
大切なこととしては、このような規模が大きい治療の関しては患者様の協力なくしては成り立ちません。この患者様は非常に強力的でほぼ毎回しっかりと予約通りに来院してくださりきっちりと治療を受けてくれました。このように歯科医院側と患者様とでお互い協力して一緒に治療していくことが大事だと考えています。
治療詳細
治療内容:右上2の歯根嚢胞に対して、抜歯および嚢胞摘出術を行いました。その後インプラントにて同部の治療を行いました。
治療期間:約72ヶ月
回数:回数:120回
(歯周基本治療、術前クリーニング、抜歯・嚢胞摘出術、インプラント手術、術後洗浄および経過観察等を含む)
(当院では術後もインプラントの部分がちゃんと治癒してきているかなどしっかりと経過観察を行うので、来院回数もおのずと増えます。)
費用:総額 ¥4,025,590-(税込み)
そのうちインプラント治療費としては、¥786,500-(税込み)(検査、診断、PRGF、インプラント手術、上部構造費用、保証費等を含む)
リスク・副作用: 創部の壊死、出血、腫脹、疼痛、青痣、神経麻痺、補綴物の脱落・破折、インプラント体の破折、咬合違和感、インプラント周囲粘膜炎、インプラント周囲炎等
今回は全顎的に歯周外科やインプラント治療を行なった症例をご紹介させていただきました。歯周治療やインプラント治療に興味をお持ちの方やお悩みの方は、三重県伊賀市にある歯医者「SPT 矢谷歯科口腔医院」にご相談ください。当院では、伊賀市だけでなく、名張市、亀山市、津市などの近隣地域からお越しの患者様にも対応しております。ご興味をお持ちの方は、ぜひお気軽にご来院ください。
当院の院長・副院長は口腔外科出身で、親知らずの抜歯やインプラント治療などを得意としています。虫歯・歯周病治療や矯正治療、入れ歯治療なども行っております。ホームページはこちら、ご予約・お問い合わせもお待ちしておりますので、ぜひご覧ください。





